黒や黄色の虫、あるいは毛で覆われた虫などを発見したとき「蜂のように見えるが、蜂ではないような気もする」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。実は、蜂に擬態している虫や似たような模様を持つ虫は数多く存在します。
本記事では、蜂みたいな虫51種を10カテゴリに分けて紹介します。これだけの種類を集めても、蜂みたいな虫のほんの一部です。
なお、似ている蜂の種類がわかっている方や発見した虫の特徴をとらえられた方は、記事後半の「似ている蜂の種類・虫の特徴別の一覧」をご覧ください。画像一覧から、詳しく知りたい虫の説明部分にジャンプできます。
| ※さまざまな虫の写真を掲載しているので、苦手な方はご注意ください。 |
このような方におすすめ
- 蜂みたいな虫の種類が知りたい方
- 蜂みたいな虫の見た目や特徴を知りたい方
- 蜂みたいな虫にも注意すべきか判断したい方

※1 対応地域・対応する加盟店により異なります
※2 対応地域・加盟店・現場状況により、お事前にお客様の同意を得たうえで、調査・見積り費用をいただく場合がございます
※3 作業後1週間以内に同じ場所に再発した場合に限ります
蜂みたいな虫①:カミキリムシ科4種
コウチュウ(甲虫)目カミキリムシ科に属する虫の中で、「トラカミキリ」と呼ばれる種類がスズメバチやアシナガバチに似ています。代表的な4種類を紹介します。
トラフカミキリ

| 和名 | トラフカミキリ |
| 学名 | Xylotrechus chinensis |
| 体長 | 15~26ミリ |
| 体・模様の特徴 | オレンジがかった黄色のボディ 黒の模様 胴体は細長い 脚が長い |
| 見られる時期 | 6~9月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州、奥尻島、対馬、南西諸島など |
| 生息地 | 森林、公園、クワ畑など |
トラフカミキリはオレンジがかったボディに黒のV字の縞模様が目立つカミキリムシです。サイズも大きいため、オオスズメバチやキイロスズメバチなどのスズメバチ属に間違われることが少なくありません。
幼虫がクワの木を好んで食べるため、養蚕業では桑畑の害虫として知られていましたが、現在は激減しており、地域によってはレッドリスト(絶滅危惧種等)に指定されています。
ヨツスジトラカミキリ

| 和名 | ヨツスジトラカミキリ |
| 学名 | Chlorophorus quinquefasciatus |
| 体長 | 14~19.7mm |
| 体・模様の特徴 | 鮮やかな黄色のボディ 黒の模様 胴体は細長い 脚が長い |
| 見られる時期 | 5~9月 |
| 分布 | 本州・四国・九州・対馬・南西諸島など |
| 生息地 | 沿岸部の平地、低山、公園、雑木林など |
ヨツスジトラカミキリはサイズ感も含めて、キアシナガバチに見間違えやすいカミキリムシです。見られる時期もアシナガバチと重なっています。幼虫が広葉樹や針葉樹を食べるため、出没場所は木が生えている場所が中心です。沿岸部を好みます。
タケトラカミキリ

| 和名 | タケトラカミキリ |
| 学名 | Chlorophorus annularis |
| 体長 | 9~15mm |
| 体・模様の特徴 | オレンジがかった黄色のボディ 黒の模様 胴体は細長い 脚が長い |
| 見られる時期 | 5~8月 |
| 分布 | 本州、四国、九州、南西諸島など |
| 生息地 | 竹(マダケ、モウソウチク)のある場所 |
タケトラカミキリは色と模様こそスズメバチやアシナガバチに似ていますが、サイズは小さめです。幼虫のエサが枯れた竹であるため、生息域は竹林が中心です。ただし、竹垣や竹製の井戸蓋などもエサの対象になります。
キイロトラカミキリ

| 和名 | キイロトラカミキリ |
| 学名 | Grammographus notabilis |
| 体長 | 13~21mm |
| 体・模様の特徴 | 薄黄色のボディ 黒の模様 胴体は細長い 脚が長い |
| 見られる時期 | 5~6月 |
| 分布 | 本州、四国、九州、対馬、種子島など |
| 生息地 | 広葉樹やスギの森林、雑木林、里山など |
キイロトラカミキリの色や模様はスズメバチやアシナガバチとは異なりますが、パッと見では蜂と疑うことがあるでしょう。
幼虫のエサがクヌギやコナラ、スギなどの朽木であるため、森林を中心に生息しています。なお、シイタケのホダ木(※)に集まることもあるようです。
| ※キノコを原木栽培する際の丸太で、クヌギやコナラが使われることが多い |
蜂みたいな虫②:アブ科1種
ハエ目アブ科は、基本的なエサこそ樹液や花の蜜ですが、メスは産卵のために吸血するため注意が必要な虫です。牛や馬、人間にも向かってきます。ここでは、スズメバチによく似た1種類を紹介します。
アカウシアブ

