ドロバチは名前のとおり、泥を使って巣作り(営巣)をする蜂が多く分類されている種類です。泥汚れのように見えるため、自宅に営巣されると駆除したくなることがあるでしょう。
しかし、ドロバチはおだやかな性格で人を襲うことはめったになく、農業や園芸にとっては益虫とみなされています。また、種類によっては絶滅危惧種に指定されているため、必ずしも駆除すれば良いとは限りません。
本記事では、ドロバチの見た目の特徴と習性、日本に生息する50~60種類の中から、代表的なドロバチを19種類紹介します。遭遇したドロバチの種類の特定や駆除の検討にお役立てください。
このような方におすすめ
- 遭遇したドロバチの種類を特定したい方
- ドロバチが無害なのか有害なのか知りたい方
- ドロバチを駆除すべきか検討したい方
- ドロバチを自分でも駆除できるか判断したい方
※1 対応地域・対応する加盟店により異なります ※2 対応地域・加盟店・現場状況により、お事前にお客様の同意を得たうえで、調査・見積り費用をいただく場合がございます ※3 作業後1週間以内に同じ場所に再発した場合に限ります
目次
ドロバチとは

ドロバチはスズメバチ上科スズメバチ科ドロバチ亜科(Eumeninae)に分類される蜂の総称です。危険な蜂として知られるスズメバチやアシナガバチと、途中までは分類が共通しています。スズメバチ科に共通するポイントは、主に次の4つです。
スズメバチ科に共通する特徴
- 翅を縦に畳む
- 複眼がC字型
- 前胸背板がU字型
- 狩りをおこなう
なお、スズメバチやアシナガバチは群れを形成して子育てをする真社会性ですが、ドロバチは群れを形成せず子育てもしない単独性です。実は、スズメバチやアシナガバチはドロバチのような単独性の祖先から進化したといわれています。
参考
Carpenter, J. M. (1982) 「The phylogenetic relationships and natural classification of the Vespidae」
Heather M Hinesほか「Multigene phylogeny reveals eusociality evolved twice in vespid wasps」
ドロバチの特徴

ドロバチには次のような特徴があります。
ドロバチの特徴
- 腰が細い
- 腹の第二節が膨らんでいる
- 黒い体と黄色~オレンジの模様
- 泥で巣をつくる種類が多い
- おとなしい性格
- 毒性が弱い
- 集団攻撃される心配がない
- 社会性をもたない種類が多い
見た目の特徴
ドロバチの見た目の特徴は主に次のとおりです。
ドロバチの見た目の特徴
- 腰が細い
- 腹部第二節が膨らんでいる
- 黒い体に黄色~オレンジの模様が多い
ドロバチは細い腰と膨らんだ腹部の強弱がはっきりとしている蜂です。腰が細いため、胸も大きく見えます。色は黒がベースで、黄色やオレンジの模様が入ったものが多くみられます。
泥で巣を作る種類が多い
名前のとおり、泥で巣を作る種類が多く分類されています。気に入った土と水、唾液を混ぜ合わせてパテのような泥を作り、脚でせっせと運んで巣を形成します。
泥の粘度を利用して営巣するため、接着面の角度を選びません。また、最大でも5cm程度の小さな巣なので、雨が直接かからないような場所であればどこでも営巣可能です。
巣の形はさまざまで、泥汚れのようにしか見えない巣もあれば、綺麗なとっくり型の巣もあります。
おとなしい性格で毒も微弱
ドロバチも他のスズメバチ科と同様に毒針を持っていますが、幼虫のエサとなる芋虫を麻痺させる程度の微弱な毒です。子供を守るための警戒行動をとる種類でもないため、人を積極的に襲うことはありません。おとなしい性格です。
狭い空間に閉じ込められるとパニックになって人を刺す
ドロバチが攻撃的になるのは、狭い空間に閉じ込められたときです。実際に、車内に入り込んだドロバチを払いのけようとした人が刺された事例があります。逃げ場のない閉鎖空間では、攻撃性が増すようです。
参考
医書ジェーピー株式会社「皮膚科の臨床 65巻11号 (2023年10月発行) ムモントックリバチ刺症の1例」
群れを作らない
ドロバチは単独性の蜂で、群れを形成しません。巣を作ると幼虫のエサとなる芋虫などを中に入れて産卵し、巣の出入口に泥で蓋をして飛び去ります。エサを入れる以外には子育てをする習性がないので、戻ってくることはありません。
孵化した幼虫は親蜂が用意した芋虫を食べながら育ち、羽化すると蓋を破って外に出ます。この新たなドロバチも、一度巣を出れば戻ってくることはありません。
ドロバチは駆除すべき?

