蜂の生態

スズメバチは肉食って本当?幼虫と成虫で異なる食性

スズメバチが肉食と聞いたことがある方もいるでしょう。一方で、甘いものに寄って来るというのもよく知られているため、矛盾しているのではないかと疑問に思うところです。結論からいえば、どちらも間違っていません。

間違っていない理由は、幼虫と成虫で食性(食べるもの)が変わるからです。本記事では、スズメバチの食性を詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

このような方におすすめ

  • スズメバチが肉食といわれる理由が気になる方
  • スズメバチの幼虫と成虫の食べ物の違いを知りたい方
  • ユニークな食性のスズメバチに興味がある方
  • スズメバチの食性を対策に活かしたい方

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スズメバチの幼虫は肉食性(動物食性)

スズメバチは幼虫のときだけ肉食です。上の画像のように、成虫が狩って丸めたエサを食べます。その詳細を解説します。

成虫が与える肉団子を食べる

スズメバチの幼虫は自分でエサを狩ることはありません。羽化するまでは巣から出ることもなく、成虫に与えてもらう肉団子を食べて育ちます。

成虫が作る肉団子は、他の虫や動物の死骸などを噛み砕いて丸めたものです。幼虫の小さな口でも咀嚼できるように工夫されています。狩った直後に肉団子へと加工し、巣に持ち帰って幼虫に与える流れです。

なお、幼虫のときのスズメバチは植物由来のものを口にしません。

成虫と栄養交換をおこなう

幼虫が育ち、蛹になる前段階の5齢幼虫になると、透明の分泌液を口から出すようになります。この透明の液体は、糖やアミノ酸、タンパク質などの栄養が豊富な成虫のエサです。成虫と幼虫の双方がエサを与えあうこの関係を、栄養交換と呼びます。

糞をするのは1回だけ

幼虫の期間中は毎日のようにエサを食べますが、糞をするのは、いよいよ蛹になろうというときの1回だけです。自分が生まれた育房室に繭でキャップをつくると、その室内で糞をしてから蛹になります。

スズメバチの卵が産み付けられてから羽化するまでの過程は次の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

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スズメバチの成虫は植物食性に近い

スズメバチは幼虫と成虫で体のつくりが大きく変わるため、それに伴って食性にも変化があります。その詳細を解説します。

腰が細くくびれるので固形物は食べられない

スズメバチは胸と腹をつなぐ部分(腹柄節)が極めて細くくびれるため、固形物が通らなくなります。そのため、幼虫に与える肉団子を自分のエサと兼用することはできません。咀嚼によってエサを食べることはなく、何らかの汁を吸うだけです。

肉団子を作る過程で生じる汁を飲む可能性はありますが、基本的なエサは幼虫の分泌液、花蜜、果汁、樹液です。甘い香りがする液体を好みます。

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繁殖・行動の効率の面でメリットのある変化

成虫も肉団子を食べられる方が飢えに苦しむリスクが低くなりそうですが、食べられなくなることはスズメバチにとって大きなメリットがあります。

まず、幼虫とのエサの奪い合いを避けられる点です。成虫が肉を食べる場合、自分が満腹にならない限りは幼虫に与えないことが考えられるため、育児効率が低下するでしょう。

また、飛行効率を高める点でもメリットです。固形物は消化に時間がかかり、長時間にわたって体が重くなります。一方、すばやくエネルギーとして消費できる糖分を中心に摂取すれば、体の軽さを維持できるため、飛行効率が低下しません。

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植物食性だが草食性ではない

一般的には草食性といっても差し支えありませんが、昆虫学として厳密にいえば「草食性」ではなく「植物食性」です。植物食性はエサの種類によって食蜜性や食実性、食花粉性などに分けられ、草食性は葉や芽などを食べる場合を指します。

スズメバチは葉や芽を食べることがないので、植物食性ではありますが草食性ではありません。しかし、広義の意味では植物由来のものを食べる動物のことを草食と呼ぶので、草食として説明されることもあります。

