1匹でウロウロしているスズメバチを見たとき、何をしているのか気になった人も多いのではないでしょうか。考えられる行動のひとつとして「偵察」があげられます。
本記事では、スズメバチの偵察の目的とスズメバチの種類ごとの行動の違い、偵察行動を利用した営巣・飛来防止策を解説します。偵察行動の目的は時期や場所によって異なり、攻撃性も変化するため注意が必要です。ぜひ参考にしてください。
このような方におすすめ
- スズメバチの偵察の目的を知りたい方
- スズメバチの種類ごとの偵察の特徴を知りたい方
- 偵察にくるスズメバチを減らしたい方
- 偵察中のスズメバチの注意点を知りたい方

目次
スズメバチの偵察の目的は主に3種類

スズメバチの偵察の目的は、主に次の3種類に分けられます。それぞれを詳しく解説します。
スズメバチの偵察の目的
- 女王蜂による営巣場所の偵察
- 働き蜂によるエサ場の偵察
- 働き蜂による防衛目的の偵察
女王蜂による営巣場所の偵察
昨年に誕生したスズメバチの中で越冬できるのは女王蜂のみです。冬眠していた女王蜂は春になると目覚め、偵察を開始します。偵察行動の時期や特徴は次のとおりです。
偵察中の女王蜂の特徴
- 3月下旬~4月
- 1匹でウロウロ
- 攻撃性は低い
3月下旬~4月は、女王蜂が目覚める気温18℃以上になる時期です。目覚めて間もないときの動きは鈍いものの、気温が20℃を超えると活発に巣作り場所を探し始めます。これが女王蜂による営巣場所の偵察です。
働き蜂がいないため女王蜂が単独でウロウロしています。その行動範囲は冬眠場所から半径1~2kmが目安です。この時期の女王蜂は攻撃性が低いため、刺激しなければ、刺されることはほとんどありません。
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働き蜂によるエサ場の偵察
6月以降に働き蜂が羽化すると、女王蜂は産卵に専念し、その他の行動を働き蜂に任せます。働き蜂の行動のひとつが、エサ場の偵察です。次のような特徴があります。
エサ場を偵察する働き蜂の特徴
- 6月~10月
- 1匹でウロウロ
- 攻撃性は低い
- エサ場を発見すると仲間を呼ぶ
幼虫を育てる時期に該当する6~10月にみられる行動で、エサ場がみつかるまでは偵察担当の働き蜂がそれぞれ単独で行動しています。偵察している間の攻撃性は低く、近づいたり刺激したりしなければ、危険性はほとんどありません。
しかし、花や果実の多い場所や他の虫が多く生息するエサ場をみつけると仲間を呼びます。エサ場を他の蜂から守るために攻撃的になることがあるため、複数匹が集まっているときは要注意です。
なお、エサ場の偵察エリアは季節によって異なります。夏は巣から半径1~2kmが、秋は半径10kmが目安です。詳しくは次の記事をご覧ください。
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働き蜂による防衛目的の偵察
働き蜂は巣の周辺でも偵察をおこないます。巣の防衛を目的としたもので、外敵の接近をただちに発見するための行動です。防衛目的の偵察には次のような特徴があります。
防衛中の働き蜂の特徴
- 6月~10月
- 巣の半径10m以内
- 複数匹が飛び回っている
- 攻撃性が高い
巣を守るための偵察は、巣が機能している6月~10月でみられます。巣を中心とした半径10m以内で、複数の働き蜂が偵察行動・警戒体制をとっている状態です。近づいてくる存在を発見次第、顎を鳴らして警告音を発し、それ以上接近されれば容赦なく攻撃します。
偵察行動が特徴的なスズメバチの種類
スズメバチは日本国内だけでも17種類が確認されています。スズメバチの種類によって偵察範囲や行動には違いがあるため、ここでは偵察行動が特徴的な4種類を紹介します。
警戒範囲が広いキイロスズメバチ

キイロスズメバチは巣を防衛するための偵察範囲(警戒範囲)が広い種類です。他のスズメバチの警戒範囲が5m以下であるのに対し、キイロスズメバチは10mを警戒範囲とします。また、エサ場探しから狩りまでの流れが、知能的なチームプレイであることも特徴です。
たとえばミツバチの巣を狙う場合、偵察隊は呼んだ仲間が到着するまで待機します。複数匹の仲間が来ると、ミツバチの巣の周辺を飛び回り、巣から出てきたミツバチや帰巣するミツバチを襲うという流れです。単体で襲うよりも効率的で、ミツバチの反撃によるリスクも低減しています。
攻撃力の高いオオスズメバチ