ドロバチを駆除すべきか否かは事情によって異なります。2つに分けて解説します。
益虫の側面が強いので必ずしも駆除すべきとはいえない
ドロバチは幼虫のエサとして蝶や蛾の幼虫(芋虫)やシャクトリムシを狩ります。これらの無視は農業や園芸にとっては葉の食害をもたらす害虫なので、害虫を狩ってくれるドロバチは益虫です。
なお、ドロバチは春から秋にかけて複数の巣を作るため、複数匹の害虫を狩ってくれます。農業や園芸をする方は、ドロバチを生かすことを検討してみましょう。
ハチ毒アレルギーを持つ人がいるご家庭では駆除を検討
ドロバチが益虫といえど、ご自身やご家族にハチ毒アレルギーがある場合は駆除すべきです。
ハチ毒アレルギーは、ハチ毒に共通する成分への反応なので、毒の強弱は関係ありません。ドロバチの微弱な毒であっても、アナフィラキシーショックを引き起こす恐れがあります。命に関わるため、万が一にも刺されないように早急な駆除をおすすめします。
なお、ほとんどのドロバチの巣は泥の塊なので、ブラシや高圧洗浄機で簡単に駆除できますが、ご自身がハチ毒アレルギーの場合はプロに依頼してください。周囲に成虫がいれば刺されるリスクがあるからです。
また、室外機や給湯器、シャッターボックスの中などにあるドロバチの巣も、プロに依頼することをおすすめします。機器に影響しない薬剤や駆除方法の選定、撤去のための特殊な器具が必要になる可能性が高いからです。
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日本の代表的なドロバチ19種類
以下は日本に生息する代表的なドロバチ19種類の一覧です。それぞれを詳しく解説します。
| 属 | 蜂の種類 | 体長 | 分布 |
| スズバチ属 | スズバチ | 18~30mm | 北海道、本州、四国、九州、奥尻島、佐渡島、対馬、五島列島、大隅諸島、石垣島 |
| フタスジドロバチ属 | フタスジスズバチ (ヤマトフタスジスズバチ) |
12~17mm | 北海道、本州、四国、九州、佐渡島、伊豆諸島 大隅諸島、奄美大島 |
| トックリバチ属 | ミカドトックリバチ | 10~15mm | 北海道、本州、四国、九州 |
| キボシトックリバチ | 13~17mm | 北海道、本州、四国、九州 | |
| キアシトックリバチ | 10~14mm | 本州 | |
| ムモントックリバチ | 10~21mm | 日本全土 | |
| タイリクトックリバチ | ― | 対馬 | |
| エゾムモントックリバチ | ― | 北海道 | |
| フタオビドロバチ属 | オオフタオビドロバチ | 10~21mm | 北海道、本州、四国、九州、伊豆諸島、小笠原諸島、佐渡島、対馬、南西諸島 |
| ハグロフタオビドロバチ | 16mm前後 | 関東、北陸、中国 四国、九州、対馬 |
|
| カバフドロバチ属 | ナミカバフドロバチ (カバフスジドロバチ) |
12~15mm | 本州、四国、九州、対馬、種子島 |
| エントツドロバチ属 | エントツドロバチ (オオカバフスジドロバチ) |
15~20mm | 本州、四国、九州 |
| オオドロバチ属 | フカイオオドロバチ | 14~21mm | 本州、四国、九州、対馬 硫黄島、佐渡島、淡路島、南西諸島 |
| スジドロバチ属 | ケブカスジドロバチ | 12~15mm | 石川県、長野県 北海道、徳島県など |
| カバオビドロバチ属 | カバオビドロバチ | 8.5~15mm | 本州、九州、淡路島 |
| ミカドドロバチ | 7~13mm | 北海道、本州、四国、九州、対馬、伊豆諸島、種子島、屋久島、口永良部字真、馬毛島 | |
| チビドロバチ属 | カタグロチビドロバチ | 7~10mm | 北海道、本州、四国、九州、対馬、伊豆諸島 佐渡島、大隈諸島 |
| キオビチビドロバチ | 7~10mm | 北海道、本州、四国、九州、対馬、伊豆諸島 佐渡島、大隈諸島 |
|
| ハムシドロバチ属 | サイジョウハムシドロバチ (ヤマトハムシドロバチ) |
6~9mm | 北海道、本州、四国、九州、伊豆諸島、佐渡島、対馬 |
スズバチ属1種類
日本に生息するスズバチ属は1種類です。
スズバチ

