玄関に蜂の巣ができると、出入りのたびに室内に侵入されたり刺されたりする恐れがあるため不安になるでしょう。出入りが多いからこそ気づきやすい場所でもありますが、見つかりにくい蜂の巣もあるため日頃からの注意が必要です。
本記事では、玄関先に蜂の巣が作られる理由と見つけ方、対処法を詳しく解説します。自分で駆除する方法や予防策も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
玄関先に蜂の巣が作られる理由
玄関先には屋根があることが多く、雨と直射日光を遮ってくれるため、蜂にとっては嬉しい環境です。水濡れによる飛行の妨げや巣の破損、日光による温度上昇などから巣を守れます。とくに、屋根や壁の奥まった場所などがあるときは注意が必要です。
玄関先に巣を作りやすい蜂の種類
玄関先には次のような蜂が巣を作る傾向があります。
- アシナガバチ
- ドロバチ
- ミツバチ
- スズメバチ
スズメバチは基本的には閉鎖的な場所を好むため、玄関先の優先度は低めです。多いのは開放的な場所を好むアシナガバチで、傘のような形の巣を作ります。屋根からぶらさがる巣もあれば、壁面に沿うように作られる巣もあり、大きさは最大15cmほどです。
ミツバチは基本的には茂みの中など自然環境で巣を作りますが、エサとなる花が豊富な家の周辺には巣を作る可能性があります。ドロバチは泥や土を集めて巣を作る蜂で、外壁や屋根下に沿う形で巣作りする可能性があります。
玄関の蜂の巣に気づきづらいケース
玄関は出入りが頻繁な場所なので、屋根から巣がぶらさがっていれば小さい段階でもすぐに気づくことができるでしょう。早期に発見できれば、自分で駆除できる可能性もあります。
しかし、以下で解説するようなケースでは気づきづらいため注意が必要です。
サイディングと同系色の蜂の巣
アシナガバチの巣は白く、外壁に沿って作られることもあるため、家のサイディング(外壁)が白系の色だと同化して気づかない可能性があります。とくに高い場所に作られると、注視しない限り気づかない可能性が高いといえるでしょう。
外壁の一部が盛り上がって見えている部分があれば、アシナガバチの巣の可能性があります。巣の大きさが10cmを超えるとアシナガバチの数が増えて危険です。玄関周りを定期的にチェックすることをおすすめします。
泥汚れに見える蜂の巣
ドロバチの巣の素材は泥や土で、巣の大きさが3~4cmであるため泥汚れに見えることがあります。泥がつくような状況でもないのに泥汚れがある場合、ドロバチの巣の可能性を疑いましょう。
なお、ドロバチは単独行動が基本なので、巣の中にいる蜂は1~2匹程度です。攻撃性も高くなく毒性も低いため、自分で対処できる可能性が高いといえます。詳しくは次の項目で解説します。
玄関先の蜂の巣の駆除方法
巣の大きさが10cm未満であれば自分でも駆除できる可能性があります。ただし、刺されるリスクがあるため防護服または防護服相当のウェアの着用が必須です。自分で駆除するときの基本装備は次の記事をご覧ください。
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高所スプレー噴射用器を使用する
玄関先の屋根や外壁の高いところの巣を駆除する場合は、高所スプレー噴射用器を使いましょう。高枝切りばさみのような構造で、棒の先端にスプレーをセットすれば手元で噴射ボタンを押せる装置です。
蜂の活動がおとなしくなる日没後のタイミングで、蜂の巣に向けて噴射すれば蜂を撃退できる可能性が高いといえます。後日、戻ってくる蜂がおらず全て死滅できたことを確認してから、脚立などをつかって巣を撤去しましょう。
ただし、高所スプレー噴射用器の販売価格は10,000円以上が相場で、使いやすいものだと30,000円程度はするため、1度限りの駆除であればプロに依頼する方が安く済むでしょう。
高圧洗浄機で落とす
ドロバチの巣であれば高圧洗浄機で落とすというのも手段の一つです。巣の中に1~2匹しかおらず、攻撃される可能性が低いほか、仮に向かってきてもスプレーで撃退できるでしょう。自分でも比較的安全に駆除できるといえます。
プロに依頼する
蜂の巣が10cmを超えており、ドロバチ以外の蜂の場合はプロに依頼しましょう。10cmを超えていると蜂の数が増えている可能性が高く、巣に近づくと集団で攻撃してくる恐れがあります。
とくに蜂が最盛期を迎える6月中旬以降は、蜂の数が増えている可能性が高いため要注意です。
蜂の巣が小さい場合でも、防護服相当の重装備ができないときや蜂の活動が活発な日中しか時間を確保できないときも、プロに依頼することをおすすめします。
玄関先の蜂の巣の再発防止策
最後に、蜂の巣を駆除した後、玄関先に再び巣を作られないための予防策を2つ紹介します。
定期的に清掃する
蜂は濡れる環境が嫌いなので、定期的に水を撒いて清掃することをおすすめします。高圧洗浄機や水とデッキブラシで、外壁や屋根の裏側を洗うと効果的です。目視できないほど小さな初期段階の巣であれば、清掃で落とせるというメリットもあります。
また、玄関周りを定期的に清掃することで、雑食のスズメバチやアシナガバチが好む害虫を撃退できることもメリットです。
ミントの香りや忌避剤を散布する
蜂が嫌う香りを散布するのも効果的です。最も効果が高いのは蜂用の忌避剤で、ホームセンターや通販などで購入できます。
ペットや子供がいて玄関に薬剤を撒くのが懸念される場合には、ハッカ油などのミントの香を散布しましょう。ミントなどのハーブは蜂が嫌う香りです。
忌避剤を散布すべきタイミングは、巣を撤去した直後と来年の3~5月です。戻り蜂や新たな蜂の寄り付きを防げます。
玄関の蜂の巣は早期発見・早期対処でリスクを減らそう
玄関は人の出入りが多いため、蜂の巣が作られると刺されるリスクが高い場所です。外壁に溶け込んでいたり、泥汚れに見えたりして気づかないことがあるため、定期的に注意深くチェックすることをおすすめします。
初期段階で発見できれば、スプレーや高圧洗浄機を使って自分で駆除することも可能です。ただし、防護服相当の装備や駆除用の器具を新たに購入する必要があるときは、プロに依頼する方が安く済みます。駆除の頻度で装備を揃えるか依頼するかを考えましょう。
駆除後は忌避剤やミントの香りの散布、定期的な清掃をおすすめします。忘れずにおこなっておけば、来年の再発を防止できるでしょう。