オオスズメバチもキイロスズメバチと同様で、巣を中心とした半径10mを警戒範囲とする種類です。さらに、国内最強の毒性と攻撃力を備えています。1匹でエサ場を偵察しているときの攻撃性は高くはありませんが、仲間を呼ぶと途端に攻撃性が増すため要注意です。
また、知能的なチームプレイも得意としています。たとえばミツバチの巣の襲撃では、偵察隊の情報に基づいてミツバチの巣の出入口に集結し、巣材をかじりとることで侵入経路を確保するほどです。その後は複数匹で、巣内のミツバチを襲いながら進撃します。
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アシナガバチを襲うヒメスズメバチ

ヒメスズメバチは人に対する攻撃性は強くなく、スズメバチの中では比較的おだやかな性格です。エサ場の偵察中や巣の周辺の警戒範囲内であっても、刺激されない限りはむやみに攻撃をしかけません。
一方で、アシナガバチの巣を好んで襲うほどの大胆さを持っています。ヒメスズメバチ自体は人にとってそれほど危険ではありませんが、襲われてパニックになったアシナガバチが人を刺すことがあるため、注意しましょう。
夜間も活発なモンスズメバチ

多くのスズメバチは日没とともに帰巣しておとなしくなりますが、モンスズメバチは例外で、日没後2~3時間は活動します。夏は日没が19時頃であるため、21時頃まで活動するということです。
夜間は人間にとって視界が悪いため、モンスズメバチとの接近に気付かないことが少なくありません。ブーンという羽音が聞こえたら、偵察中のモンスズメバチの可能性があります。音が過ぎ去るまでじっとして待ちましょう。
また、カチカチという音が聞こえた場合は要注意です。半径5m以内にモンスズメバチの巣がある可能性が高いため、姿勢を低くして後ずさりし、それ以上の接近を回避しましょう。
スズメバチの偵察を逆手にとった対策

スズメバチが営巣場所やエサ場を探すための偵察行動を逆手にとれば、効果的な営巣・飛来防止策を実施できます。
営巣に向かない環境を作る
冬眠から目覚めて偵察を開始した女王蜂に嫌われることができれば、営巣されるリスクを低減できます。営巣に向かないと判断されるためのポイントは次のとおりです。
営巣に向かない場所の特徴
- 嫌いな臭いがする
- 雨風や直射日光を避けられない
- エサ場が遠い
スズメバチが嫌う臭いのするアイテムには、スズメバチ用忌避剤や木酢液、燻煙剤などがあります。とくに忌避剤や燻煙剤には、残効性の殺虫成分が含まれた商品もあるため、飛来する個体数を減らしたい場合にも有効です。
また、飛行の妨げとなる雨風や巣内の温度上昇が激しい直射日光を避けて営巣する習性も利用できます。具体的には、木の剪定やがれきの山の撤去、屋内に入り込める外壁や屋根の修繕などです。こうした対策によって、スズメバチが営巣に好む場所を極力排除できます。
屋根の修繕にご興味がある方は、ぜひ屋根お助け本舗もご覧ください。
エサ場を減らす
営巣対策だけでなく飛来対策にも効果的な方法がエサ場の撤去と忌避対策です。エサ場となりやすいものは次のとおりです。
エサ場となりやすいもの
- 低木の茂みや生垣
- 落ち葉溜まり
- 生ごみ置き場
- 果樹、樹液の出る木
- 花壇や花のプランター
- 空き缶のゴミ箱
他の虫が繁殖しやすい場所や生ごみ置き場は、幼虫のためのエサがある場所としてスズメバチが寄ってきます。甘い香りがする場所は、偵察や狩りの途中で働き蜂が栄養補給するためのエサ場です。
撤去できるものは撤去し、撤去が難しい場合は周辺に忌避剤を散布しましょう。以下の記事では、市販のおすすめ忌避剤を紹介しているので、ぜひご覧ください。
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偵察中のスズメバチ1匹を殺すのはNG

