地蜂(ジバチ)は正式名称ではなく、黒いボディに白の模様が入った小さなスズメバチの俗称です。全国的に分布しており、地域によってはヘボやスガレとも呼ばれます。危険なイメージが強いスズメバチとは異なり、おだやかな性格で珍味としても親しまれています。
本記事では、地蜂の正体と特性、郷土料理や地蜂追いなどの地域の文化まで詳しく解説します。後半では駆除方法も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
このような方におすすめ
- 地蜂がどのような蜂か知りたい方
- クロスズメバチとシダクロスズメバチの違いを知りたい方
- 地蜂追いや郷土料理などの文化を知りたい方
- 地蜂の駆除方法を知りたい方
※1 対応地域・対応する加盟店により異なります ※2 対応地域・加盟店・現場状況により、お事前にお客様の同意を得たうえで、調査・見積り費用をいただく場合がございます ※3 作業後1週間以内に同じ場所に再発した場合に限ります
目次
地蜂はクロスズメバチ・シダクロスズメバチのこと

地蜂はハチ目スズメバチ科スズメバチ亜科クロスズメバチ属のクロスズメバチとシダクロスズメバチの俗称です。地蜂以外に、ヘボやスガレ、スガリとも呼ばれます。
クロスズメバチの基本情報
| 和名 | クロスズメバチ |
| 学名 | Vespula flaviceps |
| 体長 | 10~14mm(女王蜂は15mm) |
| 見た目の特徴 | 全体的に黒く白の縞がある 複眼の内側が白い部分がえぐれていない 顔の中央の黒帯が下縁まで達していない |
| 性格 | おだやか |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州、佐渡島、奄美大島 |
| 巣の場所 | 屋根裏・壁の隙間・軒下・土の中 |
黒いボディに白の模様が映える蜂です。性格はおだやかで、巣の近くを踏んだりしなければ襲ってくることはほとんどありません。毒量が少なく毒性も弱い種類です。ただし、他の蜂と同様にアナフィラキシーショックのリスクはあります。
実害はほとんどありませんが、庭や民家の中に営巣されると厄介です。自然界を好むため稀ではありますが、屋根裏や壁の隙間、軒下などで営巣を拡大されないように気を付けましょう。巣の外皮は薄い波模様で、形は釣り鐘型です。
シダクロスズメバチの基本情報
| 和名 | シダクロスズメバチ |
| 学名 | Vespula shidai |
| 体長 | 10~14mm(女王蜂は15~19mm) |
| 見た目の特徴 | 全体的に黒く白の縞と点がある 複眼の内側の白い部分がえぐれている 顔の中央の黒帯が下縁まで達している |
| 性格 | おだやか |
| 分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
| 巣の場所 | 土の中 |
クロスズメバチ同様に、性格はおだやかで、巣の近くを踏んだりしなければ襲ってくることはほとんどありません。毒量が少なく毒性も弱い種類です。ただし、他の蜂と同様にアナフィラキシーショックのリスクはあります。
見た目はクロスズメバチよりも黒の比率が高いものの、極めて似ています。違いの詳細は次の項目で解説します。
クロスズメバチとシダクロスズメバチの違い
見た目が極めて似ているクロスズメバチとシダクロスズメバチの違いを、模様と巣の場所にフォーカスして解説します。
模様の違い

クロスズメバチ

シダクロスズメバチ
| 種類 | クロスズメバチ | シダクロスズメバチ |
| 全体の模様 | 全体的に黒く白の縞がある | 全体的に黒く白の縞と点がある |
| 複眼周辺の模様 | 白い部分がえぐれていない | 白い部分がえぐれている |
| 顔の中央の黒帯 | 下縁(口)まで達していない | 下縁(口)まで達している |
体長は同じですが、模様の入り方に違いがあります。クロスズメバチは白の縞模様ですが、クロスズメバチには白の縞模様に加えて白の点も入っています。また、クロスズメバチと比べると、顔はシダクロスズメバチの方が黒の比率が高いという点でも異なります。
巣の場所の違い
クロスズメバチは屋根裏・壁の隙間・軒下・土の中など、閉鎖的であれば幅広い場所に営巣します。一方、シダクロスズメバチは基本的に土の中です。ただし、屋根裏や木のうろで巣を作った事例もあるため、必ずしも土の中というわけではないようです。
また、クロスズメバチが平地でも広く生息するのに対し、シダクロスズメバチは北海道以外では山地を好むという点でも違いがあります。
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地蜂(クロスズメバチ・シダクロスズメバチ)の1年間