| 和名 | アカウシアブ |
| 学名 | Tabanus chrysurus |
| 体長 | 20~30mm |
| 体・模様の特徴 | オレンジと黒のしましま スズメバチに酷似している 複眼は緑~赤(光の加減で変化) |
| 見られる時期 | 5~9月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州、対馬 |
| 生息地 | 水辺(川、湿地、沢)がある森林や林縁 |
アカウシアブはスズメバチにそっくりな大型のアブです。体長はモンスズメバチに近く、色や模様はオオスズメバチやキイロスズメバチに似ています。目(複眼)を見れば形と色が大きく異なるため見分けられますが、遠くから判別するのは難易度が高めです。
なお、アカウシアブはスズメバチと似ているからこそ厄介なポイントがあります。スズメバチと遭遇したときは刺されないように、じっとして去るのを待つのがセオリーですが、アカウシアブはじっとしている生き物を吸血しにきます。
スズメバチかアカウシアブか判別できないときは、スズメバチだった場合の方が危険なので、スズメバチに対する逃げ方を実行しましょう。
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蜂みたいな虫③:ハナアブ科22種
ハナアブ科はハエ目の一種で、蜂のように黒と黄色の縞を持つ種類が多数属しています。その中から代表的なものを3カテゴリ22種紹介します。なお、ハナアブ科はアブ科とは違い、花の蜜や花粉をエサとするため、吸血はしません。
ヒラタアブ亜科(Syrphini)12種
ハナアブ科ヒラタアブ亜科は、平べったい腹部が特徴です。黄色やオレンジと黒の縞模様をもつ、ミツバチやクロスズメバチに似た見た目の種類が多く属しています。
キベリヒラタアブ

| 和名 | キベリヒラタアブ |
| 学名 | Xanthogramma sapporense |
| 体長 | 10~13mm |
| 体・模様の特徴 | 黒~褐色の大きな目 胸は中央が黒、サイドが黄色 腹部は胸に近い部分に黄色の楕円が2つ 黄色の線が3本 脚は黄色 翅は茶色がかった透明 尻(腹)の先端は黄色 |
| 見られる時期 | 4~9月 |
| 分布 | 北海道・本州・九州 |
| 生息地 | 丘陵、山地 |
キベリヒラタアブは色合いやサイズ感がニホンミツバチに似ています。複眼(大きな目)がやや赤みがかっているので、接近すれば見分けられるでしょう。
そのほか、蜂とは違って触覚が短いこと、翅が4枚ではなく2枚であることなど、蜂とは異なるハナアブならではの特徴も持っています。
なお、分布は北海道~九州と幅広いものの、生息地は丘陵や山地が中心です。幼虫はアブラムシなどを食べる肉食ですが、成虫になるとさまざまな種類の花の蜜を吸います。
ナガヒラタアブ

| 和名 | ナガヒラタアブ |
| 学名 | Asarcina porcina |
| 体長 | 14~17mm |
| 体・模様の特徴 | 褐色~赤色の目 胸は褐色~茶色 腹部はオレンジ色がベース 細く黒い線が入っている 脚はオレンジ 翅はこげ茶がかった透明 |
| 見られる時期 | 4~11月 |
| 分布 | 北海道・本州・九州 |
| 生息地 | 丘陵、山地 |
ナガヒラタアブの体長は14~17mmで、ヒラタアブの中では大きな種類ですが、サイズ感はセイヨウミツバチよりもやや大きい程度です。腹部の黒の線が細いため、オレンジ色が目立ちます。
全体的には蜂に似ているものの、オレンジを主張する蜂はオオスズメバチやコガタスズメバチなどで、ナガヒラタアブとはサイズ感が大きく異なるため、判別しやすいでしょう。
クロヒラタアブ

| 和名 | クロヒラタアブ |
| 学名 | Betasyrphus serarius |
| 体長 | 8~13mm |
| 体・模様の特徴 | 全体的に黒い 腹部に薄黄~白のしましま 側部に白い毛が生えている 翅は黒がかった透明 |
| 見られる時期 | 4~11月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州、対馬、壱岐、男女群島、南西諸島 |
| 生息地 | 山地~平野 |
クロヒラタアブは全体的に黒く、腹部に白の縞模様が入った小さなヒラタアブです。模様・サイズ感ともにクロスズメバチに似ています。しかし、クロスズメバチよりも寸胴で複眼は褐色がかっているので、接近すれば見分けられるでしょう。
分布は広く生息域も山地から平野まで幅広いものの、個体数は多くありません。
オビホソヒラタアブ