完全な植物食性というわけでもない

スズメバチの成虫は花蜜や果汁、樹液といった植物由来のものだけでなく、幼虫の分泌液という動物由来のものも食べるため、完全な植物食性とはいえません。幼虫の分泌液のほか、アブラムシが出す甘い汁を吸うこともあります。

この特殊な食性をひとことで表す分類はみつかりませんでした。近いものでは「食蜜性」がありますが、これは植物食性の1種であり、動物由来の甘い汁を吸うケースは含まれません。

もうひとつの近いものとしては「吸汁性」がありますが、これも他の生き物に口器を突き刺して吸うケースに限定されており、スズメバチは対象外です。カメムシやハダニなどが該当します。

スズメバチは雑食性とは異なる

成長段階によって異なるとはいえ、スズメバチは動物食性と植物食性が混ざっているため雑食ではないかと考えることもあるでしょう。

しかし、スズメバチは昆虫学にける雑食性には含まれません。雑食性といえるのは、有機物ならなんでも食べるゴキブリなどが該当します。

スズメバチと同じ食性の虫の代表例はアリです。アリも幼虫のときは成虫にあたえられる他の虫や肉片などを食べ、成虫になると甘い汁を食べます。実はアリはハチ目アリ科なので、スズメバチと食性が同じでも不思議はありません。

参考

食性に特色のあるスズメバチ

幼虫と成虫の食性は上記のとおりですが、スズメバチの種類によってはさらにユニークな食性をもつ場合があります。代表的な3つの例を紹介します。

ヒメスズメバチはアシナガバチを専食

ヒメスズメバチが幼虫のエサとして狩るのはアシナガバチのみです。他の虫には目もくれず、アシナガバチの巣を襲撃して幼虫や蛹を奪い取ります。

ヒメスズメバチは人に対してはおだやかな性格ですが、体が大きく飛行能力も高いため、アシナガバチと戦ってもなかなか負けません。さらに、ステルスで近づける能力を持っている可能性も示唆されています。

ヒメスズメバチについては次の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

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モンスズメバチはセミを好む

モンスズメバチは専食タイプではありませんが、セミを好んで狩ります。セミ以外ではトンボやクモなどです。自然環境に生息する虫が中心なので、モンスズメバチも基本的には自然環境が近い場所に生息しています。

なお、モンスズメバチは夜遅くまで活動できるという点でもユニークなスズメバチです。詳しくは次の記事で紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください。

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キイロスズメバチは人の飲食料品も狙う

キイロスズメバチは都市に適応しているスズメバチです。幅広いものをエサにできるのが特徴で、生ごみに含まれる肉や魚、ジュースの飲み残しなども狙います。

庭やベランダにゴミを置いていると寄ってきやすいので、できれば室内に入れましょう。外で管理したい場合には、蓋付きのゴミ箱に入れることをおすすめします。次の記事では、キイロスズメバチが狙う飲食料品の詳細を記載しているので、ぜひご覧ください。

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スズメバチの巣の調査と駆除はハチお助け本舗におまかせ

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スズメバチの駆除料金

基本料金はほとんどのスズメバチが1,980円(税込)~、危険性・駆除難易度の高いオオスズメバチのみ別途料金です。この基本料金に、巣の場所や大きさなどの条件別の加算料金がかかる場合があります。加算条件の例は次のとおりです。

※料金について詳しく知りたい方はコチラをご覧ください
※お問い合わせ内容について詳しく知りたい方はコチラをご覧ください
条件例 概要
高所作業 地上4m以上が高所に該当。
危険手当や人員増、2段ハシゴや足場が必要となる作業。
狭所作業 床下や屋根裏など、退路を確保しづらく機材を選ぶ場所が該当。
危険手当や人員増、特殊薬剤の選定などが必要な作業。
巣の大きさ 巣の大きさに応じた加算料金。
巣が大きくなるほどに働き蜂の数が増えて危険度が増すため、加算料金がかかる。
特殊作業 外壁や天井、機器の部分解体や補修、木や茂みの伐採などが該当。

