蜂の生態

蜂の巣の作り方とは?巣作りの目的と種類ごとの構造・巣材を解説

一般的に「蜂の巣」といえば、球形の巣をイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし、実際は蜂の種類によって形状や巣材が大きく異なります。イメージ通りの球形の巣を樹皮で作るもの、板状の巣を作るもの、泥で巣を作るものなど多様です。

そこで本記事では、蜂が巣を作る方法と巣材、構造などの特徴を蜂の種類ごとに詳しく解説します。巣を見るだけで大まかな蜂の種類を特定できるようになるので、危険は蜂の見極めや駆除方法の選定に役立ちます。ぜひご覧ください。

このような方におすすめ

  • 蜂の巣の作り方や構造を把握したい方
  • 蜂が何のために巣を作るのか知りたい方
  • 巣を見て蜂の種類を特定したい方
  • 危険度の見極めや駆除方法の選定に役立てたい方

※1 対応地域・対応する加盟店により異なります ※2 対応地域・加盟店・現場状況により、お事前にお客様の同意を得たうえで、調査・見積り費用をいただく場合がございます ※3 作業後1週間以内に同じ場所に再発した場合に限ります

蜂が巣を作る目的

まずは、蜂が巣を作る目的を確認しましょう。巣の構造を理解する上で役立ちます。

蜂が巣を作る目的

  • エサを与える
  • 外敵から幼虫を守る
  • 巣内の温度を快適に保つ

雨風・直射日光をしのぐ

雨風や直射日光を防ぎ、繁殖に適した環境を作ることが巣作りの大きな目的のひとつです。

雨風は蜂の飛行を妨げ、体温も奪うため、雨風にさらされると蜂の活動量が低下します。また、ほとんどの蜂は夏に活発ですが、高温すぎると疲弊するため、気温を上昇させる直射日光も遮る必要があります。

雨風や日光を遮る屋根・壁がある場所を選んで巣作りすることで活動量の低下を防ぎ、次世代を育てる効率を高めています。

なお、7月以降で気温が高くなってくると、巣内が高温になりすぎないように羽ばたきや散水などの、巣を冷ます行動をとる蜂もいます。

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幼虫を育てる

巣を作るタイプの蜂(※)は巣内の育房室に卵を生み、次のような行動によって幼虫を育てます。ただし、どの行動をとるかは蜂の種類によって異なります。

幼虫を育てるための行動

  • エサを与える
  • 外敵から幼虫を守る
  • 巣内の温度を快適に保つ

ただし、エサを与える回数が1回限りで、以降は子育てをしない単独性の蜂もいます。詳しくは以下で解説します。

※巣を作らず、他の昆虫に卵を産みつける寄生蜂もいます。後半で紹介します。

食料の貯蔵

蜂が貯蔵する食糧の代表例が蜂蜜です。しかし、食料を貯蔵する習性があるのはミツバチ程度で、他の蜂ではほとんどみられません。他の蜂は群れで冬を越すことができないからです。秋の段階で女王蜂以外は死滅します。

そのため、ミツバチは蜂蜜を貯めるためのスペースも巣内に形成しますが、ミツバチ以外の蜂の巣には幼虫が育つための育房室しかありません。

蜂の種類ごとの巣の作り方

ここでは、主な蜂5種類の巣作りの特徴を解説します。

蜂の種類 巣材 構造・形 場所 営巣開始時期
スズメバチ 樹木の繊維 球形、とっくり型 閉鎖的な場所 4~5月
アシナガバチ 樹木の繊維 シャワーヘッド型 低木の茂み、軒下 4~5月
ミツバチ 蜜ろう 楕円形、板状の層 閉鎖的な場所 4~6月
ドロバチ 土や泥 泥の塊、とっくり型 外壁、岩面、葉の裏 春~秋
アナバチ 泥や苔、枯草 土の中 5~7月