| 和名 | オビホソヒラタアブ |
| 学名 | Meliscaeva cinctella |
| 体長 | 9~10mm |
| 体・模様の特徴 | 腹が細い 目は赤 胸は黒(暗色) 淡い橙黄色と黒の縞模様 1本目の黒い線は凸型 脚は黄色~黒 翅は黒がかった透明 |
| 見られる時期 | 4~6月、10月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
| 生息地 | 丘陵、山地、都市郊外 |
細い体にハッキリと太い縞模様が入ったヒラタアブです。模様こそ蜂に似ていますが、9~10mmという小さなサイズ感や顔の面積の大半を占める赤い目など、全体的にハエ目の特徴が強い種類といえます。
基本的には丘陵や山地を好むものの、都市郊外・人家に近いところでも発見されているようです。
フタスジヒラタアブ
| 和名 | フタスジヒラタアブ |
| 学名 | Dasysyrphus bilineatus |
| 体長 | 10~15mm |
| 体・模様の特徴 | 全体的に黒い 目は褐色 胸には薄っすらと白っぽい縦線が入っている 腹部の線は淡黄色で左右に分かれている 側部に茶色~白の毛が生えている 脚は褐色~黒 翅は黒がかった透明 |
| 見られる時期 | 4~12月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州、五島列島、屋久島、トカラ列島(中之島)、沖縄島国後島、色丹島 |
| 生息地 | 山地~平地 |
フタスジヒラタアブは腹部の淡黄色の波線と中央の黒い縦筋が特徴のヒラタアブです。縦筋が入っているため、黄色の波線が2つに分かれた模様になっています。
波線はアイスクリームが垂れたような形で、モンスズメバチやフタモンアシナガバチに似ていますが、全体的にはクロスズメバチに近い色味とサイズ感です。なお、幼虫のときは枝に巻き付くような格好でじっとしているため、襟巻アブとも呼ばれます。
ヘリヒラタアブ
| 和名 | ヘリヒラタアブ |
| 学名 | Didea alneti |
| 体長 | 11~13mm |
| 体・模様の特徴 | お腹の幅が広く丸い印象 全体的に黒い 腹部の水色の線が目立つ 顔と側部に白い毛が生えている |
| 見られる時期 | 4~11月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
| 生息地 | 山地、平地 |
ヘリヒラタアブは腹部の幅が広く、丸い印象を受ける蜂です。水色の線が入っているのが大きな特徴ですが、発色は個体によって異なります。ナミルリモンハナバチ程度に高発色の個体もいれば、白や淡黄色に近い色の個体もいます。
また、水色の線は死ぬと黄色に変わるため、生体と標本では大きく異なる印象を受けるでしょう。
ニッコウヒラタアブ
| 和名 | ニッコウヒラタアブ |
| 学名 | Asiodidea nikkoensis |
| 体長 | 11~12mm |
| 体・模様の特徴 | 全体的にオレンジ~褐色 目は黒 胸は中央が黒、サイドはオレンジ~黄色 腹は複数の横線と中央に1本の黒線 脚はオレンジ 翅はオレンジがかった透明 |
| 見られる時期 | ―(不明) |
| 分布 | 北海道、本州 |
| 生息地 | 山地、平地 |
ニッコウヒラタアブはオレンジ~褐色の縞模様が目立つ種類です。色のバランスはナガヒラタアブに似ていますが、中央に黒の縦筋が入っており、オレンジの模様がシックスパックの腹筋のように見えます。
その他の蜂みたいなヒラタアブ5種
上記で紹介した種類以外にも、ヒラタアブには蜂に似た見た目の種類が数多く存在します。その一部を画像で紹介します。
ホソヒメヒラタアブ

フデヒメヒラタアブ

フタホシヒラタアブ

ホソヒラタアブ

ミナミヒメヒラタアブ
ナミハナアブ亜科(Milesiinae)7種
ハナアブ科ナミハナアブ亜科は、小さな体長・黄色と黒の模様・ふわふわとした毛が特徴で、ミツバチとよく似ています。なお、幼虫のときは水生(※)で腐食物を食べますが、成虫になると陸に上がって花粉や花の蜜を食べるようになります。
| ※水性:水中で生活すること |
ナミハナアブ

| 和名 | ナミハナアブ |
| 学名 | Eristalis tenax |
| 体長 | 14~16mm |
| 体・模様の特徴 | 目は黒 ボディは黒がベース 黄色~オレンジの模様 胸と顔が黄色の毛で覆われている 脚には白い毛が生えている 翅は黒~茶色がかった透明 |
| 見られる時期 | 4~10月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州、沖縄、南西諸島 |
| 生息地 | 山地、平地 |
亜科の名称にもなっているナミハナアブは、サイズ・色合い・ふわふわした毛の印象など、さまざまな点でミツバチに似ています。見分けるポイントは、やや扁平な腹と大きな目です。
アシブトハナアブ

| 和名 | アシブトハナアブ |
| 学名 | Helophilus virgatus |
| 体長 | 12~16mm |
| 体・模様の特徴 | 目は黒~暗い褐色 胸は黒がベースで黄色の縦線 腹は黒と黄色の縞模様 腹の上部は黄色の割合が高い 人間でいえば太ももにあたる部分が太い 翅は黒がかった透明 |
| 見られる時期 | 3~11月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州、対馬、五島列島、屋久島、択捉島、国後島、色丹島、トカラ列島(中之島) |
| 生息地 | 山地、平地 |
アシブトハナバチのサイズはミツバチと同程度ですが、ミツバチにはない胸の縦線が目立つ種類です。また、よく見ると後ろ足の太ももにあたる部分が太いため、接近すれば見分けられるでしょう。
オオハナアブ

| 和名 | オオハナアブ |
| 学名 | Phytomia zonata |
| 体長 | 14~16mm |
| 体・模様の特徴 | 目は黒 胸~腰は黒 腰が太い 腹には黄色の縞模様 脚は黒 翅は黒~茶色がかった透明 |
| 見られる時期 | 4~12月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州、対馬、南西諸島 |
| 生息地 | 山地、平地 |
オオハナアブのずんぐりと丸いフォルムは、ミツバチ科のコシブトハナバチやクマバチに似ています。なお、名前は「オオ」ハナアブですが、腰の太さで大きく見えるだけで、体長は他のナミハナアブ亜科の種類と比べて大きいわけではありません。
キゴシハナアブ

