スズメバチを捕獲・殺虫するトラップは、スプレーで立ち向かうよりも安全に駆除できるアイテムです。しかし、誘引・粘着・毒エサタイプがあり、どれを選べば良いか迷ってしまうこともあるでしょう。
本記事では、スズメバチトラップの種類別のメリット・デメリット、時期や環境に合わせた選び方を詳しく解説します。市販のおすすめ商品3選も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
スズメバチトラップ3種類の違いと選び方
スズメバチトラップには誘引捕獲タイプ、粘着タイプ、毒エサタイプの3種類があります。違いは次のとおりです。
タイプ | 仕組み | メリット | デメリット |
誘引捕獲タイプ | 誘引剤でおびき寄せて捕獲 | 誘引力が強い | 駆除できる数が少ない |
粘着タイプ | 強力な粘着シートで捕獲 | 設置が簡単 | 誘引力が弱い |
毒エサタイプ | 毒エサを持ち帰らせて巣内の蜂まで駆除 | 駆除できる数が多い | 子どもやペットが口に入れやすい |
それぞれが適した条件を以下で解説します。
3~5月は誘引捕獲タイプが効果的
3~5月は冬眠から目覚めた女王蜂が巣作り場所を探しているタイミングです。ここでトラップをしかけて女王蜂を捕獲できれば、巣作り後に働き蜂が増えるのを阻止できます。
誘引捕獲タイプは蜂が好む液体が入っており、女王蜂をおびき寄せる効果があるため、3~5月の対策として有用です。
人通りが少ない場所の木の枝から吊るして設置しましょう。
人の出入りが多い場所なら粘着タイプ
誘引剤は蜂をおびき寄せてしまうため、玄関周りやベランダなどの人の出入りが多い場所には不向きです。こうした場所では、人への害が少ない粘着タイプが適しています。
ただし、誘引力は弱いため、たまたま着地した蜂を捕獲できる程度です。積極的に捕獲・駆除できるものではないと考えておきましょう。
6月以降は毒エサタイプ
6月以降の働き蜂が卵から孵ったタイミングでは毒エサタイプがおすすめです。働き蜂に毒エサを持ち帰らせることができれば、巣内の蜂や幼虫まで駆除できる可能性があります。近くに巣があったり、蜂の数が多かったりするときは毒エサタイプを選びましょう。
ただし、子どもやペットが口に入れてしまうリスクがあるため、手が届かない場所、人通りが少ない場所に設置することをおすすめします。
市販のおすすめスズメバチトラップ3選
誘引捕獲タイプ2選、毒エサタイプ1選を紹介します。
【誘引捕獲タイプ】フマキラー カダン ハチ超激取れ
画像引用)フマキラー公式サイト
製品名 | カダン ハチ超激取れ |
メーカー | フマキラー |
価格 | 2,000円前後(オープン価格) |
タイプ | 誘引捕獲タイプ |
持続期間 | 約1ヵ月 |
樹液に似せた誘引力の高い捕獲液と、一度入ったら脱出できない構造でスズメバチを捕獲する商品です。スズメバチだけでなく、ツマアカスズメバチ、アシナガバチ、ガ、ハエ、コガネムシもおびき寄せます。害虫を一掃できるでしょう。
また、ミツバチやマルハナバチ(クマバチなど)は寄せ付けないため、近隣で養蜂がおこなわれていても使えます。
【誘引捕獲タイプ】SHIMADA 業務用スズメバチ誘引捕獲器
画像引用)SHIMADA公式サイト
製品名 | 業務用スズメバチ誘引捕獲器 |
メーカー | SHIMADA |
価格 | 700~1,000円(オープン価格) |
タイプ | 誘引捕獲タイプ |
持続期間 | 約30日 |
業務用として販売されていたものを、家庭用としても使えるようにリニューアルした商品です。薬剤を使っていないため、農作物の近くでも使いやすい商品といえます。蜂をおびき寄せて溺死させる仕組みです。
スズメバチ・アシナガバチ・ハエ・ガ・コガネムシなどの害虫に対応している一方で、ミツバチは誘引されないこともメリットといえます。
【毒エサタイプ】アースガーデン スズメバチの巣撃滅 駆除エサタイプ
画像引用)アース製薬公式サイト
製品名 | アースガーデン スズメバチの巣撃滅 駆除エサタイプ |
メーカー | アース製薬 |
価格 | 600~1,000円(オープン価格) |
タイプ | 毒エサタイプ |
持続期間 | 約2週間 |
巣から10mほど離れた場所に設置するのが効果的ですが、巣の場所がわからないときも使えます。樹液に似た匂いと着地に好む構造でおびき寄せるためです。
毒エサを食べた働き蜂が巣に帰れば、巣内の幼虫・働き蜂・女王蜂にも毒が回って撃滅できます。対象害虫はスズメバチのみなので、その他の虫に害が及んで生態系を壊す心配はありません。
設置時期と期待する効果でスズメバチトラップを選ぼう
スズメバチトラップには誘引捕獲タイプ・粘着タイプ・毒エサタイプがあります。女王蜂の巣作り前や働き蜂の数が少ないときは誘引捕獲タイプがおすすめです。スズメバチを捕獲できる数は少ないものの、3~5月であれば全滅させられる可能性があります。
粘着タイプは人の出入りが多い場所など、誘引や薬剤の使用が難しい場面で検討しましょう。毒エサタイプは働き蜂が増えたタイミングで効果的です。幼虫まで殺虫できれば、それ以上増えることがありません。
タイプによって効果や適したタイミングが異なるため、シーンに応じて使い分けましょう。それでも殲滅できないときは、プロに相談することをおすすめします。