「最近、庭やベランダで蜂をよく見かけるようになった」「家の近くから羽音が聞こえてくる」などの変化が起きていたら、家の近くに蜂の巣ができているサインかもしれません。蜂の巣を放置すると刺されるリスクが高まるだけでなく、家の木材が損傷する原因にもつながります。早めに発見し、適切に対処することが大切です。
本記事では、「蜂の巣があるかもしれない」ときの音と周辺のサインを解説します。後半では蜂の巣の見た目別の蜂の種類や駆除方法、予防策も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
蜂の巣があるかもしれないときの音

まずは蜂の巣が見えていなくても感じ取れる、音のサインを解説します。
ブーンという音が聞こえる
ブーンという音は蜂の羽音の可能性が高いため、巣が近い恐れがあります。家の中でブーンという音が聞こえたら、次のような場所に巣がある可能性を疑いましょう。
- 天井裏(屋根裏)
- 床下
- 換気扇付近
羽音がとくに大きいのはスズメバチ・アシナガバチ・クマバチです。
カリカリ・カサカサという音がする
カリカリ・カサカサという音は、営巣中の蜂が木をかじったり、移動したりするときの音という可能性があります。次のような場所に営巣されている可能性を疑いましょう。
- 天井裏(屋根裏)
- 床下
- 柱や梁
上記のような場所に営巣しやすいのはスズメバチ・ミツバチ・クマバチです。
カチカチという音がする
カチカチという音はスズメバチの警告音です。巣の周辺で防衛活動をしている働き蜂は、巣に近づく存在に対して顎を鳴らして威嚇します。つまり、警告音がしたら巣が近いということです。次のような場所に営巣されている恐れがあります。
- 庭の木の上や洞の中
- 土の中
- 軒下や倉庫の中
警告音を無視して近づく存在を攻撃するので、それ以上は歩を進めないように注意しましょう。
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蜂の巣があるかもしれない周辺のサイン

音が聞こえない場合でも、周辺を観察すると蜂の巣のサインがみつかることがあります。代表例を3つ解説します。
木の樹皮や葉に削り取られた部分がある
スズメバチやアシナガバチは樹皮を削り取って巣の材料にするため、周辺の木々の樹皮に欠けがある場合、近くで営巣されている可能性があります。ただし、スズメバチの活動範囲は巣を中心に1~2km、アシナガバチは50m~1kmほどと広範囲なので、巣の場所を特定できるほどの手がかりとはいえません。周辺の警戒に努めましょう。
枯れ木や家の柱や梁のそばに木くずが落ちている場合は、クマバチが営巣している恐れがあります。クマバチは乾いた木に穴を開けて営巣するからです。柱や梁に営巣された場合、放置すると躯体がもろくなるため早期に対処しましょう。
葉を切り取られる、削り取られる場合は、ハキリバチまたはチュウレンジハバチの可能性があります。ハキリバチは営巣に葉を用い、チュウレンジハバチは幼虫が葉を食べるからです。
木に腐食がみられる
スズメバチやミツバチは営巣の規模が大きく、巣の周辺で湿気が増えやすいため、カビや腐食が生じる恐れがあります。ミツバチの巣をエサとするスムシ(蛾の幼虫)が発生すると、嫌なニオイが漂ってくることもあるようです。また、クマバチが開けた穴にシロアリが住みつくこともあります。
黒い粒が落ちている
樹木の下に落ちている黒い粒は、スズメバチやアシナガバチの幼虫の糞という可能性があります。幼虫は蛹(サナギ)になる直前に1回だけ黒い糞をするからです。放置すると働き蜂が羽化して危険性が増す恐れがあります。なお、蛹になってから羽化するまでの期間は蜂の種類によって異なりますが、12~20日が目安です。
一定方向に複数匹の蜂が飛んでいく
蜂は基本的に、日の出とともに巣を出発し、日没に帰巣するため、この時間帯に一定方向に飛ぶ複数の蜂を見かけたら、その出発点や到着地点に巣がある可能性が高いといえます。外壁の隙間から出入りしているようであれば、壁内をとおって屋根裏や床下に営巣されている可能性を疑いましょう。
蜂の巣が作られやすい場所については、次の記事をご覧ください。

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蜂の巣の形と蜂の種類
蜂の巣らしきものを発見したときに備えて、日本に住む主要な蜂の巣の見た目を紹介します。さらに詳しい記事へのリンクを設置しているので、ぜひあわせてご覧ください。