以下で、種類ごとの巣づくりの違いを詳しく見ていきましょう。

スズメバチの巣作り

スズメバチの巣

蜂の種類 キイロスズメバチ、モンスズメバチ、コガタスズメバチなど
巣材

樹木の繊維
唾液

構造・形

初期段階は提灯型またはとっくり型
球形に変化
波模様やマーブル模様の外殻
外殻と中枢の間に空気層がある

場所 閉鎖的な場所を好む(屋根裏、床下、木の洞など)
高い木の上部の枝下などにも営巣可能
営巣開始時期 4月~5月

堅牢な外殻に守られた育房室

キイロスズメバチコガタスズメバチなどのスズメバチの多くは、硬い外殻に覆われた球形の巣を形成します。

外殻の内側には断熱の役割をもつ空気層(空間)があり、中心部に育房室のある中枢(巣盤)があるという構造です。堅牢な外殻と空気層によって、幼虫が守られています。

これに加えて、外敵との接触や雨風、直射日光を避けられる閉鎖的な場所を選ぶ傾向があるため、防衛力は強固です。

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巣材は樹皮

巣材は樹皮を嚙みちぎった繊維と唾液を混ぜたものです。多くの働き蜂が様々な場所から巣材を集めて、巣作り担当の働き蜂に渡します。外殻は茶色や灰色のマーブル模様です。

さまざまな繊維を溜めてから混ぜるのではなく、渡されたものから随時使うという作り方なので、渡される繊維が変わるたびに色が変わります。これがマーブル模様になる理由です。

なお、表面の材質は和紙に似ていますが、厚みなどの感触は段ボールに似ています。

4月~5月に営巣開始

スズメバチが巣を作り始めるのは4~5月です。冬眠していた女王蜂は気温が18℃を超える時期に目覚め、単独で営巣を開始します。この初期段階では小さな中枢(巣盤)と薄い外殻があるだけの状態です。そこで産卵し、働き蜂を育成します。

6月下旬頃から働き蜂が活動できるようになると、球型の外殻を形成しながら巣を拡大していきます。巣の規模を大きくするときは、新たな外殻を作りながら既存の外殻を削るという方法で、一回りずつ大きくしていきます。

特殊な形の巣を作る種類もいる

多くのスズメバチの巣は球形ですが、スズメバチの中には初期段階でとっくり型の巣を作るコガタスズメバチツマグロスズメバチ釣り鐘型(画像参照)の巣を作るヒメスズメバチモンスズメバチなどもいます。

巣の大きさも多様で、60cmを超える巨大な巣を形成する種類もいれば、30cm未満で巣作りを終了する種類もいます。

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アシナガバチの巣作り

蜂の種類 キアシナガバチ、セグロアシナガバチなど
巣材

樹木の繊維
唾液

構造・形

傘のような形
六角形の育房室
灰色~茶色の紙のような質感

場所 雨風をしのげる開放的な場所(低木の茂み、軒下など)
営巣開始時期 4~5月

育房室が剥き出しのシャワーヘッド型(傘型・お椀型)

アシナガバチは軒下や低木の茂みなどの、やや開放的な場所でシャワーヘッド型(傘型・お椀型)と形容される巣を作ります。

六角形の育房室が剥き出しで、育房室を継ぎ足していくような営巣方法です。規模が大きくなる種類では、三日月のように反り返ったような形になることもあります。

ただし、大きくなるといっても最大で20cm程度で、スズメバチの巣のように肥大化することはありません。

巣材は樹皮

巣材はスズメバチと同様に、樹皮を嚙みちぎった繊維と唾液を混ぜたものです。

スズメバチと比べると短期間で営巣が終了するため、巣材として集められる繊維のバリエーションが少ないという特徴があります。そのため、マーブル模様は形成されず、色は灰色や茶色一色であることがほとんどです。

民家の外壁(サイディング)と同化しやすい色であり、サイズも小さいため、気づいたときには巣がピークを迎えているということが少なくありません。

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4月~5月に営巣開始

営巣開始の時期はスズメバチと同じで、4~5月が目安です。冬眠から目覚めた女王蜂が単独で巣作りを始め、働き蜂が羽化すると女王蜂は産卵に専念します。

孵化した幼虫が成長し、蛹(さなぎ)になるときには、育房室の出入口に自ら蓋をします。蓋の色は白が多いものの、種類によっては黄色~黄緑色の蓋をするキボシアシナガバチなどもいます。

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ミツバチの巣作り

蜂の種類 ニホンミツバチ、セイヨウミツバチ
巣材 蜜ろう(働き蜂から分泌される物質)
構造・形 楕円形の板状
六角形のハニカム構造
接着面からぶらさがったような形
場所 閉鎖的な場所(屋根裏、床下、木の洞、洞窟など)
営巣開始時期 4~6月