| 和名 | キゴシハナアブ |
| 学名 | Eristalinus quinquestriatus |
| 体長 | 9~13mm |
| 体・模様の特徴 | 独特な模様の目 胸・腰・腹部の光沢が強い 胸には縦縞 腰は茶色~暗褐色 腹部の模様はオスとメスで大きく異なる オスの腹部の色はオレンジが多い メスの腹部の色は黒が多い |
| 見られる時期 | 4~10月 |
| 分布 | 本州、南西諸島 |
| 生息地 | 湿地 |
キゴシハナアブは複眼と胸の縦縞が特徴的です。複眼は黄色~黄土色をベースに、暗赤色で点描にしたような見た目をしています。胸の模様は黒とオレンジ~白の縦縞で、腹部の丸みがある模様とは対照的です。
独特な見た目で判別しやすいものの、珍しい種類で遭遇率は高くないようです。なお、腹部の色はオスがオレンジの割合が高く、メスは黄色の線がはっきりしており、黒の割合が高いという特徴があります。
シマハナアブ

| 和名 | シマハナアブ |
| 学名 | Eristalis cerealis |
| 体長 | 10~13mm |
| 体・模様の特徴 | 黒のボディ 黄色~オレンジの斑紋としましま 前脚から胸にかけて毛深い |
| 見られる時期 | 4~11月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州、沖縄 |
| 生息地 | 山地、平地(都市部にも生息) |
シマハナアブもミツバチに似たナミハナアブです。黒のボディに黄色~オレンジの斑紋が入っています。斑紋の形は楕円と三角の中間のような形状です。また、前脚から胸にかけて、ふわふわの毛が密集しています。
キョウコシマハナアブ
| 和名 | キョウコシマハナアブ |
| 学名 | Eristalis kyokoae |
| 体長 | 9.7~11mm |
| 体・模様の特徴 | 目は黒 胸は黒く毛が生えている 腹はオレンジの丸みがある模様と細い線 |
| 見られる時期 | 4~11月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
| 生息地 | 山地、平地 |
キョウコシマハナアブはシマハナアブとよく似ていますが、前脚はそれほど毛深くありません。また、シマハナアブの斑紋の2段目が控えめであるのに対して、キョウコシマハナアブは2段目も比較的はっきりと見えます。
ハチモドキハナアブ
| 和名 | ハチモドキハナアブ |
| 学名 | Monoceromyia pleuralis |
| 体長 | 15~17mm |
| 体・模様の特徴 | オオフタオビドロバチに擬態 全体的に黒い 腰にくびれがある 胸と腹が膨らんで見える 他のナミハナアブと比べて触覚が長い 腹部に黄色の帯が2本ある |
| 見られる時期 | 6~9月 |
| 分布 | 本州、 四国、 九州 |
| 生息地 | 広葉樹林がある場所 |
ハチモドキハナアブはオオフタオビドロバチに酷似したナミハナアブです。ハエ目らしからぬ腰のくびれを持ち、顔・胸・腹まで極めて近い形状と模様をしています。
触覚の長さはドロバチほどではありませんが、他のハナアブと比べれば長く、ハチモドキという名称も納得の姿です。また、広葉樹の樹液をなめる点でも蜂に似ています。
その他のハナアブ3種
上記の亜科に属するハナアブ以外にも蜂に似た種類はいます。代表的なものを2種紹介します。
アリスアブ

| 和名 | アリスアブ |
| 学名 | Microdon japonicus |
| 体長 | 11~14mm |
| 体・模様の特徴 | 黒のような暗銅色のボディ 白~黄色の縞模様 ふわふわの短毛が目立つ |
| 見られる時期 | 4~6月 |
| 分布 | 本州、四国、九州 |
| 生息地 | トビイロケアリがいる場所(平野~山地、雑木林、公園など) |
アリスアブはアリスアブ亜科のハナアブです。幼虫がトビイロケアリの巣で育つため「蟻巣(ありす)」という名前が付けられています。
見た目やサイズが似ている蜂はミツバチやハキリバチです。体全体が丸みのあるシルエットで胸と腹のふわふわの短毛が目立ちます。
ニトベベッコウハナアブ

| 和名 | ニトベベッコウハナアブ |
| 学名 | Volucella linearis |
| 体長 | 17~21mm |
| 体・模様の特徴 | 胸・頭・複眼がオレンジがかった茶色 腹部は黒一色 膨らみのあるボディ |
| 見られる時期 | 5~9月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
| 生息地 | スズメバチの巣がある場所 |
ニトベベッコウハナアブは複眼も含めて胸部から上がオレンジがかった茶色であるため、全身を見れば蜂とは異なる見た目をしています。しかし、比較的大きな体や複眼以外の配色、腹の膨らみなどはチャイロスズメバチに似ています。
また、幼虫のときはスズメバチの巣で育つようなので、羽化して出てきたものを見たときにスズメバチと見間違えることもあるでしょう。スズメバチの巣に寄生する点でもチャイロスズメバチと似ています。
ヒゲナガハナアブ
| 和名 | ヒゲナガアブ |
| 学名 | Chrysotoxum shirakii |
| 体長 | 10~15mm |
| 体・模様の特徴 | 目は黒 触覚が長い 黒のボディに黄色の線 胸には2筋の黄色い縦線 腰には楕円を描くような黄色い線 腹は左右2つに分かれた黄色い線 脚は黄色~オレンジ 翅は黄色~オレンジがかった透明 |
| 見られる時期 | 4~6月 |
| 分布 | 山口県など |
| 生息地 | 丘陵、山地 |
ヒゲナガハナアブは触覚の長さから「ヒゲナガ」という和名がついたハナアブですが、蜂ほどには長くありません。模様はキイロスズメバチやヒメスズメバチなどのスズメバチ属に似ており、黒の身体に黄色~オレンジの縞模様が目立ちます。
なお、ヒゲナガハナアブの仲間には、線が青いミツオビヒゲナガハナアブや体長が大きめ(16~18mm)のオオヒゲナガハナアブなどがいます。
蜂みたいな虫④:ツリアブ科3種
ハエ目ツリアブ科は、英語では「bee-fly(蜂みたいなハエ)」と呼ばれており、毛や模様が蜂に似ています。蜂や甲虫に寄生する虫です。
ビロウドツリアブ