偵察中のスズメバチを駆除すれば、エサ場の情報が巣内で共有されず、飛来を防げると考える方もいるでしょう。しかし、偵察中のスズメバチ1匹を殺すだけでもリスクがあります。1匹を殺すのがNGな理由と適切な駆除方法を解説します。
1匹を攻撃すると仲間を呼ばれる
飛来した1匹のスズメバチを駆除するために、スズメバチ用殺虫スプレーを噴射したとします。その際に、一撃で駆除できれば問題ありませんが、しとめきれなければ毒針を刺されたり、毒針を噴射されたりするリスクがあります。
毒による被害だけではありません。スズメバチの毒液には仲間を呼ぶ警戒フェロモンが含まれているため、群れが襲来する恐れがあります。むやみに攻撃すると危険性を高めることになりかねないため、注意が必要です。
どうしても駆除したい場合はトラップを使う
自宅の敷地内がエサ場として認定されている場合など、複数匹のスズメバチの飛来に悩んでいるときはスズメバチ用のトラップを使う方法が有効です。スズメバチ用トラップには誘引捕獲タイプ・毒エサタイプ・粘着タイプがあります。
スズメバチのトラップの表を入れる
ただし、誘引捕獲タイプや毒エサタイプは、スズメバチが好む匂いでひきつける側面があるため、状況によっては逆効果になり得ます。1匹がたまたま飛来した段階では、エサ場として認定されているとは限りません。様子見した上で、複数匹が飛来するようであればトラップを設置しましょう。
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巣が敷地内にあるならプロに依頼する
エサ場としての飛来であればエサとなるものの撤去や忌避剤の散布、トラップの設置で対応できますが、巣の周辺で防衛のための偵察をおこなっているスズメバチを上記の方法で駆除するのはNGです。
巣の近くで忌避剤や駆除スプレーを使用すると、その刺激によって巣から群れが飛び出してくる恐れがあります。トラップもすぐに満杯になったり、設置のときに攻撃を受けたりするリスクが高いため使用できません。
とくに、スズメバチの巣が初期段階を超え、働き蜂が羽化している状況では危険です。初期段階を超えた巣の駆除をおこなうためには防護服が必須であるため、プロに相談しましょう。
スズメバチの巣の調査と駆除はハチお助け本舗におまかせ

ハチお助け本舗の特徴
ハチお助け本舗の特徴
- 調査・見積無料(※1)
- 明朗会計
- 忌避剤の使用・巣の撤去処分費込み
- 再発保証付き(※2)
- 状況に応じた適切な加盟店を厳選
- 最速10分で到着
| ※1:山林・崖面など広範囲や特殊な条件下の調査は別途ご相談 ※2:1週間以内に同じ場所で巣が再発した場合は無料で駆除 |
スズメバチの駆除料金

基本料金はほとんどのスズメバチが13,000円(税込)~、危険性・駆除難易度の高いオオスズメバチのみ25,000円(税込)~です。この基本料金に、巣の場所や大きさなどの条件別の加算料金がかかる場合があります。加算条件の例は次のとおりです。
| 条件例 | 概要 |
| 高所作業 | 地上4m以上が高所に該当。 危険手当や人員増、2段ハシゴや足場が必要となる作業。 |
| 狭所作業 | 床下や屋根裏など、退路を確保しづらく機材を選ぶ場所が該当。 危険手当や人員増、特殊薬剤の選定などが必要な作業。 |
| 巣の大きさ | 巣の大きさに応じた加算料金。 巣が大きくなるほどに働き蜂の数が増えて危険度が増すため、加算料金がかかる。 |
| 特殊作業 | 外壁や天井、機器の部分解体や補修、木や茂みの伐採などが該当。 |
スズメバチの偵察行動を利用して営巣・飛来を防ごう
偵察中のスズメバチに、営巣やエサ場に適さない場所と判断されれば、その後の営巣や飛来のリスクを低減できます。がれきやエサ場となるものの撤去、外壁や屋根の修繕、忌避剤の散布などで対策しましょう。
ただし、既に敷地内で営巣された場合は、スズメバチを刺激するような行動はNGです。巣の撤去をおこなった上で、上記の対策を再発防止策として実施しましょう。
巣を駆除する場合、女王蜂が営巣を開始したばかりの初期段階の巣であれば、自分でも撤去できる可能性があります。しかし、巣が初期段階を超えて働き蜂が羽化している場合は、ぜひプロに相談してください。
スズメバチの偵察に関するよくある質問
スズメバチの偵察に関するよくある質問に回答します。
スズメバチが家の周りを飛んでいるのは偵察ですか?
3月下旬~4月にウロウロしているスズメバチは、営巣場所を探す女王蜂の可能性が高いといえます。6月以降は、エサ場を探すスズメバチによる偵察です。営巣場所・エサ場に適した環境と判断されると、その後に出没するスズメバチの数が増えます。
スズメバチが偵察に来たら巣が近くにあるということですか?
必ずしもそうとは限りません。エサ場を偵察する働き蜂の行動範囲は、夏は巣を中心とした半径1~2km、秋は10kmと広範囲です。敷地内からは見えない場所で営巣している可能性があります。
スズメバチには偵察すらも来てほしくないのですが
偵察すらも防ぎたい場合は、敷地全体にスズメバチが嫌がる臭いが充満している必要があります。忌避剤の使用量が膨大になることや人にとっても好ましい匂いではないことを考えると、現実的ではありません。
偵察の可能性を完全にゼロにすることは困難であるため、エサ場となるものの撤去や効果的な場所への忌避剤の散布など、できる対策の範囲でリスクを低減しましょう。
