蜂は身近な昆虫ですが、種類が多いため明確な種類まではわからない人が多いのではないでしょうか。種類によって毒性や攻撃性などのリスクも異なるため、できれば見分け方を知っておきたいところです。
そこで本記事では、蜂と蜂の巣の画像とともに、生態・特徴・性格などを詳しく解説します。身近な10種類をピックアップしているので、見分け方の参考にしてください。
また、一口に「スズメバチ」と言っても実はキイロスズメバチ、コガタスズメバチ、ヒメスズメバチなど多様な種類がいます。より詳細な分類で解説した記事へのリンクもあるので、興味のある人はぜひご覧ください。
蜂の種類一覧
蜂の種類は日本だけでも4,000種類、世界では20万種以上といわれています。ここでは、日本でも見かけることの多い蜂をピックアップして紹介します。
蜂の種類 | 体長・見た目 | 性格 |
オオスズメバチ |
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攻撃的 |
スズメバチ |
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攻撃的 |
クロスズメバチ |
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おだやか |
アシナガバチ |
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スズメバチと比べればおだやか |
ドロバチ |
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おだやか |
ツチバチ |
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おとなしい |
アナバチ |
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おとなしい |
ニホンミツバチ |
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おだやか |
セイヨウミツバチ |
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比較的おだやか |
クマバチ |
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おだやか |
スズメバチは、オオスズメバチやキイロスズメバチなどの複数種類の総称です。ハチ目スズメバチ科スズメバチ亜科に分類される蜂をスズメバチと呼びます。攻撃的な性格の蜂が多いものの、おだやかなクロスズメバチなどの例外もいます。
アシナガバチもセグロアシナガバチやキアシナガバチなどの複数種類の総称です。ハチ目スズメバチ科アシナガバチ亜科に分類される蜂をアシナガバチと呼びます。スズメバチと比べればおだやかですが、攻撃力の強い蜂です。
ミツバチにもニホンミツバチとセイヨウミツバチがいます。そのほか、ドロバチやツチバチなどがおり、蜂の種類は多種多様です。
蜂の種類別の特徴と蜂の巣の見た目
ここでは、蜂の種類ごとの見た目や性格、毒性などの生態を詳しく解説します。種類を見分けられるようになれば、危険性を判断しやすくなります。
スズメバチ
分類 | ハチ目スズメバチ科 |
体長 | 2~2.7cm前後(女王バチは2.5~3cm) |
見た目の特徴 | オレンジと黒の縞模様 |
性格 | 攻撃的 |
スズメバチにはキイロスズメバチ、コガタスズメバチ、ヒメスズメバチなどの種類があります。胴体はオレンジと黒の縞模様のものが多く、働き蜂の体長は2cm前後が中心です。
性格が攻撃的な上に毒性も強く、集団で襲ってくるため危険度の高い蜂といえます。敵が巣に近づくとカチカチという警告音を鳴らし、さらに近づく外敵には集団で襲い掛かるのが特徴です。追跡距離が10~30mあるため、一度襲われると逃げるのは困難といえるでしょう。
巣は屋根裏や木のうろの中などの閉鎖的な場所を好んで作られ、最大60~80cmほどの大きさになります。しかし、閉鎖的な場所を好みはしますが、ベランダや換気口など比較的開放的かつ人の出入りが多い場所に巣が作られることもあるため、注意が必要です。
スズメバチの種類の詳細を含め、さらに詳しく知りたい人は、次の記事をご覧ください。
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オオスズメバチ
分類 | ハチ目スズメバチ科 |
体長 | 2.7~3.7cm(女王蜂は4~5cm) |
見た目の特徴 |
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性格 | 攻撃的 |
オオスズメバチもスズメバチの一種ですが、大きさと危険性は他のスズメバチより上です。世界最大の蜂の種類で、働き蜂でも2.7~3.7cmと大きく、女王蜂は4~5cmにもなります。
毒性・攻撃性ともに極めて強いのも特徴です。キイロスズメバチの毒量が0.4mgであるのに対し、オオスズメバチは1.1mgの毒量を誇ります。3倍近い毒量であることからも、危険であることがわかるでしょう。さらに時速30~40kmの速さで飛行し、30mを追跡できるなど攻撃力に長けています。