| 和名 | ビロウドツリアブ |
| 学名 | Bombylius major |
| 体長 | 7~11mm |
| 体・模様の特徴 | 全身が茶色のもふもふの毛で覆われている 脚が極めて細い 口がストローのように長く細い |
| 見られる時期 | 3~5月 |
| 分布 | 北海道、 本州、 四国、 九州 |
| 生息地 | ヒメハナバチがいる場所 |
ビロウドツリアブは鳥のキウイのような、珍しいフォルムの虫です。全身が毛で覆われており、もふもふの塊から細い脚や口が飛び出しています。もふもふ具合はマルハナバチ(Bombus)に似ており、学名の由来にもなっています。
寄生先は土の中に巣を作るヒメハナバチです。ヒメハナバチの巣穴の上空に飛来し、ホバリングしたまま卵を産み落とすといわれています。
クロバネツリアブ

| 和名 | クロバネツリアブ |
| 学名 | Ligyra tantalus |
| 体長 | 13~19mm |
| 体・模様の特徴 | 黒いボディと翅 胸の上部にオレンジの毛 腹部の白い帯が目立つ |
| 見られる時期 | 7~9月 |
| 分布 | 本州、 四国、 九州、 南西諸島 |
| 生息地 | ツチバチがいる場所、川岸や海浜など限定的 |
クロバネツリアブはツリアブの中では最大級で、真っ黒な全身に白い帯、オレンジの毛が目立ちます。体の丸みや毛、配色などからクマバチやマルハナバチに見間違えることもあるでしょう。
寄生先はツチバチと考えられていますが、詳細は不明です。腹の先から砂を取り入れて卵にまぶし、地面に隠すように産み付けます。その後、孵化した幼虫が寄生先に向かうようです。
スキバツリアブ
| 和名 | スキバツリアブ |
| 学名 | Villa limbata |
| 体長 | 10~16mm |
| 体・模様の特徴 | 全身が毛深い 目は赤 腹が長い 黒のボディに黄色~白の縞模様 翅は黒がかった透明 |
| 見られる時期 | 5~10月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州、沖縄 |
| 生息地 | 地中に巣を作るマルハナバチなどがいる場所 |
スキバツリアブは黒のボディに黄色の毛と縞模様が特徴的なツリアブです。分布が広く、遭遇率は低くありません。体の太さと丸さからはコシブトハナバチやマルハナバチのような印象を受けますが、模様はミツバチに似ています。
マルハナバチなどが作る地中の巣に寄生すると考えられています。寄生方法はクロバネツリアブと同じです。
蜂みたいな虫⑤:ツリアブモドキ科1種
ツリアブモドキは先述のクロバネツリアブにそっくりで、違いは寄生先です。ツリアブが蜂や甲虫に寄生するのに対し、ツリアブモドキはバッタ目(直翅目)に寄生します。バッタ目の体内で十分に育つと外に出て、蛹(さなぎ)になり、成虫へと変態する虫です。
ハマダラツリアブモドキ
| 和名 | ハマダラツリアブモドキ |
| 学名 | Atriadops javana |
| 体長 | ―(不明) |
| 体・模様の特徴 | 白いふわふわの毛 全体的に太く丸い 翅は茶色に白の斑紋で肉厚感がある 目は褐色 |
| 見られる時期 | ―(不明) |
| 分布 | 西表島など |
| 生息地 | バッタ目がいる場所 |
ハマダラツリアブモドキ西表島で観測されていますが、珍しい種類で遭遇率は高くないようです。全身が白いふわふわの毛で覆われており、コシブトハナバチやクマバチ、マルハナバチのような印象を受けます。
蜂みたいな虫⑥:ムシヒキアブ科4種
ハエ目ムシヒキアブ科はユニークな種類です。同じ科に属する虫でも、見た目がまったく異なるものが多数います。ここでは、蜂に似ている4種類を紹介します。
アシナガムシヒキ

| 和名 | アシナガムシヒキ |
| 学名 | Molobratia japonica |
| 体長 | 21~27mm |
| 体・模様の特徴 | 黒と黄色~オレンジの模様 脚が長い 体全体が細い |
| 見られる時期 | 5~6月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州、沖縄 |
| 生息地 | 平地~低山の草地や林縁 |
黒と黄色~オレンジの模様と長い脚がアシナガバチに似ています。他の虫を食べる肉食であり、小型の蜂が好みです。前脚をあげるクセがあるため、挙手やバンザイのようなポーズがよく見られます。
オオイシアブ

| 和名 | オオイシアブ |
| 学名 | Laphria mitsukurii |
| 体長 | 15~26mm |
| 体・模様の特徴 | 全身が黒でお尻だけオレンジ 長い毛に覆われている 丸みのあるボディ |
| 見られる時期 | 5~9月 |
| 分布 | 本州、四国、九州 |
| 生息地 | 平地~低山の森林 |
オオイシアブはコマルハナバチやクロマルハナバチによく似た見た目のムシヒキです。真っ黒なボディでお尻だけオレンジという配色、丸みのあるボディ、もふもふの毛が酷似しています。サイズはマルハナバチよりもやや大きめです。
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カワムラヒゲボソムシヒキアブ