地蜂の活動期間は4~12月で、1~3月は冬眠します。1年間の活動内容は次のとおりです。
| 月 | 活動 |
| 1~3月 | 女王蜂が土の中で冬眠 |
| 4~5月 | 女王蜂が巣作り、産卵 |
| 6月 | 最初に生まれた働き蜂が成虫になる |
| 6~9月 | 働き蜂が活発に働く。数が増える |
| 10~12月 | 新女王蜂が羽化する |
基本的には秋~冬に生まれる新女王蜂だけが越冬します。暖冬でない限り、働き蜂は冬を乗り切れません。巣を自力で安全に駆除するなら、働き蜂が少ない冬を狙うのがおすすめです。
ただし、地蜂は何世代にもわたって同じ巣を利用するため、春以降で再び働き蜂が増えます。また、年月が経過するほどに巣が大きくなる傾向があります。駆除の必要がある場合は早めに対処しましょう。
地蜂は珍味として食べられている

おだやかな性格で捕獲しやすいこともあってか、山間部では地蜂が貴重なタンパク源として食されていた歴史があるようです。現代でも、信州(長野県)を中心に珍味として愛されています。
佃煮や炊き込みご飯に
珍味として食べられるのは主に蜂の子(幼虫)ですが、蛹(さなぎ)や成虫を食べることもあります。醤油・砂糖・みりんで味付けした佃煮にしたり、炒ってから塩を振ったりするのが一般的です。佃煮をご飯に混ぜたヘボ飯は郷土料理として愛されています。
地蜂せんべい
地蜂せんべいは5〜6匹の働き蜂が焼き込まれており、香ばしい味がするようです。長野県大町市の大町地蜂愛好会が「エビせんべい」をヒントに売り出したもので、郷土料理ではありません。
地蜂の幼虫(蜂の子)は食用として、女王蜂は繁殖のために重宝されますが、働き蜂は捨てられてしまうため、有効活用するために考案されました。しかし、製造委託先の廃業などにともない、2017年に販売は終了しました。
参考
朝日新聞「地蜂せんべい大好評」
JA長野県「地蜂とりは信州の男子にとっての通過儀礼だ」
筑波大学「長野県大町市における昆虫食文化の「希薄化」」
地蜂追い・スガリ追い

巣が最大化する夏から秋にかけて、地蜂の巣を見つけるための地蜂追い(スガリ追い)がおこなわれます。次のような手順でおこないます。
地蜂追いの手順
- 強い匂いのエサでおびき寄せる
- エサに白い目印をつけたものを抱えさせる
- 目印を追いかけて巣にたどり着く
- 巣に向けて煙を焚く
- 巣を掘り起こして持ち帰る
1.強い匂いのエサでおびき寄せる
肉・魚・イカなどの強い匂いがするエサを、地蜂が住んでいそうな山や林に吊るします。
2.エサに白い目印をつけたものを設置
1のエサを齧っている地蜂に、目印を持たせます。目印は、白の布や札を取り付けた小さなエサ(糸目)です。ピンセットなどで地蜂に近づけて抱えさせます。ちょうどいいサイズのエサがもらえた地蜂はエサを齧る必要がなくなるので、糸目ごと抱えて帰巣します。
3.目印を追いかけて巣にたどり着く
糸目の白は自然の中でも目立つため、これを頼りに山や林に分け入って追跡します。巣穴に入っていく様子を確認し、巣お場所を特定します。
4.巣に向けて煙を焚く
地蜂の行動を抑える(仮死状態にする)ために、人間には害のない地蜂追い用の煙を焚きます。
5.巣を掘り起こして持ち帰る
土や木の洞などを掘って巣を丸ごと持ち帰ります。その後は幼虫を採取したり、養蜂したりして食用に加工します。
地蜂は養蜂もされている

掘り起こした巣を木箱に移して、養蜂をおこなうこともあります。養蜂によって巣を肥大化させ、蜂の子を多くとれるようにするためです。地蜂が効率よく活動できるように、木箱の周辺に生肉や魚、砂糖水などのエサを置いて育てます。
巣が最大化したときの育房数は8,000~12,000房です。上手く育てられれば、数千匹まで増やせる可能性があります。
地蜂の駆除方法