| 和名 | スズバチ |
| 学名 | Oreumenes decoratus |
| 分類 | スズバチ属 |
| 体長 | 18~30mm |
| 見た目の特徴 | 腹部にオレンジの縞 顔と胸は黄色~オレンジの斑紋 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州 奥尻島、佐渡島、対馬、五島列島、大隅諸島、石垣島 |
| 巣の場所 | 民家の壁、階段の角、屋根裏、墓石 |
| 幼虫のエサ | 蝶や蛾の幼虫、シャクトリムシなど ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花の蜜 |
スズバチ(Oreumenes decoratus)は国内に住む唯一のスズバチ属で、鈴のような形の巣を作るドロバチです。色や模様、体長がキイロスズメバチやオオスズメバチに似ているため、危険な蜂と間違われることがあります。
単独行動で危険性も低いので、放っておいても問題ありません。
ただし、屋根裏に巣が作られた場合は、湿気によるカビや腐食を引き起こす恐れがあるため要注意です。屋根裏の巣を目視するのは難しいので、羽音やカサカサという音がしたら蜂駆除業者に相談してみましょう。
フタスジドロバチ属1種類
日本に生息するフタスジドロバチ属は1種類です。
フタスジスズバチ(ヤマトフタスジスズバチ)
| 和名 | フタスジスズバチ |
| 学名 | Discoelius zonalis |
| 分類 | フタスジドロバチ属 |
| 体長 | 12~17mm |
| 見た目の特徴 | 全体的に黒い 腹部に黄色の線 頭楯の一部が黄色 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州 佐渡島、伊豆諸島、大隅諸島、奄美大島 |
| 巣の場所 | 竹筒など |
| 幼虫のエサ | 蛾の幼虫 ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花の蜜 |
フタスジスズバチは国内に生息する唯一のフタスジスズバチ属です。黄色の線は腹部の第一節に1本、第二節に1本の合計2本しかないため、全体的に黒く見えます。
ドロバチの中では稀な、植物で営巣する種類です。葉を噛み砕いた繊維で竹筒の中などに仕切りを作り、育室とします。
なお、フタスジスズバチはDNAがドロバチとは異なるため、別のグループとすべきではないかとする説もあります。巣作りに植物の繊維を使う点でも、他のドロバチとは異なる特徴を持つ蜂です。
トックリバチ属6種類