クロスズメバチ(ジバチ)
分類 | ハチ目スズメバチ科 |
体長 | 1~1.2cm(女王蜂は1.5cm) |
見た目の特徴 |
|
性格 | おとなしい |
クロスズメバチはジバチとも呼ばれます。スズメバチの1種ではありますが、見た目や性格はほかのスズメバチとは似ていません。体長は小さく色は黒と白で、性格はおだやかです。巣に近づきすぎたり攻撃したりしなければ、襲ってくることはほとんどないといえます。
巣は土の中に作られ、人が多い場所は好みません。散策やハイキングなどの自然環境の中で遭遇したとしても、そっと場を離れれば刺されるリスクは低いといえるでしょう。
アシナガバチ
分類 | ハチ目スズメバチ科 |
体長 | 1.5~2.5cm |
見た目の特徴 |
|
性格 | スズメバチと比べればおだやか |
アシナガバチはスズメバチ科アシナガバチ亜科に属する蜂の総称で、名称のとおり足が長い蜂です。スズメバチと比べればおだやかな性格で、巣に近づかない限り、基本的には人を襲いません。
ただし、攻撃力と毒性は強いため刺激を与えるのは避けましょう。とくに活発な夏は、巣を守るために攻撃的になっている可能性があります。また、アシナガバチの針は痛みが強いため刺されると冷静さを失う恐れがあります。まずは慌てず、静かに去ることが大切です。
巣は開放的かつ雨風をよけられる場所を好みます。屋根の下や玄関先、ベランダなどに巣を作られるケースも少なくありません。傘のような形で色は白っぽい灰色や茶色、最大直径は15cmほどです。
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ドロバチ
分類 | ハチ目ドロバチ科 |
体長 | 1~2cm |
見た目の特徴 | 黒が多い黄色の縞模様 |
性格 | おだやか |
ドロバチにはミカドトックリバチやカバフスジドロバチなどが分類されます。体長は小さく性格がおだやかで、単独行動を好む蜂です。巣を攻撃しない限り襲ってくることはないといえるでしょう。毒性も強くなく、放っておいてもほぼ無害です。
巣は泥を集めて作られます。家の外壁などに筒状または壺状の巣を形成し、卵を産みつけると成虫は去るのが特徴です。巣の付近にいるドロバチは1~2匹程度なので、集団で襲ってくる心配はありません。
巣が目立つ位置にあるなど、放置せずに落としたいときは、卵を産みつけた成虫が去ったときがおすすめです。9~10月が目安となります。
ツチバチ
分類 | ハチ目ツチバチ科 |
体長 | 1~2.5cm |
見た目の特徴 |
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性格 | おだやか |
ツチバチ科の蜂は土の中に巣を作り、性格はおだやかです。キオビツチバチやヒメハラナガツチバチなどが属しています。見た目のバリエーションが豊富で、ほとんど黒の蜂や黄色と黒の縞模様の蜂、一見すると蜂には見えにくい種類のものもいます。
単独行動が中心で、巣を踏み抜いたりしない限り襲ってくることはありません。しかし、巣穴以外は表から見えないため、気づかぬうちに踏んでしまう可能性が高いという点では厄介な蜂といえます。
アナバチ
分類 | ハチ目アナバチ科 |
体長 | 2.5cmほど |
見た目の特徴 |
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性格 | おだやか |
アナバチ科にはキンモウアナバチやクロアナバチなどが属しています。黒っぽい色の蜂が多く、一見するとアリのようなフォルムの種類もいます。単独行動で性格はおとなしく、巣を攻撃しない限りは襲ってきません。毒性も昆虫を獲るためのもので、極めて弱い種類です。
巣は水はけと日当たりの良い土やコンクリートの壁などに、穴を掘って作ります。ダミーの入口を作り、本当の入口は閉じておくのも特徴です。家や庭木に被害をもたらすこともなく、ほとんど無害なので、放っておきましょう。
ニホンミツバチ
分類 | ハチ亜目ミツバチ上科ミツバチ科 |
体長 | 1.1~1.3cm(女王蜂は1.7~1.9cm) |
見た目の特徴 |
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性格 | おだやか |
さまざまな花から蜜を集めるミツバチです。ニホンミツバチは現代では希少性が高く、養蜂されたミツバチが集めた蜂蜜は百花蜜として販売されています。性格はおだやかで、人を刺すことはほとんどありません。針を出すと同時に内臓も抜け、死んでしまうからです。
捕食者であり天敵のスズメバチに巣が襲われたときは、集団で対処します。数百匹が一斉に筋肉と羽を震わせて熱を発し、スズメバチを蒸し殺す熱殺蜂球(ねっさつほうきゅう)という防衛戦法です。
蜂の巣はいわゆるハニカム構造(六角形)で、頑丈に作られています。蜂蜜や花粉の貯蔵効率が高いほか、巣の隙間にプロポリスという樹脂由来の成分を塗ることで抗菌性を高めているのも特徴です。
セイヨウミツバチ
分類 | ハチ亜目ミツバチ上科ミツバチ科 |
体長 | 1.2~1.7cm(女王蜂は1.5~2cm) |
