蜂を発見したと思っても、実は蜂に似た虫ということがあります。必要以上に怯えたり、巣を探したりしなくても済むように、蜂みたいな虫を知っておきましょう。
本記事では、蜂みたいな虫をアブ・スカシバガ・ハエ・その他の虫の種類に分けて紹介します。
※さまざまな虫の写真を掲載しているので、苦手な方はご注意ください。
目次[表示]
蜂みたいな虫①:アブ5種類
アブは蜂に似た虫の代表的な存在です。ハエ目の一種で、蜂のように黒と黄色の縞を持つ種類がいます。
ヒラタアブ
ハナアブ科ヒラタアブ亜科の総称で、平べったいお腹が特徴のアブです。ヒラタアブ族は黄色やオレンジのボディに黒の縞模様をもつ種類が多く、ススメバチと似ています。ヒラタアブの中で蜂に似ている種類は次のとおりです。
- キベリヒラタアブ
- ナガヒラタアブ
- クロヒラタアブ
- フタスジヒラタアブ
- ヘリヒラタアブ
- ヒゲナガハナアブ
- オビホソヒラタアブ
- ニッコウヒラタアブ
プロでない限り、上から見ただけでは、なかなか判別できません。横から見たときの胴体の薄さ(平べったさ)で判断しましょう。
なお、蜂のように毒針を刺すことはありませんが、顎の力が強く人を噛むことがあるため、注意が必要です。
ナミハナアブ
ハナアブ科ナミハナアブ亜科の総称で、体長4〜16mmの小さな虫です。黄色と黒の模様に毛が生えていることも含めてミツバチに似ています。蜂に似ている種類は次のとおりです。
- ナミハナアブ(種類名でもある)
- アシブトハナアブ
- 大ハナアブ
- キョウコシマハナアブ
- キゴシハナアブ
- ハチモドキハナアブ
ハエ目特有の網目のような複眼が見分けるポイントです。
ツルギアブ
ツルギアブ科の中には蜂にまったく似ていないものもいますが、一部は黄色のボディに黒の縞模様で、蜂に似ています。なお、オスとメスで色や模様が異なるため、蜂に似ている種類は特定できません。
ツリアブモドキ
ツリアブモドキは珍しいアブの種類といえます。お腹が太くクマバチに似ています。蜂に似た種類は次のとおりです。
- ハマダラツリアブモドキ
- スキバツリアブ
ナガレシギアブ
シギアブ科・ナガレキシアブ科の総称です。黄色のボディに黒の縞模様をもつ、蜂に似た種類がいます。具体的には次のとおりです。
- キアシキンシギアンブ
- ハマダラナガレキシアブ
蜂みたいな虫②:スカシバガ7種類
スカシバガはチョウ(蝶)目に属するガ(蛾)です。鱗粉がなく透明の羽を持つことが特徴といえます。胴体の作りなどは蜂とはまったく似ていませんが、模様はよく似た種類がいます。
ヒメセンスジスカシバ
センスジスカシバは黒いボディに黄色の縞模様を持つスカシバガです。蜂と比べると胴が長く、全身に毛が生えています。黄色の腺の数は複数です。
ヒメアトスカシバ
ヒメアトスカシバも黒のボディに黄色の縞模様を持つスカシバガです。センスジスカシバと比べると黄色の縞が太く、線の本数は2本です。ドロバチに似ています。
カシコスカシバ
カシコスカシバは黒またはこげ茶と黄色の縞模様を持つスカシバガです。羽を開いたときの大きさは2.5~3cmほどで、カシワやブナ科の植物を好みます。
ブドウスカシバ
ブドウスカシバは黒のボディに黄色~オレンジの縞模様を持つ、アシナガバチに似たスカシバガです。名前のとおりブドウを好むため、ブドウ農家では害虫として扱われています。
コシアカスカシバ
コシアカスガシバは黄色のボディに黒の縞模様を持つ、キイロスズメバチに似たスカシバガです。腰のあたりに茶色~赤褐色のラインが入っています。
クビアカスカシバ
クビアカスカシバは黄色~オレンジのボディに黒の縞模様のスカシバガです。胸元の毛は黄色で、体長が3cmほどと大きく、オオススメバチに似ています。
蜂みたいな虫③:ハエ3種類
ハエはアブと同じハエ目で、ハエ亜科環縫短角群ハエ下目に属する虫の総称です。黄色~オレンジのボディに黒の縞模様をもつ、蜂に似た種類がいます。
オオハチモドキバエ
オオハチモドキバエは名前のとおり蜂そっくりのハエです。黄色のボディに暗褐色の縞模様をもち、頭・胸・胴の間にそれぞれくびれがあります。顔の作りも蜂そっくりです。ハチに擬態することで身を守っていると考えられています。
蜂との見分け方は毛がないことですが、近づいて観察しない限り判断するのは困難といえるでしょう。
ハモグリバエ
ハモグリバエ類の総称で、一部のハモグリバエが黄色と黒のボディカラーです。ただし、体長が2~3mと小さく、ハエらしい赤い目をもっているため、ボディカラー以外は蜂とは似ていません。
メバエ
ハエ科のひとつで、蜂とよく似たジョウザンメバエなどが属しています。黄色と黒の縞模様を持つ種類が多く、蜂に擬態していると考えられます。というのも、メバエは蜂の体内に幼虫を産みつけるからです。
蜂みたいな虫④:その他3種類
アブ・スカシバガ・ハエが蜂に似ている虫の代表格ですが、その他の分類の虫の中にも蜂に似た模様を持つものがいます。
ベッコウガガンボ
ガガンボは糸角亜目でカ(蚊)の仲間です。長い脚と細い体が特徴で、お尻がとがっています。なお、蚊のように人を刺したり血を吸ったりすることはありません。
ベッコウガガンボは黄色~オレンジのボディに黒の模様を持つ虫です。アシナガバチよりも長い脚が特徴ですが、遠目から見ると蜂に見えることがあります。
クシヒゲガガンボ
クシヒゲガガンボオレンジ~茶褐色のボディに黒の縞模様を持つ虫です。ベッコウガガンボと同様に長い脚をもっています。
ヒメカマキリモドキ
ヒメカマキリモドキはカゲロウの一種です。黄色のボディに褐色の縞模様をもっているため、遠目から見ると蜂に見えることがあるかもしれません。しかし、名前のとおり体のつくりはカマキリにそっくりです。
蜂に似たアブには要注意
蜂に似た虫には、アブ・スカシバガ・ハエなどがいることがわかりました。この中で人に直接的な害を与えるのはアブです。蜂のように刺すことはありませんが、顎の力が強いため、噛まれると痛みを感じます。近寄らないようにしましょう。
しかし、アブであっても蜂ほどの危険性はありません。巣をもたないため集団で襲ってくる心配がないからです。農作物の被害がある場合を除いて、蜂に似た虫を積極的に駆除する必要はないといえるでしょう。