先述のとおり、クロスズメバチ・シダクロスズメバチは繁殖すると数千匹まで増える可能性があります。働き蜂の数が増えるほど、刺されるリスクも高まるため早めに駆除したいところです。
土の中に営巣することが多いクロスズメバチ・シダクロスズメバチの駆除では通常、点火タイプの燻煙剤を使用します。
土の中の蜂の巣駆除の手順
- 棒に燻煙剤を取り付ける
- 燻煙剤を点火する
- 燻煙剤を巣穴に近づけて10~20秒間、煙を浴びせる
- 燻煙剤を巣の中に突っ込む
- 蜂が襲ってきたらスプレーで撃退する
- 十分な時間が経過してから、蜂が出てこないことを確認する
- スコップで巣穴を埋める
- 後日、蜂がいないことを確認して巣を掘り起こす
しかし、スズメバチに有効な点火タイプの燻煙剤は業務用が基本で、一般用途(市販品)では販売されていないようです。入手と取り扱いが困難であることから、プロに相談することをおすすめします。
土の中に営巣する蜂の種類や詳細な駆除方法を確認したい方は、次の記事もご覧ください。
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スズメバチの巣の調査と駆除はハチお助け本舗におまかせ

ハチお助け本舗の特徴
ハチお助け本舗の特徴
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- 最速10分で到着
| ※1:山林・崖面など広範囲や特殊な条件下の調査は別途ご相談 ※2:1週間以内に同じ場所で巣が再発した場合は無料で駆除 |
スズメバチの駆除料金

基本料金はほとんどのスズメバチが13,000円(税込)~、危険性・駆除難易度の高いオオスズメバチのみ25,000円(税込)~です。この基本料金に、巣の場所や大きさなどの条件別の加算料金がかかる場合があります。加算条件の例は次のとおりです。
| 条件例 | 概要 |
| 高所作業 | 地上4m以上が高所に該当。 危険手当や人員増、2段ハシゴや足場が必要となる作業。 |
| 狭所作業 | 床下や屋根裏など、退路を確保しづらく機材を選ぶ場所が該当。 危険手当や人員増、特殊薬剤の選定などが必要な作業。 |
| 巣の大きさ | 巣の大きさに応じた加算料金。 巣が大きくなるほどに働き蜂の数が増えて危険度が増すため、加算料金がかかる。 |
| 特殊作業 | 外壁や天井、機器の部分解体や補修、木や茂みの伐採などが該当。 |
自宅の敷地内に地蜂が営巣したら駆除を検討しよう
地蜂はクロスズメバチとシダクロスズメバチの俗称であることがわかりました。どちらもスズメバチの中ではおだやかな性格で、積極的に人を襲うタイプではありません。毒量は少なく、毒性も微弱です。自然界にいる地蜂に関しては、放っておいても問題ないでしょう。
しかし、微弱な毒であってもハチ毒アレルギーがある人は要注意です。ハチ毒に共通する成分によって、アナフィラキシーショックを引き起こす恐れがあります。また、地蜂は土の中に営巣することが多いため、誤って踏み抜くと大群に襲われる危険もあります。
自宅の敷地内に営巣された場合は踏み抜く確率が高まるため、地蜂が頻繁に飛来するようであれば営巣された可能性を疑いましょう。調査段階からプロに相談することをおすすめします。
よくある質問
地蜂とはどんな蜂?
クロスズメバチ・シダクロスズメバチの俗称で、黒いボディに白い模様を持つ小さな蜂です。
地蜂は危険な蜂なのか?
攻撃性はほとんどなく毒性も微弱ですが、複数匹に襲われると危険なほか、ハチアレルギーがある人にはアナフィラキシーショックのリスクがあります。
地蜂を食べてみたいのですが
ノウハウがなければ巣を掘り起こすのは危険なので、地元の経験者に相談してみましょう。
地蜂を駆除する方法は?
巣の場所を特定し、棒に取り付けた燻煙剤を巣の中に突っ込んで駆除します。詳しくはコチラの記事をご覧ください。
地蜂のはちみつとはなんですか?
「野生のミツバチが採蜜したはちみつ」という意味で「地蜂のはちみつ」と称することがあるようです。一般的に「地蜂」というときは、クロスズメバチとシダクロスズメバチのことを指し、この2種類には、はちみつをためこむ習性はありません。
※1 対応地域・対応する加盟店により異なります ※2 対応地域・加盟店・現場状況により、お事前にお客様の同意を得たうえで、調査・見積り費用をいただく場合がございます ※3 作業後1週間以内に同じ場所に再発した場合に限ります