| 和名 | カワムラヒゲボソムシヒキアブ |
| 学名 | Ceraturygus kawamurae |
| 体長 | 15~22mm |
| 体・模様の特徴 | 黒と白みがかった黄色の縞模様 くびれのあるフォルム 短毛が生えている |
| 見られる時期 | 4~7月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
| 生息地 | 平地~山地 |
カワムラヒゲボソムシヒキアブは極めて蜂に似ているムシヒキです。体の作りや縞模様、配色などはクロスズメバチにそっくりです。
複眼も顔の面積に対してそれほど大きくなく、触覚も長めでハエ目らしさが少ないので、じっくり観察しなければ見分けるのは困難でしょう。
シオヤアブ

| 和名 | シオヤアブ |
| 学名 | Promachus yesonicus |
| 体長 | 23~30mm |
| 体・模様の特徴 | 腹部に黒と黄~白の縞模様 頭部と胸に黄褐色の毛 脚は黒と褐色 |
| 見られる時期 | 6~9月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州、沖縄、対馬 |
| 生息地 | 草地や林の日当たりが良い場所 |
シオヤアブは昆虫界の殺し屋といわれる存在です。スズメバチの天敵のひとつでもあり、時速145kmともいわれる超高速で飛行して獲物をとらえます。
黒と黄~白の縞模様が目立ち、体が大きいためスズメバチに見間違えることがあるでしょう。毛のもふもふ加減はミツバチにも似ています。
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蜂みたいな虫⑦:シギアブ科・ナガレシギアブ科2種
ハエ目シギアブ科、ナガレシギアブ科の中にも、模様が蜂に似ている種類がいます。ただし、サイズやフォルムは独特なので、特定の蜂に似ているというよりは「蜂っぽい」という程度です。代表例を2種類紹介します。
キアシキンシギアブ

| 和名 | キアシキンシギアブ |
| 学名 | Chrysopilus ditissimis |
| 体長 | 10~12mm |
| 体・模様の特徴 | 全身が補足毛深い 黒のボディと黄金に輝くような黄色い毛 脚が長く黄色い 翅は黒がかった透明 |
| 見られる時期 | 5~6月 |
| 分布 | 本州、四国、九州 |
| 生息地 | 河川近く |
キアシキンシギアブは黄金に輝くような毛が特徴的なシギアブです。成虫は河川近くの草原で見られますが、幼虫の生態はよくわかっていません。
日本に生息する個体数自体は少なくないものの、生息地は限定的です。京都レッドデータブックでは要注目種に指定し、河川近くの保全対策が必要である旨を記しています。
ハマダラナガレシギアブ
| 和名 | ハマダラナガレシギアブ |
| 学名 | Atherix ibis |
| 体長 | 7~11mm |
| 体・模様の特徴 | 胸部は黒がベースでうっすらと白い縦縞 腹部は白・黄色・オレンジのグラデーション(オス) 腹部に黒い斑紋が入っている 目は緑(光の加減で変化) |
| 見られる時期 | ―(不明) |
| 分布 | 本州、九州 |
| 生息地 | 河川付近 |
ハマダラナガレシギアブ胸部が黒く、うっすらと白い縦縞が入ったナガレシギアブです。腹部は白みがかった黄色とオレンジのグラデーションで、胸部と腹部のコントラストはチュウレンジハバチに近いものがあります。
しかし、腹部に黒の斑紋が入っていることや、目のつくりなどの違いがあるため、見分けることは難しくありません。なお、メスは腹部まで真っ黒です。
蜂みたいな虫⑧:ガ(蛾)8種
チョウ目のガの中にも蜂のような模様を持つものがいます。代表的な8種類を、カノコガ・ホウジャク・スカシバガに分けて紹介します。
ヒトリガ科カノコガ亜科カノコガ

| 和名 | カノコガ |
| 学名 | Amata fortunei |
| 体長 | 30~37mm |
| 体・模様の特徴 | 黒のボディに黄色の帯が2本 翅は黒をベースに半透明のまだら模様 ボディは細め |
| 見られる時期 | 6~9月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
| 生息地 | 雑草が生えている場所(シロツメクサやタンポポなど) |
カノコガは黒いボディに黄色の帯が2本入っており、フタオビドロバチに似ています。しかし、翅は独特なまだら模様なので、見分けることは難しくありません。成虫は花蜜を食べ、幼虫は雑草を食べるため、野原などでみられます。
スズメガ科ホウジャク亜科クロスキバホウジャク

| 和名 | クロスキバホウジャク |
| 学名 | Hemaris affinis |
| 体長 | 45mm |
| 体・模様の特徴 | 茶色と薄黄色がメイン お尻や腹の中間は黒 胸と腹の裏側は白と黒 もふもふの毛に覆われている 蝶のように丸まったストローのような口 目が小さい 透明な翅に黒の鱗粉 |
| 見られる時期 | 5~9月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州、南西諸島 |
| 生息地 | スイカズラ科やアカネ科の植物のそば |
クロスキバホウジャクの色合いやもふもふの毛はマルハナバチに似ています。しかし、そのサイズは蜂よりも鳥に見えるほどの大きさです。顔のつくりや瞳孔があるように見える目も含め、あまり虫らしくありません。
蜂とも鳥ともつかぬ、もふもふの生物があらわれたときは、ホウジャクの可能性があります。なお、成虫のエサは花の蜜で、幼虫のエサはスイカズラ科やアカネ科の花です。農作物にほとんど影響はないので、無害な虫といえます。
スカシバガ科
チョウ目スカシバガ科は蜂と間違えられやすい虫です。胴体が太く翅が透明であるものが多く、模様も蜂によく似ています。ここでは、代表的な6種類を紹介します。
ヒメセスジスカシバ

