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木酢液の選び方|使用時の注意点も解説

木酢液とは、木材を炭化する際に発生する水蒸気を冷却して液体状にしたものです。ツンとした独特のにおいがある、天然の虫よけです。殺菌や土壌改善に役立つなど多くのメリットがあり、蜂の忌避剤としても活用できます。

木酢液にはさまざまな種類があるため、用途に合った製品を選びましょう。

本記事では、木酢液の選び方や具体的な使い方を、詳しく解説します。害虫の被害にお困りの方や、農作物を育てている方はぜひ参考にしてください。

木酢液の選び方

市販の木酢液は、成分や品質によってさまざまな種類があります。選ぶ時の3つのポイントを解説します。

広葉樹が原材料のものを選ぶ

木酢液は、原材料となる木材の種類によって品質や効果に差が出ます。特にクヌギやナラ、ブナ、カシなどの広葉樹を原材料とした木酢液は質が高いといわれています。木酢液を選ぶ際は原材料の種類を確認し、広葉樹由来の製品を選ぶと良いでしょう。

一方で、ウルシやハゼノキ、クスノキなどを原材料とする木酢液は、なるべく避けてください。これらの木酢液は、植物の生育や微生物の増殖を抑える有害物質を含む可能性があります。

にごり・沈殿物が少ないものを選ぶ

木酢液を選ぶ時は、液体の透明度にも注目してください。品質の良い木酢液はにごりや沈殿物が少なく、透明度が高いことが特徴です。

にごっていたり沈殿物や浮遊物があったりする木酢液は、十分にろ過されておらず不純物が含まれている可能性が高いでしょう。

また、木酢液の色味もチェックしましょう。良い木酢液は通常、濃い黄褐色または赤褐色で麦茶のような色をしています。

適切なpH値のものを選ぶ

一般的に、木酢液のパッケージにはpH値が記載されており、pH値が低いほど酸性度が高いことを表します。木酢液の原液は強酸性で、pH2.8~3.2の間の値が適切とされています。

この範囲よりpH値が低い場合、周囲の植物にダメージを与えたり、土壌の質が悪くなったりするリスクがあります。反対にこの範囲よりpH値が高い場合は、木酢液が水で薄められている可能性があります。

購入前にpH値を確認するようにしましょう。

木酢液の使い方

木酢液は希釈して使用しますが、用途によって適切な濃度が異なります。木酢液の濃度が高すぎると植物や土壌に悪影響をもたらす恐れがあるため、必ず用途ごとに適切な濃度で使用しましょう。

用途別の希釈濃度の目安を解説します。

忌避剤:2~5倍に希釈

木酢液は、その独特のにおいによって害虫や動物を遠ざける忌避効果が期待できます。特に蜂やアブラムシ、ハエ、アリなどに効くとされています。

庭や畑の防虫・防獣対策として使用する場合は、木酢液を2~5倍に希釈し、対象の場所に散布してください。希釈濃度を調整すれば効果を高めることもできますが、植物に直接かからないように注意しましょう。

土壌改良:50~100倍に希釈

土壌改良の目的で木酢液を使用する場合は、50~100倍に希釈したものを使用します。希釈した木酢液を土壌表面に散布し、その7~10日後に作物を植えましょう。

木酢液に含まれる有機物は、土壌中の微生物の活動と堆肥の発酵を促進し、健康な土壌環境を整えてくれます。また、木酢液は土壌のpHバランスを調整する働きもあり、植物の生長をサポートしてくれるでしょう。

植物の病気予防:500~1,000倍に希釈

木酢液の主成分は酢酸などの有機酸です。 カビや細菌による病気を予防する効果があるため、植物の病気予防にも有効です。例えば、次のような病気の対策として活用できます。

  • うどんこ病
  • モザイク病
  • いもち病

植物の病気を予防し、生育を促進する目的で木酢液を使用する場合は、500〜1,000倍程度の希釈が適切です。スプレーボトルなどをに入れ、葉の表裏にたっぷり散布しましょう。

ただし、病気が発症してから治す効果は望めません。あくまでも病気予防として木酢液を使用してください。

木酢液の使用上の注意点

害虫対策や土壌改善など、さまざまな効果のある木酢液ですが、使用に際していくつかの注意点もあります。主なポイントを解説します。

金属の物に使わない

強酸性である木酢液が金属に触れると、化学反応によって金属が錆びたり腐食したりする恐れがあります。そのため、木酢液を散布する際は金属の物に吹きかけないように注意してください。

もし金属部分に使用する場合は、希釈濃度を薄めに調整する必要があります。また、保存容器も金属製ではなく、プラスチックやガラス製の容器を使用しましょう。

直接肌に触れないようにする

木酢液は天然由来のため、他の殺虫剤などと比べると安全性が高いとされており、化粧品や入浴剤として使用されることもあります。

ただし、未希釈の木酢液は強酸性のため、直接肌に触れたり吸い込んだりすると体に害を及ぼす恐れもあるでしょう。また、肌や服に木酢液が付くと、独特の強いにおいが取れなくなることもあります。

取扱いの際は十分に注意してください。

保管時は直射日光や高温多湿を避ける

木酢液は熱や光に長期間さらされると、品質が劣化してしまいます。そのため、直射日光や高温多湿の環境を避け、陽が当たらない涼しい場所で保管しましょう

開封後はしっかり蓋を閉め、密閉状態を保つことも重要です。

また、木酢液の見た目はペットボトル飲料と間違えやすいため、誤飲を防ぐために飲み物とは別の場所に保管するなどの工夫も必要です。

用途に合わせて木酢液を活用しよう

木酢液は、害虫忌避や殺菌、土壌改良、植物の病気予防など、幅広い用途で活用されています。特に蜂やアブラムシ、ハエなどの害虫は、木酢液のにおいを嫌うため、高い防虫効果が期待できるでしょう。天然由来のため安全性が高く、安心して使えることも木酢液の魅力です。

ただし、木酢液は製品によって品質に差があるため、適切なものを選ぶことが重要です。また、使用目的によって希釈濃度や使用方法も異なるため、目的に合わせて調整しましょう。

 

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ハチお助け本舗編集部①

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