外殻を持たない構造

ミツバチは基本的には、屋根や壁に囲まれた閉鎖的な場所を好んで営巣します。養蜂で木箱が使われるのも、これが理由です。

既存の屋根と壁を利用するため巣には外殻がなく、六角形(ハニカム構造)の育房室と貯蜜室が剥き出しになっています。

全体の構造は楕円形の板状(巣板)で、上部の接着面からぶら下がったような形をしています。

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巣材は蜜蝋・仕上げはプロポリス

巣材は、成虫が蜂蜜を分解して作る蜜蝋(ビーズワックス)です。体内に蝋腺(ろうせん)という器官があり、生成された蜜蝋は腹部から外に排出されます。それを足を使って上手に口まで持って行き、大顎で噛みながらこねて巣材にします。

蜜蝋で作られた六角形の部屋が連なることで、楕円形の巣になっていきます。

仕上げはプロポリスです。プロポリスは樹脂と分泌液を混ぜて作るもので、抗菌作用があります。蜜蝋をこねるときに混ぜたり、巣の隙間に塗ったりすることで、細菌の繁殖を防ぎ、巣の衛生を保つ仕組みです。

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ミツバチは群れで越冬できる種類です。つまり、1年を通して巣内には大群がいることを示しています。

春から夏にかけて新女王蜂が生まれると旧女王蜂は引っ越し(分蜂)をしますが、その際に元の巣の働き蜂の半数を引き連れていくため、引っ越し後の営巣スピードは迅速です。わずか数日で直径10cm程度まで大きくなり、以降加速していきます。

数週間で、複数枚の巣板が横に並んだ巣が形成されます。個体数も増える時期です。それ以上に増築する場合は、それぞれの巣板を縦に伸ばしていきます。

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ドロバチの巣作り

蜂の種類 スズバチ、ミカドトックリバチなど
巣材

泥や土
唾液

構造・形

泥の塊
とっくり型

場所 外壁、岩面、葉の裏など
営巣開始時期 春~秋

泥の塊のような小さな巣

ドロバチはお気に入りの土と水、唾液を混ぜた泥で巣を作ります。形は泥の塊のようなものや、とっくり型です。

巣のサイズは大きいものでも5cmほどしかありません。営巣期間もわずか2~3日です。

接着面を選ばない粘着力とサイズなので、雨で流されない場所であれば、どこにでも巣を作ります。

営巣と産卵のスパンが短い

ドロバチの寿命は1~2カ月ほどで、その間に何度も巣を作っては産卵するという行動を繰り返します。また、年2回の営巣と産卵タイミングがあるのも特徴です。次の表をご覧ください。

時期 行動
5~6月 幼虫(前蛹状態)のまま休眠していた1代目が羽化し、営巣と産卵をおこなう
7~8月 2代目が羽化
8~10月 2代目が営巣と産卵をおこなう
10月~翌年3月 3代目は幼虫(前蛹状態)のまま巣内で春まで待機

群れを作らず子育てもしない

ドロバチは群れを作らず、子育てもしない単独性の蜂です。営巣から産卵、次世代の羽化までの流れを見てみましょう。

ドロバチの営巣から羽化までの流れ

  1. 巣をつくる
  2. 幼虫のエサとなる芋虫を麻痺させて巣の中に入れる
  3. 巣内に産卵し、巣穴に泥で蓋をして飛び去る
  4. 巣内で孵化した幼虫は芋虫を食べて成長する
  5. 羽化すると自ら蓋を破って飛び立つ

小さな巣を同じ場所に重ねて作ることはありますが、群れという認識ではないため、羽化すれば各々飛び去ります

親となる成虫も羽化した子も、巣の用が済んだらいなくなってしまうので、巣を守るような行動はとらず、攻撃性もほとんどありません。窓のサンやシャッターボックスの中などの厄介な場所に巣を作られない限りは、益虫といえる芋虫ハンターです。

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アナバチの巣作り

蜂の種類 クロアナバチ、キンモウアナバチ、フジジガバチなど
巣材



枯草

構造・形

穴の中に巣材を敷く、仕切りを作る

場所 竹筒
枯れ木の孔
他の虫が開けた穴
土の中
民家の軒下の壁
営巣開始時期 5~7月

巣の手がかりは穴しかない

アナバチには、土の中に穴を掘るタイプと既存の穴を利用するタイプがいます。

土を掘るタイプは地中50cm程度の深さまで掘り進めますが、巣自体の規模は小さく、育房室は1~5個しかありません。

枯れ木などを敷き詰めたり、仕切りを作ったりして育房室を形成します。

外からは穴しか見えないため、発見する難易度は高めです。

群れを作らず子育てもしない

アナバチはドロバチと同様に単独性の蜂で、営巣から羽化までの流れも同じです。麻痺させた芋虫やバッタなどのエサを巣穴に入れて産卵すると、巣穴に蓋をしていなくなります。

