庭や公園で丸い蜂を見かけて、「どんな蜂なんだろう」と気になったことはありませんか? 丸い蜂は主にマルハナバチやコシブトハナバチ、クマバチの仲間です。
本記事では胸と胴体の間にくびれの少ない、丸い蜂を20種類の見た目や性格を紹介します。なお、今回登場する20種類は、いずれもおだやかな性格で、突っつくなどの刺激をしない限り襲ってくることはありません。見つけても騒がず、観察してみましょう。
コシブトハナバチ属の丸い蜂5種類
コシブトハナバチは、ハチ目ミツバチ科コシブトハナバチ亜科に分類されます。日本に生息するコシブトハナバチの中でも見た目が丸い蜂に絞って、5種類の特徴を解説します。
種類 | 体長 | 見た目の特徴 |
アオスジコシブトハナバチ | 14mm |
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スジボソフトハナバチ | 13~14mm |
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ケブカハナバチ | 11~14mm |
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ニッポンヒゲナガハナバチ | 12~14mm |
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シロスジヒゲナガハナバチ | 12~14mm |
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体長はおよそ14㎜です。体や脚は頑丈で毛が多く生えています。集団では生活せず、基本的に単独で行動するのが特徴です。
メスは一匹で崖や平らな地面に穴を掘り、地中に幼虫のための巣を作ります。一部の種類は、地面ではなく朽ちた木に巣を作ります。
中でもアオスジコシブトハナバチは珍しい習性をもつ蜂です。夜になると、枯れ枝や蔓に大顎でぶら下がり、集団で休みます。
クマバチ属の丸い蜂5種類
クマバチの仲間はハチ目ミツバチ科クマバチ属の昆虫です。日本には5種類のクマバチが生息しています。
種類 | 体長 | 見た目の特徴 |
キムネクマバチ | 20~30mm |
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アマミクマバチ | 20~30mm |
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オキナワクマバチ | 20~30mm |
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アカアシセジロクマバチ | 20~30mm |
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オガサワラクマバチ | 20~30mm |
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体長は2cmを超える大型の蜂です。体は丸みを帯び、胸には細かい毛が密生しています。全身は黒く、翅は黒っぽい飴色です。胸の毛の色は種類によって異なります。本州で見られるクマバチは、胸が黄色いためよく目立ちます。体に対して翅は小さめです。
クマバチは大きな体と羽音のせいで怖がられることがあります。ですが性格は温厚で、刺激しなければ人を刺しません。毒性が低いので刺されても重症化することはあまりありませんが、針が太いため強い痛みがあります。
マルハナバチ属の丸い蜂10種類
マルハナバチは、ハチ目ミツバチ科ミツバチ亜科(マルハナバチ亜科)に分類されます。名前の通り丸い蜂です。日本には外来種も合わせると、16種程度のマルハナバチが生息しています。以下で丸く見える日本のマルハナバチ10種類の特徴を解説します。
種類 | 体長 | 見た目の特徴 |
クロマルハナバチ | 12~19mm |
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アカマルハナバチ | 10~20mm |
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ヒメマルハナバチ | 9~16mm |
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コマルハナバチ | 10~14mm |
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ミヤママルハナバチ | 12mm |
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トラマルハナバチ | 12~20mm |
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ホンシュウハイイロマルハナバチ | 15~18mm |
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エゾオオマルハナバチ | 11~22mm |
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セイヨウオオマルハナバチ | 10~20mm |
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ニセハイイロマルハナバチ | 11~18mm |
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マルハナバチは、見た目がミツバチに似ています。ですが丸くて毛深く、ミツバチよりやや大きめです。体の色は黒で、白や黄色の筋模様があります。毛が長いため、効率よく花粉を集められるのが特徴です。
効率的に花粉を集められる特性は、農業の強い味方です。主にセイヨウオオマルハナバチが、ハウス栽培の作物の受粉に活用されています。ただし野生化したセイヨウオオマルハナバチが問題を引き起こしているのも事実です。競争力が強く、在来種の減少や交雑が起こっています。
丸い蜂を観察してみよう
日本で見かける「丸い蜂」は、主にマルハナバチ、コシブトハナバチ、クマバチの仲間です。いずれも体にくびれが少なく、丸みを帯びた形が特徴です。
おだやかな性格で、人を刺すことはめったにないため観察に適しています。身近にいる丸い蜂の種類や特徴を知り、より自然との関わりを楽しんでみてください。