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日本のコシブトハナバチ5種類の見た目や特性を解説

コシブトハナバチは名前のとおり、腰・腹部分の幅が広いことが特徴の蜂です。アオウスジコシブトハナバチやスジボソフトハナバチなどの種類があります。色などは種類によって差がありますが、一見するとよく似ているため、見極めるのが難しいこともあるでしょう。

本記事では、日本に生息するコシブトハナバチ属5種を紹介します。それぞれの生態や識別ポイントを整理しているので、コシブトハナバチの種類を見極めたい人はぜひ参考にしてください。

日本のコシブトハナバチ5種類の一覧

コシブトハナバチはハチ目ミツバチ科コシブトハナバチ亜科に分類される蜂です。性格は比較的穏やかで、刺激しなければ人を刺すことはありません。胸と胴にくびれが少なく、胸や足が毛に覆われているのが特徴です。

世界には数百種類のコシブトハナバチ属が生息していますが、日本で観察されるのは、主に5種類です。

種類 体長
アオスジコシブトハナバチ 14mm
スジボソフトハナバチ 13~14mm
ケブカコシブトハナバチ 11~14mm
シロスジコシブトハナバチ 14〜15mm
ミナミスジボソフトハナバチ 13~14mm

蜂の種類ごとに見た目や特性を解説します。

①アオスジコシブトハナバチ

体長 14mm
見た目の特徴 ・体の色は黒め

・腹部に青い縞模様

・胸部の背中まで茶色っぽい毛

性格 基本的に穏やか

見た目

アオスジコシブトハナバチの体長は14mmです。体は黒く、腹部には青い縞模様があります。胸部の背中まで茶色っぽい毛で覆われていて、腹部の付け根は太いのが特徴です。花の上では鮮やかな姿がよく目立ちます。

性格・特性

人に対しては穏やかで、襲ってくることはほとんどありません。昼間は単独で行動し、花粉や蜜を集めます。夜になると、枯れ枝や蔓に大顎でぶら下がり、集団で休むのが特徴です。活動時期は4月から11月までで、夏に特によく見かけます。奄美大島以南に分布し、暖かい地域に生息しています。

②スジボソフトハナバチ

体長 13~14mm
見た目の特徴 ・腹部が黒く幅が広め

・胸には橙色の毛が密集

・各節の後ろに白い毛の帯

性格 基本的に穏やか

見た目

スジボソフトハナバチの体長は、13~14mmです。胸には鮮やかな橙色の毛が密集しています。腹部は黒く、幅が広めで、各節の後ろに白い毛の帯があります。翅は透明で、全体として黒と橙の色合いが鮮やかです。

性格・特性

性格は穏やかで、襲ってくることはほとんどありません。集まってくる花はツリフネソウやホウセンカなどさまざまです。長い舌を使って蜜を吸います。活動するのは昼で、5月下旬から10月までが観察のチャンスです。

巣の特徴

地面の中に巣を作ります。巣には液状の花粉蜜をため、その中に卵を産みます。自然の中で巣作りに適した地面を選び、自分の巣を作ります。家の近くで巣を作ることは少なく、主に森や草原などの野外で見られるでしょう。

③ケブカコシブトハナバチ

体長 11~14mm
見た目の特徴 ・黒い複眼

・大きめの体

・全身に毛が密集

性格 基本的に穏やか

見た目

ケブカハナバチは、丸みのある体型で全身に毛が密集しています。体長は11~14mm程度です。黒い複眼と大きめの体が特徴です。

性格・特性

北海道と南西諸島を除く日本全土に分布しており、春に活動するハナバチです。ボリジやホトケノザなどの花を好み、果樹や野菜の花にもよく訪れます。巣を作るときは、同じ場所に何匹も集まる習性があります。

巣の特徴

地面や粘土質の壁に巣を作ります。巣作りに適しているのは、乾いた土の壁や、土の斜面などです。1つの巣には4~5個の育房があります。

④シロスジコシブトハナバチ

体長 14~15mm
見た目の特徴 ・腹に白と黒の縞模様

・胸周りにオレンジの体毛

性格 基本的に穏やか

見た目

シロスジコシブトハナバチの体長は14~15mmです。胸周りはオレンジ色の毛で覆われています。腹部には黒と白の縞模様があり、特徴的な「シロスジ」が目を引きます。縞模様がシロスジコシブトハナバチを見分けるポイントです。

性格・特性

シロスジコシブトハナバチは縄張り意識が強いのが特徴です。自身のテリトリーに侵入してきた他の昆虫に対しては積極的に攻撃行動をとることがあります。ですが人間に対しては基本的に無害です。こちらから刺激しなければ刺すことはほとんどありません。観察や撮影などで近づく際は静かに距離を保ちましょう。

巣の特徴

生息数がきわめて少なく、巣をつくる場所や条件などはほとんどわかっていません。

⑤ミナミスジボソフトハナバチ

体長 13~14mm
見た目の特徴 ・体は黒く、腹に白い縞模様

・長めの触角(オスは特に長い)

・縞模様の色が濃いめ

性格 基本的に穏やか

見た目

ミナミスジボソフトハナバチの体長は13~14mmです。体全体は黒褐色を基調とし、オレンジ色の体毛が生えています。腹部には光沢を帯びた縞模様が確認できます。頭部はやや大きめで、顎が発達しているのが特徴です。

性格・特性

ミナミスジボソフトハナバチは昼間はオス・メスともに完全な単独行動をとります。メスが一匹で巣作り・産卵・子育てをこなす単独性ハナバチです。夜間はオス・メスともに、枯れた枝や垂れ下がった葉に集まって休息します。顎で葉をくわえ、自身の体をぶら下げるような姿勢を取るのが特徴です。雨風や捕食者のリスクが高い夜間の生存率を高めるためだと考えられています。

 

コシブトハナバチ属の特徴を押さえて見分けよう

コシブトハナバチ属は一見よく似ていますが、それぞれ見た目や特徴が異なります。体の模様や毛の色、触角の長さ、巣の作り方などに注目すれば、種ごとの違いが見えてきます。

今回ご紹介した5種類を参考に、実際の観察ではぜひ特徴を意識してみてください。繰り返し観察することで見分けのコツがつかめ、自然との距離もぐっと近づくでしょう。

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