トックリバチの巣
日本に生息するトックリバチ属は6種類です。
ミカドトックリバチ

| 和名 | ミカドトックリバチ |
| 学名 | Eumenes micado |
| 分類 | トックリバチ属 |
| 体長 | 10~15mm |
| 見た目の特徴 | 全体的に黒い 胸~腹に黄色の斑紋 腹部に黄色の線が2本 小さい |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
| 巣の場所 | 葉や枯草の裏 |
| 幼虫のエサ | シャクトリムシなど ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花の蜜 |
ミカドトックリバチは名前のとおり、とっくりのような形の巣を作る蜂です。葉の裏などに泥でこねたものを使って営巣します。巣の大きさは葉の裏に営巣できるほど小さく、大きいものでも4cmほどしかありません。
模様の入り方はスズバチ(Oreumenes decoratus)に似ていますが、斑紋はオレンジではなく黄色で、体長が小さい点で異なります。
キボシトックリバチ

| 和名 | キボシトックリバチ |
| 学名 | Eumenes fraterculus |
| 分類 | トックリバチ属 |
| 体長 | 13~17mm |
| 見た目の特徴 | 全体的に黒い 胸~腹に黄色の斑紋 腹部第2節の斑紋が大きい 脚は黄色の割合が高い 小盾板に黄色の斑紋がある |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
| 巣の場所 | 葉の裏、石の表面 |
| 幼虫のエサ | 芋虫 ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花の蜜 |
キボシトックリバチもとっくり型の巣を作るドロバチです。「キボシ」の名前のとおり、黄色の斑紋が目立ちます。
1年で2回巣を作るとされており、1回目は植物の茎、2回目は石の表面を選ぶ傾向があります。
キアシトックリバチ
| 和名 | キアシトックリバチ |
| 学名 | Eumenes rubrofemoratus |
| 分類 | トックリバチ属 |
| 体長 | 10~14mm |
| 見た目の特徴 | キボシトックリバチに似ている 脚は褐色の割合が高い 小盾板も黒い |
| 分布 | 本州 |
| 巣の場所 | 草木の枝、民家の壁 |
| 幼虫のエサ | 蛾の幼虫 ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花の蜜 |
キアシトックリバチはキボシトックリバチの類似種ですが、脚が褐色で顔の小盾板が黒いという違いがあります。名前は「キアシ(黄脚)」でも脚は褐色と覚えておきましょう。
ムモントックリバチ

| 和名 | ムモントックリバチ |
| 学名 | Eumenes rubronotatus |
| 分類 | トックリバチ属 |
| 体長 | 10~15mm |
| 見た目の特徴 | 全体的に黒い 腹部に黄色の線 胸にはわずかに黄色の斑紋 脚も黒 |
| 分布 | 日本全土 |
| 巣の場所 | 石や岩の表面 |
| 幼虫のエサ | 芋虫 ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花の蜜 |
腹部第1節と2節に1本ずつ黄色の線と胸のわずかな斑紋がありますが、「ムモン(無紋)」という名前の通り、ほとんど黒い蜂です。
石や岩のくぼみを使って効率的に巣を作るのが特徴で、他のトックリバチと比べて半球程度で巣を完成させます。
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タイリクトックリバチ
| 和名 | タイリクトックリバチ |
| 学名 | Eumenes punctatus Saussure |
| 分類 | トックリバチ属 |
| 体長 | ― ※台湾に生息する類似種、Eumenes punctatus formosensisの体長は7~14mm |
| 見た目の特徴 | 全体的に黒い 黄色の模様が入っている |
| 分布 | 対馬 |
| 巣の場所 | 草木の枝、民家の壁 |
| 幼虫のエサ | 蛾の幼虫 ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花の蜜 |
エゾムモントックリバチ(エゾトックリバチ)は国内では北海道のみに生息するトックリバチです。
参考
フタオビドロバチ属
日本に生息するフタオビドロバチ属は3種類です。代表的な2種類を紹介します。
オオフタオビドロバチ

