ヒメスズメバチは見た目こそ恐ろしいスズメバチですが、実はそれほど危険性のない蜂です。営巣場所次第では放っておいても問題ありません。
本記事では、ヒメスズメバチの基本情報から見た目・捕食対象・危険性・巣の特徴まで詳しく解説します。見かけた蜂がヒメスズメバチなのか確認したい人、ヒメスズメバチを詳しく知りたい人はぜひご覧ください。
ヒメスズメバチとは

| 和名 | ヒメスズメバチ |
|---|---|
| 学名 | Vespa ducalis ※日本本土亜種はVespa ducalis pulchra |
| 見られる時期 | 5~9月 |
| 体長 | 女王蜂:32~35mm 働き蜂:25~33mm オス蜂:27~35mm |
| 見た目の特徴 | 黄色~オレンジと黒の縞模様 オオスズメバチに次ぐ大きさ 頭が小さい腹の膨らみが控えめ(細長い印象) 胸部下方~腹部上部に赤~褐色の斑紋 肩に黄色の線が入っている |
| 分布 | 本州、四国、九州、沖縄、対馬、奄美大島※対馬亜種、琉球亜種を含む |
| 巣の場所 | 土の中、樹の洞、木箱の中、床下、屋根裏など |
| 幼虫のエサ | アシナガバチの幼虫・蛹、コガネムシ、バッタ、ミツバチ ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花蜜、樹液、幼虫が出す分泌液 |
スズメバチ亜科スズメバチ属の蜂
ヒメスズメバチの基亜種(基準となる種類)はインド・中国・東南アジアなどに分布しており、日本に住むのは日本本土亜種のVespa ducalis pulchraです。スズメバチ科スズメバチ亜科スズメバチ属で、オオスズメバチやキイロスズメバチと同じグループに分類されています。
見た目の特徴
体長はオオスズメバチに次ぐ大きさですが、頭が小さく腹の膨らみも控えめです。腹部は黒と黄色~オレンジの縞模様がメインで、胸の下部と腹の上部には赤~褐色の斑紋があります。毒針のある腹の先端(尻)が黒いことも特徴です(英語ではblack-tailed hornet)。
また、胸の上部(肩)には両側に黄色のラインが入っています。オス蜂は肩の黄色が働き蜂(メス蜂)よりも顕著です。なお、対馬亜種と琉球亜種の模様は本土亜種とはやや異なります。対馬亜種は尻が黄色、琉球亜種は腹部上部に黄色が入るなどの違いです。
アシナガバチの幼虫・蛹を好んで狩る

ヒメスズメバチは成虫になると花蜜や樹液などを食べますが、幼虫のときはタンパク質が必要です。その幼虫のために、働き蜂はアシナガバチの幼虫や蛹を好んで狩ります。アシナガバチの巣は育房室が露出しているので、そっと寄って行って幼虫や蛹をひっぱり出すようです。
「襲撃」と表現されることもありますが、群れで押し寄せてアシナガバチの成虫を殺すというわけではありません。成虫はエサにできないということもあり、ほとんど戦わずに幼虫や蛹を誘拐します。
活動期間が短め
主食がアシナガバチの幼虫と蛹なので、アシナガバチがすべて成虫になる10月になると飢えます。そのため、主な活動時期は冬眠から目覚めて営巣を開始する5月から、アシナガバチの幼虫・蛹がいる9月までです。多くのスズメバチが10月まで活発に活動するのと比べると短期間といえます。
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ヒメスズメバチの危険性

ヒメスズメバチは大きな見た目に反して、危険性はそれほど高くありません。その理由を性格・毒性・群れの数・追跡距離に分けて解説します。
攻撃性・性格
ヒメスズメバチは、おとなしい性格です。スズメバチ特有のカチカチと顎を鳴らす警告音は発しますが、巣を刺激されない限り、積極的に攻撃することはありません。攻撃性の高い種類が多いスズメバチ属の中では、稀有な存在といえるでしょう。
毒性
毒性は他のスズメバチと比べると弱いため、この点でも危険性が高い種類とはいえません。
ただし、毒針は太く、刺されれば痛みはあります。また、蜂の種類を問わず蜂毒に共通する成分があるため、過去に蜂に刺されたことがある人は、ハチアレルギーによるアナフィラキシーショックを引き起こす恐れがあります。
群れの働き蜂の数
スズメバチ属の中では営巣規模が最も小さく、ピーク時でも数十匹程度しか働き蜂がいません。平均的には30匹ほどとされています。そもそも攻撃性が低いため、巣を刺激しなければ集団攻撃されるリスクはほとんどないといえるでしょう。
追跡距離
30m以上追跡してくるスズメバチ属もいる中で、ヒメスズメバチの追跡距離は5m程度と短距離です。誤って巣に近づいてしまっても、静かに後ずさりすれば逃げ切れます。
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ヒメスズメバチの巣

ヒメバチの独特な巣の形と営巣場所の好みを解説します。
狭い空間に合わせた提灯型
ヒメスズメバチの巣は他の多くのスズメバチ属とは違い、球型ではありません。薄い外装はありますが、下部はハニカム構造が露出しており、スズメバチの巣とアシナガバチの巣を合体させたような見た目です。全体像・フォルムは提灯に似ています。
閉鎖的な場所を好むため、狭い場所に作られることが少なくありません。基本的には提灯のような巣ですが、場所の形状に合わせて歪んだ形になることもあります。
ヒメスズメバチが好む営巣場所
ヒメバチが営巣するのは閉鎖的な場所で、具体的には次のとおりです。
- 土の中
- 木の洞
- シャッターボックス・戸袋の中
- 木箱の中
- 屋根裏
- 床下
- 墓石の中
外壁の隙間から屋根裏・床下へ侵入して営巣することがあるため、注意が必要です。
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ヒメスズメバチはアシナガバチを狩るが害は少ない
ヒメスズメバチが狩るアシナガバチは葉の食害をもたらす虫を狩るため、園芸や農業にとっては益虫です。そのため、益虫の捕食者であるヒメスズメバチを害虫とみなすこともあります。しかし、ヒメスズメバチが直接的に人間へ害をもたらすことは稀です。
ヒメスズメバチはおとなしい性格で、巣を刺激されなければ積極的に攻撃しません。毒性が弱く群れの働き蜂の数も少ないため、ハチアレルギーがある人を除けば、それほど恐れる必要はない存在といえます。
ただし、ヒメスズメバチの襲撃によってパニックになったアシナガバチが攻撃的になることで、アシナガバチに刺されるという被害はあるようです。また、床下や屋根裏に営巣されるとハウスダストなど含めて問題があります。営巣場所によってはプロに駆除を依頼しましょう。
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