見た目の特徴 |
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性格 | 比較的おだやか |
セイヨウミツバチは通常、1種類の花から蜜を集めます。市販されているアカシア蜂蜜やれんげ蜂蜜などは基本的にセイヨウミツバチが集めた蜂蜜です。周辺に潤沢な蜜源がない場合に限り、複数種類の花から蜜を集めます。
性格は比較的おだやかですが、ニホンミツバチと比べると気性が荒いといわれており、蜜の取り合いでニホンミツバチを攻撃することもあります。
針を刺すと死んでしまうのはニホンミツバチと同様ですが、人が刺された例もあります。毒量は少ないものの毒性は最強クラスなので、アナフィラキシーショックを含めて注意が必要です。
なお、セイヨウミツバチは外来種で、基本的には養蜂家が巣枠で飼育しています。巣の構造はニホンミツバチと同様のハニカム構造です。
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クマバチ
分類 | ハチ目コシブトハナバチ科 |
体長 | 2~3cm |
見た目の特徴 |
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性格 | おだやか |
ずんぐりとした丸っこい形状の、コシブトハナバチ科に属する蜂です。性格はおだやかで、危害を加えない限り襲ってくることはありません。また、メスは刺すことがありますが、オスは針を持っていないため攻撃できないのも特徴です。
しかし、人にとって無害な蜂とは言い難い特徴もあります。柔らかい材質の木に穴を開けて巣を作るため、長期間放置していると柱や梁がもろくなる恐れがあるため注意が必要です。家の木材に穴が開いており、木くずが落ちていたらクマバチの巣の可能性を疑いましょう。
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大きい蜂の種類
体長が2cmを超える可能性が高い蜂は次の通りです。
蜂の種類 | 体長 | 見た目 |
オオスズメバチ | 4cm | オレンジと黒の縞 |
スズメバチ | 2~2.4cm | オレンジと黒の縞 |
アシナガバチ | 1.5~2.5cm | 黄色またはオレンジと黒の縞模様 |
アナバチ | 2.5cmほど |
|
クマバチ | 2~3cm |
|
大きい蜂の中にもアナバチやクマバチなどのおだやかな蜂もいますが、オオスズメバチ・スズメバチ・アシナガバチなどの攻撃的な蜂の可能性が高いため危険です。見分けがつかなくても、大きな蜂がいたら静かにその場を離れましょう。
小さい蜂の種類
蜂の種類 | 体長 | 見た目 |
クロスズメバチ | 1~1.2cm | ほぼ黒で黄白色の縞 |
ドロバチ | 1~2cm | 黒が多い黄色の縞模様 |
ニホンミツバチ | 1.1~1.6cm |
|
ツチバチ | 1~2.5cm | 全体的に黒いものが多い |
小さい蜂はおだやかな性格の蜂が中心です。ただし、アシナガバチの種類の中には体長1.5cmほどで小さいものもいるため、不用意に近づかないようにしましょう。巣に近づかなければ、襲われる心配はほとんどありません。
蜂の色で分類
遠目から見て、サイズはわかりにくくても色がわかることがあります。色による見分け方も覚えておきましょう。
黄色の蜂の種類
胴体に黄色が入っている蜂は次のとおりです。
- アシナガバチ
- ドロバチ
- セイヨウミツバチ
- クマバチ
黄色が視認できたときは、上記いずれかの蜂の可能性が高いといえるでしょう。ただし、いずれも一部だけが黄色い蜂なので、黒の縞とのバランスによっては黒い蜂に見える可能性はあります。また、光の加減によってオレンジが黄色っぽく見えている場合もあります。
オレンジ色の蜂の種類
胴体にオレンジ色が入っている蜂は次のとおりです。
- スズメバチ
- オオスズメバチ
- アシナガバチ
オレンジ色が入っている蜂は危険な種類が多いので、見つけ次第静かにその場を離れましょう。スズメバチに関しては追跡距離が30mあるため、視認できなくなるほど距離をとる必要があります。
黒色の蜂の種類
黒色がメインの蜂は次のとおりです。
- ドロバチ
- ニホンミツバチ
- ツチバチ
- アナバチ
- クマバチ
黒色の蜂の攻撃性はあまり高くありません。巣を攻撃しない限り襲ってくることはほとんどなく、無害なものが多いので放っておきましょう。ただし、危険性の高いチャイロスズメバチは光の加減で黒色に見えることがあります。明るい場所で見たときの色で判断しましょう。
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黒や黄色で小さな蜂は性格がおだやかな傾向があり、危険度は低めですが、それでも巣を攻撃するのは避けるのが無難です。刺されれば痛みやアナフィラキシーショックによる重症化のリスクも考えられます。無害な場所であれば、巣ごと放っておきましょう。
危険な蜂の種類である場合や、人に危害を加える位置に蜂の巣があるときは、プロに相談することをおすすめします。自分で駆除できるケースとプロに相談すべきケースの見極めは、次の記事を参考にしてください。