| 和名 | オオフタオビドロバチ |
| 学名 | Anterhynchium flavomarginatum |
| 分類 | フタオビドロバチ属 |
| 体長 | 10~21mm |
| 見た目の特徴 | 黒の体に黄色の模様 腹部の黄色の線は2本 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州 伊豆諸島、小笠原諸島、佐渡島、対馬、南西諸島 |
| 巣の場所 | カミキリムシが開けた穴、木材の穴、竹筒など |
| 幼虫のエサ | 蛾の幼虫 ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花の蜜 |
筒状の穴の中に泥で仕切りを作るドロバチです。竹筒や木材の穴だけでなく、木にカミキリムシが開けた脱出孔も活用します。
ハグロフタオビドロバチ
| 和名 | ハグロフタオビドロバチ |
| 学名 | Anterhynchium melanopterum |
| 分類 | エントツドロバチ属 |
| 体長 | 16mm前後 |
| 見た目の特徴 | 全体が黒い 頭楯と胸の一部に黄色の斑紋 腹部に黄~オレンジの線 羽が紫がかった黒色 |
| 分布 | 関東、北陸、中国、四国、九州、対馬 |
| 巣の場所 | 竹筒、虫が作った穴 |
| 幼虫のエサ | 蛾の幼虫 ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花の蜜 |
ハグロフタオビドロバチは千葉県と福井県では絶滅危惧種に指定されているドロバチです。河川や里山の土地造成などによって、個体数が減少しているといわれています。
カバフドロバチ属
日本に生息するカバフドロバチ属は4種類です。代表的な1種類を紹介します。
ナミカバフスジドロバチ(カバフスジドロバチ)
| 和名 | ナミカバフスジドロバチ |
| 学名 | Pararrhynchium ornatum |
| 分類 | カバフドロバチ属 |
| 体長 | 12~15mm |
| 見た目の特徴 | 腹部のオレンジの線が目立つ 腹部の光沢感が強い |
| 分布 | 本州、四国、九州、対馬、種子島 |
| 巣の場所 | カミキリムシが開けた穴、木材の穴、竹筒など |
| 幼虫のエサ | 蛾の幼虫 ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花の蜜 |
ドロバチの多くは営巣が完了すると、幼虫のエサを入れて産卵すれば巣に蓋をして去りますが、ナミカバフドロバチは異なります。幼虫の成長に合わせて給餌する亜社会性の蜂です。他のドロバチと比べて長い期間、成虫が巣に留まります。
エントツドロバチ属
日本に生息するエントツドロバチ属は1種類です。
エントツドロバチ(オオカバフスジドロバチ)

| 和名 | エントツドロバチ |
| 学名 | Orancistrocerus drewseni |
| 分類 | エントツドロバチ属 |
| 体長 | 15~20mm |
| 見た目の特徴 | 全体的に黒い 腹部にオレンジの線が2本 |
| 分布 | 本州、四国、九州 |
| 巣の場所 | 竹筒など |
| 幼虫のエサ | 蛾の幼虫 ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花の蜜 |
竹筒などの穴を利用し、煙突状の入口を付けて営巣します。
なお、所属の異なるナミカバフスジドロバチ(カバフスジドロバチ)に見た目が似ており、体長が大きいため、オオカバフスジドロバチ、オオカバフドロバチという名称で呼ばれていたことがあります。
オオドロバチ属
日本に生息するオオドロバチ属は1種類です。
フカイオオドロバチ