スズメバチ
スズメバチの巣の中期~後期の形です。マーブル模様の球形で、15cm以上の大きさがあります。


コガタスズメバチ・ツマグロスズメバチ
コガタスズメバチ、ツマグロスズメバチの初期段階の巣(とっくり型)です。


スズメバチ
多くのスズメバチの巣の初期段階(提灯型)です。


アシナガバチ
傘状の巣はアシナガバチの巣です。


ミツバチ
楕円形の板が連なる形のミツバチの巣です。


クマバチ
枯木・柱・梁などに穴を開けるクマバチの巣です。


オオスズメバチ・クロスズメバチ・アナバチなど
土の中に営巣する蜂は複数種類います。


ドロバチ
泥を固めて作るドロバチの巣です。

蜂の巣の見つけ方とプロ以外ではNGな方法

蜂の巣の見つけ方にはさまざまな方法がありますが、防護服を着用しない状態で実践するには危険な方法もあります。ここでは、比較的安全に実施できる見つけ方とプロ以外が取り組むには危険な方法を解説します。
蜂の巣の見つけ方
- 耳をすませる
- 周辺のサインをよく観察する
- スマートフォンのカメラを駆使する
まずは、先述の音や周辺のサインに集中して、蜂の巣の場所にあたりをつけましょう。その上で、飛んでいる蜂を発見したら、離れた場所からスマートフォンのカメラで追いかけることをおすすめします。ズーム機能を使えば、距離を保ったまま蜂の行動を追跡できるからです。
ただし、林や森の中に入っていった場合は追跡を中止してください。いつ蜂の巣に接近してもおかしくない上に、追いかけていた蜂とは別の危険な蜂に遭遇する恐れもあるからです。
プロ以外ではNGな方法
- 蜂に札をつけて追う
- 天井裏や床下の点検口を開ける
- 藪や木の洞、土の中をつつく
食用としても親しまれる地蜂(クロスズメバチ・シダクロスズメバチ)の追跡方法に、働き蜂1匹をつかまえて白い布の札をつけてから放ち、追いかける方法があります。しかし、これはプロや経験者以外が実践するのは危険です。防護服と分厚い手袋を着用した上で、安全を確保しながらおこなう方法だからです。
また、音や周辺のサインから天井裏や床下に営巣されている疑いがあるときは、まずはプロに相談してください。点検口を開けて中を確かめるのはNGです。スズメバチやミツバチは数千匹の働き蜂を抱えるコロニーを形成している可能性があります。点検口を開けることが刺激となって、大群が襲ってくる恐れがあるため危険です。
同じ理由で、藪や木の洞、土の中などの見えづらい場所をつついて確認するのもNGです。あたりをつけた場所をプロに伝えて、確認してもらいましょう。
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蜂の巣の駆除方法

蜂の巣を発見したら、できる限り早期に駆除することをおすすめします。とくにスズメバチやアシナガバチの巣の場合は放置するほど肥大化し、働き蜂の数が増えて危険性が高まるからです。ただし、次の条件に合致する場合は自分で駆除せず、必ずプロに相談してください。
- 蜂の巣の直径が10cmを超える
- 危険な蜂
- 専用機材でなければ駆除が難しい場合
- 高所・狭所
蜂の巣の直径が10cmを超えると、初期段階を過ぎて働き蜂が羽化している可能性が高く危険です。巣の周辺で警戒体制をとっている働き蜂に攻撃される恐れがあります。とくに、スズメバチ属やアシナガバチ属には毒性・攻撃性ともに高い種類が多いため、近づかないようにしましょう。
柱や梁などの穴や室外機、戸袋などに巣を作られた場合は、専用機材と薬剤を使用しなければ駆除しきれない可能性があります。女王蜂が生き残ると産卵と営巣が再開されるため、プロに相談しましょう。
屋根裏や床下、木の上などの高所や狭所にある蜂の巣もプロに依頼することをおすすめします。退路の確保が難しいため刺されるリスクが高く、落下や転倒によるケガのリスクもあるからです。費用の問題も含めて自分で駆除すべきか否かをさらに詳しく知りたい人は、次の記事をご覧ください。

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蜂の巣の再発防止策

蜂の営巣の再発を防止するには、次のようなものが役立ちます。
- 蜂用の忌避剤
- 蜂用の殺虫スプレー
- 防虫ネット
蜂用の忌避剤には、忌避スプレー・木酢液・燻煙剤などがあります。ホームセンターやネット通販で購入可能です。巣が作られた場所や営巣に好まれる場所に散布しておきましょう。とくに、さまざまな蜂が営巣場所を探す3~5月は重点的に散布しておくことをおすすめします。忌避剤と同様の成分が含まれている蜂用殺虫剤も有用です。
小さな子供やペットのため、あるいは機械類が周辺にあり薬剤を使用できない場合は、防虫ネットを設置しましょう。換気扇では専用の防虫網も販売されています。

蜂の巣の場所がわからない・危険なときはプロに相談
「ブーン」「カサカサ」「カチカチ」音がするときや樹皮の欠けや木くず、黒い粒などが見られるときは、近くに蜂の巣が作られている可能性があります。スマートフォンのカメラを使って蜂の行動を追跡すれば、巣の場所のあたりをつけやすくなるでしょう。ただし、林や森の中には立ち入らないように注意が必要です。
また、発見した巣が営巣の初期段階を超えていた場合は、自分で駆除するのは危険です。周辺の働き蜂に刺される恐れがあります。また、営巣場所が屋根裏や床下である可能性が高い場合は、巣を目視するために点検口を開けることすら危険です。巣の確認から駆除まで必ずプロに相談しましょう。
