床下から異音がしたり、家の周辺を蜂が飛び回っているにも関わらず巣がみつからない場合は、蜂が床下に営巣している恐れがあります。目視が難しい場所なので、危険性も判断しづらく不安になる人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、床下に蜂が侵入する経路から気づくためのヒント、巣の駆除方法まで詳しく解説します。プロに依頼する場合の料金相場や再発防止策、床下が営巣に好まれる理由なども解説するので、ぜひ参考にしてください。
床下に蜂が侵入する経路

床下に蜂が侵入する主な経路は次の3つです。
- 通気口(換気口)
- 外壁の亀裂・隙間
- 外壁をかじって開けた穴
湿気や温度を調整するための通気口は、屋外に向けて設置されています。この隙間から蜂が入り込むことがあります。また、経年劣化等で生じた外壁の亀裂や歪みによる隙間なども侵入経路のひとつです。
外壁まで木造の戸建ての場合は、蜂がかじり取られることがある点にも注意しましょう。多くの蜂は木の繊維を巣材として使うため、木を削れるほどの力がある顎を持っているからです。
床下の蜂の巣に気づくためのヒント

床下の巣を目視することは難しいため、それ以外の情報をヒントとして考えましょう。具体的には、次のような音や行動などのヒントがあります。
- ブーンという羽音
- カリカリ、カサカサという活動音
- 外壁の隙間などに出入りする蜂
巣の規模が小さい内は音が聞こえることは稀ですが、規模が大きくなると羽音や活動音が聞こえることがあります。床下からそれまで聞いたことのない音がしたら、蜂に営巣されていることを疑いましょう。
また、侵入経路で述べたような外壁の隙間や通気口付近で、蜂を頻繁に見かけるようになった場合も要注意です。スマートフォンのカメラのズーム機能などを使って遠くから観察し、出入りを確かめてみましょう。
なお、点検口を開けて中を確認するのはNGです。その理由は次の「床下の蜂の巣の駆除方法と料金相場」で解説します。
床下の蜂の巣の駆除方法と料金相場

床下の蜂の巣の駆除方法は「プロに依頼する」の一択です。自分で駆除することは危険なのでやめましょう。危険な理由とプロに依頼する場合の流れ、料金相場を解説します。
自分で駆除するのが危険な理由
屋外の蜂の巣であれば、巣の規模によっては自分でも駆除できます。しかし、床下は他の場所と比べて次のようなリスクが極めて高いため、手を出すべきではありません。
- 室内に蜂が侵入するリスク
- 退路を確保しづらい
- ケガや熱中症のリスク
- 配線・配管・躯体の損傷リスク
床下に入って作業をしようと思えば、点検口などを開けることになります。万が一、点検口の近くに巣が作られていれば、即座に大群が室内へと侵入してくるリスクがあります。室内に侵入されると冷静に対処することは難しいため、開けるのはNGです。
また、床下は狭所である上に暗く視界も確保しづらいため、退路を確保しながら作業するのは困難を極めます。また、蜂の営巣が活発なのは夏です。夏に防護服相当の厚着をして、熱の排出が難しい床下に入り込むことは、熱中症のリスクを高めます。
家そのものへのダメージも懸念事項です。床下には配線や配管が通っていることが多く、使用する薬剤によってはショートや腐食のリスクがあります。また、重要な柱などの躯体に接触し、損傷させるリスクもあるため危険です。経験豊富なプロに任せれば、これらのリスクを回避できます。
蜂駆除業者に依頼したときの流れ
蜂駆除業者に床下の蜂の巣の駆除を依頼する流れは次のとおりです。
- 問い合わせ(相談)
- 現地見積
- 契約
- 駆除作業
- 確認(立ち会い)
- 料金の支払い
問い合わせで現状を説明し、床下に蜂の巣がある可能性を伝えましょう。現地見積の段階で床下内を点検できるよう、準備してくれるからです。現地見積では、蜂の巣の場所や大きさ、使用する薬剤や機材、段取りなどが確認されます。それらの情報をもとに料金を算出する流れです。
見積金額と作業内容に納得できれば、契約をおこないます。契約前であれば断ることも可能なので、複数の業者に相談して相見積をとるのもおすすめです。契約後に駆除がおこなわれ、問題なく駆除が完了したことが確認できれば、料金の支払いに移ります。
次の記事では、蜂駆除業者の選び方を詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