※画像は海外種
| 和名 | ヒメセスジスカシバ |
| 学名 | Pennisetia hylaeiformis |
| 体長 | ― 翼幅は22~32mm |
| 体・模様の特徴 | 全体的に黒いボディ 胸の下から腹にかけて細い黄色の線が入っている 翅は褐色で一部が透明 全身が毛で覆われている |
| 見られる時期 | 8月頃 |
| 分布 | 北海道、本州 |
| 生息地 | 本州では山岳地帯 |
ヒメセスジスカシバは黒いボディに黄色の縞模様を持つスカシバガです。蜂と比べると胴が長く全身に毛が生えていますが、ドロバチに似ています。
幼虫はラズベリーやエゾイチゴなどのキイチゴ類(バラ科)を好むようです。放っておくと木がダメージを受けて枯れる場合があります。
ヒメアトスカシバ

| 和名 | ヒメアトスカシバ |
| 学名 | Nokona pernix |
| 体長 | 21~29mm |
| 体・模様の特徴 | 黒をベースとした毛深いボディ 2つの太い黄色線が目立つ 翅は褐色で一部が透明 |
| 見られる時期 | 6~9月 |
| 分布 | 本州、四国、九州 |
| 生息地 | ヘクソカズラが生えている場所 |
ヒメアトスカシバも黒のボディに黄色の縞模様を持つスカシバガです。腹にある2本の黄色い帯が目立ち、オオフタオビドロバチに似ています。ヘクソカズラ(アカネ科の蔓性多年草)の茎に産卵する習性があるため、分布は広いものの生息地は局所的です。
なお、対馬では2007年7月に、黄色の模様がなく翅まで黒い「黒化型」がみつかっています。発見場所は他のヒメアトスカシバと同様にヘクソカズラが生えている場所でした。
コシアカスカシバ

| 和名 | コシアカスカシバ |
| 学名 | Sesia scribai |
| 体長 | 26.5~43mm |
| 体・模様の特徴 | 黄色の毛が目立つボディ 胸に黒の縦線 腰部分は茶色~赤褐色の線 腹に黒の縞模様 脚は黄色~オレンジ 翅は褐色 |
| 見られる時期 | 8~9月 |
| 分布 | 本州、九州 |
| 生息地 | ブナ科の木があるところ |
コシアカスガシバは黄色のボディに黒の縞模様を持つ、キイロスズメバチやオオスズメバチに似た、大きなスカシバガです。全体的には黄色と黒の縞模様ですが、腰のあたりに茶色~赤褐色のラインが入っています。
カシコスカシバ
| 和名 | カシコスカシバ |
| 学名 | Synanthedon quercus |
| 体長 | 23~34mm |
| 体・模様の特徴 | 黒~こげ茶をベースとした毛深いボディ 黄色の縞模様が目立つ(やや波型) 翅はこげ茶で一部が透明 |
| 見られる時期 | 6~10月 |
| 分布 | 本州、九州、対馬、屋久島 |
| 生息地 | ブナ科コナラ属の木があるところ |
カシコスカシバは黒またはこげ茶と黄色の縞模様を持つ、ホソアシナガバチに似たスカシバガです。カシワやブナ科の植物を好みます。宮崎県では準絶滅危惧種です。
ブドウスカシバ
| 和名 | ブドウスカシバ |
| 学名 | Nokona regalis |
| 体長 | 20~50mm |
| 体・模様の特徴 | 紫黒色のボディ 腹部中間に太い黄色の線 尻近くに1本の黄色い線 翅は褐色 |
| 見られる時期 | 5~6月(温室のぶどう園では冬もみられる) |
| 分布 | 全国 |
| 生息地 | ブドウ科の木があるところ |
ブドウスカシバは黒のボディに黄色~オレンジの縞模様を持つ、アシナガバチに似たスカシバガです。名前のとおりブドウの木(枝)を好んで食害をもたらすため、ブドウ農家では害虫として扱われています。
クビアカスカシバ
| 和名 | クビアカスカシバ |
| 学名 | Glossosphecia romanovi |
| 体長 | 35~43mm |
| 体・模様の特徴 | 黒のボディ 顔~首はオレンジ 首元(胸の部分)がやや赤色 胸は黒 腰に赤い線 腹部は黒とオレンジの縞模様 |
| 見られる時期 | 6~8月 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
| 生息地 | ブドウ科の木があるところ |
クビアカスカシバは黒のボディにオレンジの線、首元と腰部分に赤い線が入っているのが特徴のスカシバガです。胸元の毛は黄色で体長が3cmほどと大きく、オオスズメバチに似ています。ブドウスカシバと同様にブドウ科の木に食害をもたらす害虫です。
蜂みたいな虫⑨:ハエ4種
ハエ目の中には他にも蜂にそっくりな種類がいます。中でもよく似ているオオハチモドキバエを含む4種類を紹介します。
デガシラバエ科オオハチモドキバエ