| 和名 | フカイオオドロバチ |
| 学名 | Rhynchium quinquecinctum |
| 分類 | オオドロバチ属 |
| 体長 | 14~21mm |
| 見た目の特徴 | 黒とオレンジ オスの頭楯は黄色 |
| 分布 | 本州、四国、九州、対馬 硫黄島、佐渡島、淡路島、南西諸島 |
| 巣の場所 | 竹筒など |
| 幼虫のエサ | 蛾の幼虫 ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花の蜜 |
フカイオオドロバチはドロバチの中では大きめな種類です。以前はフカイドロバチと呼ばれていました。南西諸島(九州南方から沖縄の諸島)に生息し、地域によって4亜種に分けられます。
スジドロバチ属
日本に生息するスジドロバチ属は8種類です。代表的な1種類を紹介します。
ケブカスジドロバチ
| 和名 | ケブカスジドロバチ |
| 学名 | Ancistrocerus melanocerus |
| 分類 | スジドロバチ属 |
| 体長 | 12~15mm |
| 見た目の特徴 | 胸がやや毛深い 全体的に黒い 腹に黄色の線が2本 |
| 分布 | 石川県、長野県、北海道、徳島県など |
| 巣の場所 | 外壁の穴、コンクリートの窪みなど |
| 幼虫のエサ | 蛾の幼虫 ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花の蜜 |
ケブカスジドロバチを含むスジドロバチ属は腹部第1背板に、横向きの隆起縁があるのが特徴です。
「ケブカ(毛深)」というほど毛が目立つわけではありませんが、注視すれば他のドロバチと比べて胸の毛はやや深いといえます。
カバオビドロバチ属
日本に生息するカバオビドロバチ属は5種類です。代表的な2種類を紹介します。
カバオビドロバチ

| 和名 | カバオビドロバチ |
| 学名 | Euodynerus dantici |
| 分類 | カバオビドロバチ属 |
| 体長 | 8.5~15mm |
| 見た目の特徴 | 全体的に黒い 腹部にU字の黄色い線 脚は黄色 |
| 分布 | 本州、九州、淡路島 |
| 巣の場所 | 竹筒、カミキリムシが開けた穴 |
| 幼虫のエサ | 蛾の幼虫 ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花の蜜 |
カバオビドロバチはややU字に見える腹部の黄色い線が特徴のドロバチです。本州亜種と南西諸島亜種に分けられ、本州亜種は小盾板の黄色の模様が目立たない一方、南西諸島亜種は全体が黄色という違いがあります。
ミカドドロバチ
| 和名 | ミカドドロバチ |
| 学名 | Euodynerus nipanicus |
| 分類 | カバオビドロバチ属 |
| 体長 | 7~13mm |
| 見た目の特徴 | 全体的に黒い 腹部の黄色の線が多い |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州 対馬、伊豆諸島、種子島、屋久島、口永良部字真、馬毛島 |
| 巣の場所 | 北海道、本州、四国、九州 対馬、伊豆諸島、種子島、屋久島、口永良部字真、馬毛島 |
| 幼虫のエサ | 蛾の幼虫 ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花の蜜 |
ミカドドロバチはアオジソやバジルなどのハーブに食害をもたらす蛾の幼虫を駆除してくれる益虫です。人家の花壇などにも飛来します。背中の黄色い斑紋に個体差があるのも特徴です。
チビドロバチ属
日本に生息するチビドロバチ属は7種類です。代表的な2種類を紹介します。
カタグロチビドロバチ