床下の蜂の巣駆除の料金相場
床下の蜂の巣駆除の料金相場は次のとおりです。
料金項目 | 仮の条件 | 相場料金 |
---|---|---|
基本料金 | スズメバチ | 10,000~15,000円 |
巣の大きさ別料金 | 30~40cm | 10,000~15,000円 |
狭所作業代 | 床下 | 4,000~6,000円 |
合計金額 | 24,000~36,000円 |
基本料金は蜂の種類ごとに設定されていることがおおく、スズメバチの相場は10,000~15,000円、アシナガバチは5,000~10,000円、ミツバチは10,000円~(上限は条件による)です。床下ではスズメバチの巣が多い傾向にあるため、上記表ではスズメバチとしました。
巣の大きさでも料金は変動します。床下の蜂の巣は大きくなるまで気づかないことが多いため、30cm以上の駆除料金が目安となるでしょう。大きさごとの料金は20~30cmで8,000~9,000円、30~40cmで10,000~15,000円、40cm以上で15,000円~が相場です。
また、床下の蜂の巣駆除では、屋外の開放的な場所の駆除と比べて「狭所作業代」が加算される傾向にあります。退路が確保しづらく熱中症などのリスクもあるため、従業員への危険手当が必要になるからです。次の記事では料金項目と相場をさらに詳しく解説しています。ぜひご覧ください。


床下に蜂の巣を作らせないための対策

床下の蜂の巣の駆除が完了したら、再発防止のために次のような対策をおこないましょう。
- 外壁の亀裂や隙間を修繕
- 防虫網の設置
- 通気口付近に忌避剤を散布
- エサ場を撤去する
蜂の侵入経路となる外壁の亀裂や隙間は、外壁工事の業者やリフォーム業者に相談して修繕しましょう。蜂の侵入リスクだけでなく、害獣の侵入や雨による水漏れ、カビ、腐食などの原因にもなるため、早期修繕をおすすめします。
封じることが望ましくない通気口には、防虫網の設置や忌避剤の散布をおすすめします。なお、これらの対策は蜂駆除業者に依頼すれば、追加料金で対応してもらえることが少なくありません。業者によっては、アフターフォローとして無料で再発防止策、再発時の無料駆除をしてくれることもあります。
最後に、蜂を寄せ付けないためにエサ場の撤去をおこないましょう。エサ場として認識されやすいのは、花のプランター、生ごみ、ジュース等のニオイがする空き缶ゴミなどです。また、他の虫を幼虫のエサとするアシナガバチやスズメバチは、他の虫がすみつきやすい落ち葉溜まりなども狙います。これらのものはできるだけ撤去しましょう。

蜂が床下に巣を作る理由

最後に、蜂が床下に巣を作る理由を解説します。床下の蜂の巣被害は他の場所と比べて稀ですが、床下の環境自体は蜂にとって好条件です。好む理由を知ることで、危機感を持つことにつながります。
- 気温と湿度の影響を受けにくい
- 雨風の影響を受けない
- 外敵が少ない
- 木材がある
蜂の種類にもよりますが、35℃を超える高温の環境では活動が低下する傾向にあります。また、湿気で巣がカビると病気になるため、蜂にとっては致命的です。その点、床下は直射日光による温度上昇のリスクがなく、気温と湿度が保たれやすい、安心して営巣できる環境といえます。
飛行の妨げとなる雨風を避けられることも、営巣に重要な条件です。床下以外でも、軒下・木の洞・茂みの中など雨風をしのげる場所が選ばれる傾向にあります。また、これらの場所は外敵からの攻撃を防ぎやすい点でも好条件です。
そして、多くの蜂は木の繊維を巣材として使用します。木造の民家には柱や梁、壁などの木材が多いため、巣材が豊富です。柱そのものに穴を開けて営巣するクマバチなどの厄介な蜂もいます。次の記事では、さまざまな蜂の営巣方法を解説しているので、ぜひご覧ください。

床下の蜂の巣駆除はプロに任せよう
床下に蜂の巣がある場合、点検口を開けて確認すること自体が危険なので、プロに任せることをおすすめします。音や蜂の行動をヒントに床下に巣がある可能性を見極め、可能性が高いと判断した時点で蜂駆除業者に相談しましょう。
床下での駆除実績が豊富なプロであれば、配管・配線・躯体にも配慮しながら適切に駆除してくれます。再発のリスクにそなえて、忌避剤の散布や防虫網の設置をあわせて依頼するのもおすすめです。