| 和名 | オオハチモドキバエ |
| 学名 | Adapsila luteola |
| 体長 | 16~18mm |
| 体・模様の特徴 | 目の付き方が蜂と酷似している ボディラインが蜂と酷似している 黄色のボディに暗褐色の縞模様 脚はやや長い 翅は黄色がかった透明 |
| 見られる時期 | 7月 |
| 分布 | 本州、九州、伊豆諸島 |
| 生息地 | ―(不明) |
オオハチモドキバエは名前のとおり蜂そっくりのハエです。黄色のボディに暗褐色の縞模様をもち、スズメバチやアシナガバチのようなくびれがあるほか、顔の作りも蜂そっくりです。
ハチに擬態することで身を守っていると考えられています。毛が生えていないことと、腰のあたりに突起(※)があるという点で違いはありますが、接近しなければ見分けは困難です。希少種であるため、遭遇率は高くありません。
| ※バランスをとるために存在している器官(平均棍)。後翅が退化したもの。 |
ハモグリバエ科(Agromyzidae)

トマトハモグリバエ、マメハモグリバエ、ネギハモグリバエなどが黄色と黒の配色で蜂に似ています。
「葉もぐり」という名が付けられたのは、幼虫のときに葉の中にもぐって食害するからです。また、緑の葉に白い線を描くことから「エカキムシ」とも呼ばれています。
なお、配色こそ蜂に似ていますが体長は2mmほどしかないため、見間違えることはないでしょう。
メバエ科(Conopidae)

メバエ科には、黄色と黒の縞模様など、蜂とよく似た模様の種類が多く属しています。とくに似ているのはジョウザンメバエです。
蜂の体内に卵を産みつけるため、擬態によってカモフラージュしていると考えられています。
※左の写真はメバエ科のSicus ferrugineus(海外種)
ケバエ科(Bibionidae)

蜂みたいな虫⑩:その他2種
上記で紹介した分類の虫以外にも蜂に似た模様を持つものがいます。ここでは、2種(科)を紹介します。
ガガンボ科(Tipulidae)


ガガンボは糸角亜目でカ(蚊)の仲間ですが、蚊のように人を刺したり血を吸ったりすることはありません。
長い脚と細い体が特徴で、お尻がとがっています。黄色やオレンジと黒の模様を持つものが多く、とくにベッコウガガンボやクシヒゲガガンボは色合いが蜂に似ています。
ヒメカマキリモドキ

※画像はヒメカマキリモドキに似ている海外種のMantispa styriaca
ヒメカマキリモドキはカゲロウの一種です。黄色のボディに褐色の縞模様をもっているため、遠目から見ると蜂に見えることがあるかもしれません。しかし、名前のとおり体のつくりはカマキリにそっくりです。
似ている蜂の種類・虫の特徴別の一覧
上記までにご紹介した虫を、似ている蜂の種類ごとの画像一覧で紹介します。各虫の名前から、本記事の該当箇所にジャンプできます。
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蜂かどうかわからないときは近づかない

上記の一覧を確認したうえで、蜂なのか否かが判別できないときは近づかないようにしましょう。蜂だった場合、接近するだけで刺される危険があります。とくに、スズメバチやアシナガバチに似ているときは注意が必要です。
なお、上記までに紹介した虫の成虫はいずれも、群れで行動するタイプではありません。群れに遭遇した場合は蜂と考えましょう。自宅の敷地内で複数匹と遭遇した場合は、蜂の巣がある可能性を鑑みて調査することをおすすめします。
また、蜂かどうかわからない場合でも不安なときは、ぜひハチお助け本舗へご相談ください。
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一般的な蜂のイメージとは異なる蜂もいる
蜂みたいな虫を紹介してきましたが、逆に蜂のようには見えない蜂もいます。代表的な4種類を紹介します。

セイボウ

アナバチ

寄生蜂
蜂の種類をさらに詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
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蜂みたいな虫は数多く存在する
蜂のような模様やフォルムをもつ虫は、まだまだたくさんいます。ただ単に模様や配色が似ているだけの場合もあれば、強い蜂に擬態することで自らを守っている場合、あるいは寄生や捕食のために姿を似せている場合などさまざまです。
なお、上記でご紹介した虫については、アカウシアブ以外は人間に対して害はほとんどないため、放っておいても問題ありません。ただし、見分けがつかないときは近づかないようにしましょう。蜂だった場合が危険です。
また、群れに遭遇したときは蜂の可能性が高く、巣が近くにあると考えられるため、静かにその場を離れましょう。自宅の敷地内の場合は、巣の調査からプロに依頼することをおすすめします。その際は、ぜひハチお助け本舗へご相談ください。
参考
長崎大学学術研究成果リポジトリ「日本産ハナアブ科目録」(PDF)
厚沢部町 土橋自然観察教育林・レクの森バンガロー「ハエ・アブの仲間」
松之山ドットコム「松之山のハナアブ図鑑 ver.2」(PDF)
県立山口博物館「バーチャル収蔵庫」
岐阜聖徳学園大学「昆虫図鑑」
昆虫エクスプローラ
虫ナビ
京都府「京都府レッドデータブック2015」
ムシミル 村松佳優の昆虫写真図鑑
対馬の昆虫館
島根県「病害虫データベース」

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