| 和名 | カタグロチビドロバチ |
| 学名 | Stenodynerus chinensis |
| 分類 | チビドロバチ属 |
| 体長 | 7~10mm |
| 見た目の特徴 | 羽の付け根あたり(肩板)が黒い 全体的に黒い 腹部に黄色の細い線が2本 小さい |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州 対馬、伊豆諸島、佐渡島、大隈諸島 |
| 巣の場所 | 竹筒など |
| 幼虫のエサ | 蛾の幼虫 ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花の蜜 |
カタグロチビドロバチは体長10mm程度と小さいチビドロバチ族の一種で、肩根が黒いことから「カタグロ」という名前が付けられたドロバチです。
小さいながらも、葉の食害をもたらすハマキガ類の幼虫を狩ってくれます。
キオビチビドロバチ
| 和名 | キオビチビドロバチ |
| 学名 | Stenodynerus frauenfeldi |
| 分類 | チビドロバチ属 |
| 体長 | 7~10mm |
| 見た目の特徴 | 全体的に黒い 腹部に黄色の細い線が2本 肩板に黄色い紋がある |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州 対馬、伊豆諸島、佐渡島、大隈諸島 |
| 巣の場所 | 竹筒など |
| 幼虫のエサ | 蛾の幼虫(小さなものを選ぶ) ※成虫が狩ったもの |
| 成虫のエサ | 花の蜜 |
キオビチビドロバチもチビドロバチの一種です。カタグロチビドロバチとそっくりですが、羽の付け根の肩板に黄色い模様があるという点で異なります。
ハムシドロバチ属
日本に生息するハムシドロバチ属は11種類です。代表的な1種類を紹介します。
サイジョウハムシドロバチ(ヤマトハムシドロバチ)
| 和名 | サイジョウハムシドロバチ |
| 学名 | Symmorphus apiciornatus |
| 分類 | ハムシドロバチ属 |
| 体長 | 6~9mm |
| 見た目の特徴 | とても小さい 全体的に黒い 腹部に黄色の線 |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州 伊豆諸島、佐渡島、対馬 |
| 巣の場所 | 竹筒、細いヨシ筒、木の穴 |
| 幼虫のエサ | ノミゾウムシ類やタマムシの幼虫 |
| 成虫のエサ | 花の蜜 |
サイジョウハムシドロバチは羽虫(ハムシ)のようにとても小さなドロバチです。以前はヤマトハムシドロバチと呼ばれていました。
とても小さいため、日よけの「よしず」などに使われるヨシ筒の中にも営巣できます。
ドロバチはほぼ無害な益虫
ドロバチの多くは巣は守ることもなく、卵を産めば立ち去ります。性格はおだやかで毒性も強くはありません。むしろ、農業や園芸に悪影響をもたらす虫を狩ってくれる益虫です。
屋根裏などの家に被害をもたらす場所に巣を作られない限り、放っておいて問題ありません。車内や室内に侵入されたときは、窓やドアを開けて出ていってくれるのを待つのがおすすめです。
ぜひ他の蜂と見分けて、可能な限り自然のままにしてあげましょう。ただし、見分けがつかないときは要注意です。スズメバチの可能性もあるので、迷ったときは蜂駆除業者などに相談することをおすすめします。
ドロバチに関するQ&A
ドロバチに関するよくある質問に回答します。
ドロバチに刺されたら危険?症状は?
ドロバチの毒は狩りのためのもので、大きな外敵を倒せるほどの毒性はありません。ただし、患部の腫れや痒みなどの症状が出ることがあります。
また、以前に蜂に刺されたことがあればアナフィラキシーショックになる恐れもあるため、刺された後は経過観察し、体調が悪いときは病院で診察を受けることをおすすめします。
ドロバチの巣を壊したらどうなる?
ドロバチは基本的には育児をせず、成虫が長期間滞在することがないため、巣を壊しても襲われる心配はまずありません。
ただし、ナミカバフスジドロバチなどの亜社会性のドロバチは、他のドロバチと比べると巣の周辺にいる可能性があります。念のため、巣を駆除するときは周囲にドロバチがいないことを確認しましょう。
ドロバチの巣の駆除方法は?
蜂用の殺虫スプレーで巣内の幼虫を死滅させましょう。その後、外壁等に泥で巣を作られた場合は、高圧洗浄機やブラシで落とすだけで駆除できます。
よしずや竹筒に営巣された場合は、燃えるゴミなどに出して処分することをおすすめします。
ドロバチの巣は初期段階で駆除すべき?
ドロバチの巣はスズメバチやミツバチ、アシナガバチのように肥大化することがないため、初期段階で対処しなくても問題ありません。むしろ、営巣が完了すると親蜂が去るため、その後の方が安全に駆除できます。
※1 対応地域・対応する加盟店により異なります ※2 対応地域・加盟店・現場状況により、お事前にお客様の同意を得たうえで、調査・見積り費用をいただく場合がございます ※3 作業後1週間以内に同じ場所に再発した場合に限ります