食性を活かしたスズメバチ対策

スズメバチの食性を活かした対策を2つに分けて解説します。

甘いにおいの物は室内に入れる

成虫は自らのエサを求めて甘いにおいがする場所に寄って来るので、次のようなものは極力、室内に入れましょう。

スズメバチを引き寄せる甘いにおい

  • 花のプランター
  • 柔軟剤が香る洗濯物
  • 飲み残しのある空き缶

スズメバチの飛来を確認したら無香料の柔軟剤に変えたり、防虫ネットを設置したりする方法も有効です。次の記事でも対策を詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

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他の虫の繁殖を防ぐ

他の虫はスズメバチの幼虫のエサとなるため、繁殖していると成虫が狩りのためにやってくる可能性が高まります。次のような対策を講じましょう。

スズメバチのエサとなる虫の繁殖を防ぐ方法

  • 雑草を刈る
  • 落ち葉を掃除する
  • 植木を剪定する
  • 芋虫・害虫駆除剤を使用する

次の記事では、庭木や生垣に採用されることの多いレッドロビンへの対策を詳しく解説しています。スズメバチの飛来数が多いときに有効な忌避剤やトラップも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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スズメバチ以外の蜂の食性

スズメバチ以外の食性の例は次のとおりです。

蜂の種類 幼虫の食べ物 成虫の食べ物
アシナガバチ 肉団子(芋虫が中心) 幼虫の分泌液、花蜜、樹液など
ドロバチ 芋虫など 花蜜、樹液など
ミツバチ ローヤルゼリー、蜂パン(花粉)の加工品 花蜜、蜂蜜、蜂パンなど
マルハナバチ 花粉団子 花蜜
クマバチ 花粉団子 花蜜
アナバチ 芋虫、キリギリスなど 花蜜

アシナガバチとドロバチはスズメバチと同じスズメバチ科なので、食性が似ています。ただし、スズメバチよりも顎の力が弱いため、芋虫などのやわらかい虫が中心です。ドロバチに関しては肉団子を作らず、そのままの形で幼虫に与えます。

ミツバチ・マルハナバチ・クマバチはミツバチ上科ミツバチ科に属する蜂で、基本的には花由来の食べ物だけを食べます(※)。蜂蜜を作るのはミツバチのみです。

アナバチはミツバチ上科アナバチ科で、食性はミツバチ科よりもアシナガバチやドロバチに似ています。

※人工的に砂糖水を与えると飲むことはあります。

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スズメバチは幼虫と成虫で食性が変わる虫

スズメバチは幼虫のときは肉食性ですが、成虫になると植物食性に加えて幼虫の分泌液を食べるという食性に変わります。完全変態によって体の構造が変わることが主な理由です。

雑食性ではありませんが、生涯で見るとさまざまなものを食べます。花や果実だけでなく、他の虫が繁殖しやすい環境や生ごみ・空き缶の放置も、スズメバチを誘引することになりかねません。

スズメバチが飛来しやすい6月~10月は、ご紹介したスズメバチ対策を参考に、自宅周辺に工夫を施しましょう。それでもなおスズメバチが来る場合は近くに巣がある可能性があります。ぜひハチお助け本舗へご相談ください。

スズメバチの食性に関するよくある質問

スズメバチの食性に関するよくある質問3つに回答します。

スズメバチは肉食ですか?

幼虫のときは肉食ですが、成虫になると植物食性に近い形に変わります。幼虫の食べ物は成虫が狩って噛み砕いた肉団子、成虫の食べ物は花蜜・樹液・幼虫の分泌液などです。

スズメバチが人の食べ物を食べるというのは本当ですか?

スズメバチの種類によりますが、本当です。キイロスズメバチの場合、生ごみに含まれる肉や魚介類、空き缶の中のジュースの飲み残しなどもエサにできます。

スズメバチが幼虫と成虫で食べ物が変わるのはなぜですか?

成虫になると腰にあたる部分が細くくびれて固形物が通らなくなるからです。

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ハチお助け本舗 編集部

ハチお助け本舗編集部は、生活を脅かすハチの情報を発信する専門チームです。 「ハチ被害をなくしたい」という強い思いのもと、 現場で得た知識や経験を活かし、 ハチ駆除の専門家から寄せられた意見も参考にしながら、 読者の皆様にとって本当に役立つコンテンツを目指します。

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