1つの育房室にいくつかのエサを入れて複数産卵するため、巣の中で10匹以上の幼虫が育っていることはありますが、群れという認識はありません。種類によっては共食いもみられるようです。

その他の蜂の巣の作り方

上記までで代表的な蜂の種類を紹介しましたが、まだまだユニークな巣作りをする種類はいます。ご興味のある方は、ぜひ次の一覧に掲載しているリンクから、詳細ページをご覧ください。

巣の作り方 蜂の種類
木に穴を開ける クマバチ
葉を切り取って仕切りにする ハキリバチ
他の蜂の巣を乗っ取る チャイロスズメバチ
動物があけた穴を利用する マルハナバチ

蜂の巣の調査と駆除はハチお助け本舗におまかせ!

ハチお助け本舗の特徴

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この基本料金に、巣の大きさや場所、部分修繕の必要性などの条件に応じた料金が加算される場合があります。お見積りの内容にご納得いただいた場合に限り、ご契約・駆除実施となりますのでご安心ください。

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巣を作らない蜂もいる

巣を作らないタイプに該当するのは、寄生蜂やハバチです。

寄生蜂

他の昆虫に卵を産みつける寄生蜂は、巣を作りません。細いシルエットの蜂に多くみられる特徴です。次のような蜂が該当します。

寄生性のある蜂

  • ヒメバチ
  • タマバチ
  • ツノヤセバチ
  • ヒゲナガクロバチ
  • ヤセバチ
  • クロバチ

長い産卵管を宿主に刺し、体の中に卵を生みます。宿主が生きるために必要な内臓類を避けながら徐々に食べていき、最終的にはすべて食べつくします。

ハバチ

ハバチは植物に直接卵を産むため、成虫が巣を作ることはありません。また、孵化した幼虫の食べ物は産み付けられた植物の葉なので、成虫がエサを運ぶこともありません。そのため、成虫は卵を産むとすぐに飛び去ります。

ただし、孵化した幼虫が越冬するために自分専用の巣(土の中のスペース)を作ることはあります。

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人工的に蜂の巣を作ることはできる?

養蜂場

蜂の巣自体を人工で作ることはできません。日本においてミツバチは養蜂されていますが、ミツバチが好む環境の木箱を提供することで営巣を促しています。

日本の伝統的な養蜂で使われる木箱は「重箱式巣箱」と呼ばれる構造のものです。下部にはミツバチが出入りするための「巣門」と呼ばれる小さな穴があり、上部には通気性を確保するためのスノコやメッシュ状の蓋が取り付けられています。

重箱式というのは、ミツバチが巣を縦に増築する段階になったときに、継ぎ箱をして対応できるようになっているからです。

なお、セイヨウミツバチは養蜂に適しており何年も飼育できますが、ニホンミツバチは野生で、翌年も同じ巣箱を使ってくれるとは限りません。

蜂の種類によって巣の作り方は異なる

蜂の種類によって巣の作り方は大きく異なり、形やサイズ、色なども多様です。蜂の種類ごとに巣の特徴を把握しておけば、見分けやすくなります。

球型のスズメバチの巣やシャワーヘッド型のアシナガバチの巣を発見したときは、危険なので近づかないことをおすすめします。10m以上距離をとったところから観察し、駆除の必要があれば、自分で駆除するかプロに依頼するか検討しましょう。

その他の蜂の巣は危険性こそ少ないものの、家の劣化や踏み抜く危険がある場合には駆除が必要です。駆除・調査はぜひハチお助け本舗へご相談ください。

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  • この記事を書いた人

ハチお助け本舗 編集部

ハチお助け本舗編集部は、生活を脅かすハチの情報を発信する専門チームです。 「ハチ被害をなくしたい」という強い思いのもと、 現場で得た知識や経験を活かし、 ハチ駆除の専門家から寄せられた意見も参考にしながら、 読者の皆様にとって本当に役立つコンテンツを目指します。

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