ツマグロスズメバチは日本では沖縄県の宮古島以南に生息する蜂です。石垣島や西表島では、他のスズメバチよりも多く見られ、民家の近くでも出没します。独特な模様があるため、他の蜂と見分けるのは比較的容易です。
本記事では、ツマグロスズメバチの基本情報から、見た目の特徴、危険性、巣の特徴まで詳しく解説します。ツマグロスズメバチのことを知りたい人はぜひご覧ください。
ツマグロスズメバチとは

| 和名 | ツマグロスズメバチ |
|---|---|
| 学名 | Vespa affinis |
| 見られる時期 | 4~10月 |
| 体長 | 女王蜂:24~28mm 働き蜂:20mm前後 オス蜂:20mm前後 |
| 見た目の特徴 | 腹部第3節以下(尻)が黒い 腹部第2節までは黄色 頭部~胸は赤褐色(※) ※海外種は黒が多く、沖縄に住む亜種は赤褐色 |
| 分布 | 宮古島以南の琉球列島、八重山諸島 |
| 巣の場所 | 木の枝、草むら、パイナップル畑※規模が拡大すると樹上に引っ越す |
| 幼虫のエサ | ハエ・アブ・バッタなど多様な虫、蛙やトカゲの死骸 ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花蜜、樹液、果汁、幼虫が出す分泌液 |
スズメバチ亜科スズメバチ属の蜂
スズメバチ科スズメバチ亜科スズメバチ属で、オオスズメバチやキイロスズメバチと同じグループに分類されています。
日本では沖縄県、宮古島以南の島にのみ生息しています。基亜種の生息地は中国南部、台湾、ミャンマー、インド、ベトナムなどで、熱帯~亜熱帯が中心です。亜種は他の地域にも生息しており、インドネシアやニューギニア方面、オーストラリア、ニュージーランドでも定着がみられます。
見た目の特徴
腹部第3節以下、お尻の部分が黒いことが大きな特徴です。「ツマグロ」という名前の由来にもなっています。腹部第2節より上は鮮やかな黄色です。
日本に住むツマグロスズメバチの頭部~胸部は赤褐色で、ところどころに黒の線が入っています。なお、海外に住むツマグロスズメバチは頭部~胸部が黒一色のものもいます。
住んでいる地域で社会性と大きさが異なる
ツマグロスズメバチは、熱帯では多数の女王蜂が同じ巣に住む多女王制ですが、亜熱帯では単女王制になるようです。熱帯の多女王制ではトップの女王蜂以外が労働固体化することがあるため、女王蜂と働き蜂の形態差異は小さいとされています。
一方、亜熱帯の単女王制では女王蜂が繁殖(産卵)に特化し、働き蜂は営巣・狩り・育児を担当するなど役割が異なるため、女王蜂と働き蜂の形態差異が大きいとされています。実際に、八重山諸島西表島さんの亜種229個体を計測した結果では、巣内カースト間での形態差異が認められました。
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ツマグロスズメバチの危険性

ツマグロスズメバチは他のスズメバチ属と比べると危険性は高くありませんが、油断はできない蜂です。詳しく解説します。
攻撃性・性格
スズメバチ属の中ではおとなしい性格です。狩りに出ている蜂と遭遇しても、積極的に刺してくることはありません。しかし、防衛力は高く、巣に近づく存在に対しては攻撃性が増します。
オオスズメバチやキイロスズメバチのように積極的に威嚇することがないため、むしろ危険です。気付かぬ内に巣に接近し、外敵とみなされるリスクがあります。人の生活圏にも適応しており、畑に営巣することもあるため、農作業中の刺傷被害には注意が必要です。
毒性
最強クラスではないものの、毒性は強力です。刺されれば痛み・腫れ・赤みが生じます。また、過去に蜂に刺されたことがある人は、ハチアレルギーによるアナフィラキシーショックを引き起こすリスクがあります。
群れの働き蜂の数
ピーク時(9~10月)の働き蜂の数は100~800匹です。数百匹のツマグロスズメバチが巣の周辺を防衛している可能性があるので、近づかないようにしましょう。
追跡距離
ツマグロスズメバチの追跡距離は10mとされています。一度外敵とみなされると10m程度は追いかけられる恐れがあるので注意しましょう。また、巣の周辺の警戒範囲は4mほどです。
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ツマグロスズメバチの巣
ツマグロスズメバチの巣は初期段階とピーク時で形と場所が異なります。
初期の巣はとっくり型・低所

ツマグロスズメバチの初期段階の巣はとっくり型です。冬眠から目覚めた女王蜂が単独で営巣したもので、とっくり型を形成すると産卵します。なお、営巣の初期段階でとっくり型を形成するのは、ツマグロスズメバチとコガタスズメバチのみです。
働き蜂が羽化した後、女王蜂は営巣や狩りを働き蜂へバトンタッチし、産卵に専念します。初期段階の巣の場所は地上から1m未満の低所が多く、木の枝や草むら、畑の中などを選びます。
働き蜂の羽化後に引っ越し・球型に変化

働き蜂の数が増えると、巣を拡大するために地上から十数メートルの樹上へ引っ越しすることが少なくありません。民家の軒下などに営巣することもあるようです(引っ越ししないこともあります)。
とっくり型からマーブル模様の球型に変化し、直径30~70cmまで肥大化します。育房数は800~4,000室と大規模で、ピーク時には100~800匹の働き蜂がいるため要注意です。
ツマグロスズメバチは気付きづらいので注意
スズメバチの中ではおとなしい性格ですが、畑などの人が出入りする場所でひっそりと営巣するので厄介です。攻撃的なスズメバチのように明確な威嚇行動もしてくれないので、気付かぬ内に巣に接近してしまうリスクがあります。
狩りに出ているツマグロスズメバチを見かけたら、近くに巣がある可能性が高いので警戒しましょう。静かな行動を心掛け、茂み・草地・樹木からは離れることをおすすめします。
大きな巣を発見した場合は、自分で駆除を試みず、ぜひ蜂駆除業者に相談してください。ピーク時には数百匹が巣の内部や周辺にいる可能性があるからです。
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