クマバチの巣を駆除する方法とは?特徴や種類、駆除後の予防対策も解説

クマバチは大人しい性格で毒性もあまり強くないため、スズメバチなどと違って“無害”というイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。

しかし、毒針を持っているのはもちろん、巣作りで木材を侵食してしまうので、まったく危険性がないわけではありません。そのため、クマバチに関する知識を習得したうえで、巣をきちんと駆除することが大切です。

そこで今回は、クマバチの危険性や特徴、正しい駆除方法など詳しく解説します。

クマバチの巣を放置すると危険?

スズメバチやアシナガバチより脅威レベルが低いとはいえ、クマバチも人間にとって十分危険な存在です。特にクマバチの巣を放置した場合、深刻な被害をもたらすこともあります。クマバチの危険性についても、しっかり把握しておきましょう。

刺されると危険

屋外で飛んでいるクマバチのほとんどはオスですが、オスには毒針がありません。クマバチはメスのみ毒針を持っており、性格的にも大人しい個体が多いので、そもそも刺される可能性が低いといえるでしょう。

しかし、いくら温厚な性格とはいえ、むやみに刺激すれば怒って攻撃してくることもあります。メスが持つ毒針は毒性こそ強くないものの針自体が太く、刺されると強い痛みが生じやすいため、油断は禁物です。メスのクマバチは巣や花の近くにいる可能性が高いので、あらかじめ注意しておきましょう。

また、クマバチ以外の蜂も含めて過去に刺された経験がある場合、再び刺されると「アナフィラキシーショック」を引き起こす可能性があります。

建物の倒壊のおそれ

一般的に蜂の巣といえば、ボール型の形状がイメージされやすいかと思います。しかし、クマバチは木に穴を開けて巣を作るため、他の蜂の巣とは一線を画している形状です。公園や森林に生えている自然の樹木だけではなく、建物に使われている木材も巣穴となる対象となっているため、家の柱や梁などに巣を作ることもあります。

さらに、クマバチには一度作った巣を再利用するという習性があるので、放っておけば長く住み続けることになります。それにともない、穴を掘り進められると木材の強度が落ちるため、建物自体が倒壊してしまう危険性もあるのです。

巣穴だらけのまま放置すれば、湿気や雨水によって木材が腐敗したり、シロアリなどの害虫が侵入したりする可能性も出てきます。もしクマバチが家に住みついたら、早めに対策を講じましょう。

蜂の数が増える

クマバチは別のクマバチを警戒しないので、すでに巣を作られていても気に留めず、同じ場所に巣を作ります。また、オスはメスを見つけると、その場所に寄ってくるという習性があるため、1匹いるだけで多くのクマバチを引き寄せてしまうかもしれないのです。

「巣穴は1つしかないから……」と放置すると、知らない間にクマバチの集落ができてしまうおそれもあります。

クマバチの特徴や種類について

花にとまるクマバチ

クマバチの巣を駆除する場合、クマバチ自体を知ることも大切です。そこで、クマバチのおもな特徴や種類についても解説します。

クマバチの特徴

クマバチは胴体が濃い黒色であり、胸にはもふもふとした黄色い毛が生えています。オスとメスで見た目は若干異なり、オスは目が大きく額にも黄色い毛が生えている、メスはアゴが大きく顔全体が黒くなっていることが特徴的です。

体長は2cm程度ですが、クマバチの胴体は太くて丸いので、実際はより大きく見えます。また、前章でも述べましたが、毒針を持っている個体はメスだけであり、オスには針自体がありません。

基本的にクマバチは温厚な性格の持ち主なので、スズメバチやアシナガバチに比べると危険性は低いといえます。こちらから刺激を与えなければ、攻撃してくることもあまりないでしょう。

なお、クマバチの活動時期は4月~10月です。特に5月~10月は巣作りや子育てに活発であり、いつもは大人しいクマバチも攻撃的になるので、注意する必要があります。

クマバチの巣の特徴

クマバチは木や竹などに穴を開けて掘り進み、長いトンネル状の巣を作ります。巣穴の直径は1~2cm程度の1円玉サイズ、巣の全長は30~40cm程度です。他の蜂のように外部から樹皮や朽ち木を持ってきたり、身体から出る分泌物を用いたりすることはなく、自慢の鋭いアゴでひたすら削ります。

クマバチはやわらかい材質の木を好むため、巣を探すときは以下のような場所を重点的にチェックしましょう。

・枯れ木
・腐った木
・竹垣
・老朽化した家の木材(柱・垂木・枕木など)
・軒下

また、クマバチは新しい巣を作らず、すでに完成している古い巣を使い回すことが多いといわれています。そのため、数年経てば巣穴が深くなり、木はスカスカの状態になってしまうのです。家を支える柱などに巣を作られてしまうと、倒壊という最悪の事態にもつながりかねません。

クマバチの種類

日本に生息している固有のクマバチは以下の5種類です。それぞれ特徴をまとめたので、ぜひチェックしてみてください。

・キムネクマバチ
北海道南部~種子島、屋久島にかけて分布。その名のとおり胸が黄色い。

・アマミクマバチ
永良部島から徳之島にかけて分布。胸に白色の毛が生えている。

・オキナワクマバチ
沖永良部島から沖縄島にかけて分布。全身が黒色の毛に覆われている。

・アカアシセジロクマバチ
多良間島から与那国島にかけて分布。脚が赤く、胸には白色の毛が生えている。

・オガサワラクマバチ
小笠原諸島の父島列島および母島列島に分布。1970年に「国指定天然記念物」となる。オスは全身黄色、メスは全身黒色である。

クマバチを駆除するための事前準備

クマバチは比較的危険性が低いため、自力で駆除することも可能です。ただし、反撃される可能性も十分考えられるので、事前準備はしっかり整える必要があります。

必要な道具

クマバチを自力で駆除するときは、最低でも以下の道具を用意しておきましょう。

・殺虫剤2本
クマバチを退治するためには、スプレータイプの殺虫剤が必要不可欠です。クマバチなら一般的な殺虫剤でも十分な効果が見込めますが、より確実に退治したいなら蜂専用の殺虫剤を用意しましょう。噴射距離が長いタイプを使えば、離れた場所から安全に攻撃できるので、反撃を受けるリスクも低くなります。

途中で薬剤がなくなったり、予防対策に使ったりすることを踏まえて、2本は用意しておきましょう。

・防護服
蜂の巣を駆除するときは、夏でも皮膚が露出しない服装にする必要があります。安全性の観点から考えれば専用の防護服がベストですが、用意できないなら厚手の作業着・長ズボン・レインコートなどで代用しても構いません。もしくはネットショップやフリマサイトを調べて、安価な防護服を購入するのも一考です。

いずれにせよ蜂が服のなかに侵入できないよう、ひもで裾をしっかり絞ったり、首元にタオルなど巻いたりなどの対策をしてください。

また、手袋や長靴も忘れてはいけません。クマバチの死骸に触れる可能性もあるので、特に手袋はゴム手袋+軍手など2枚重ねて装着しましょう。

・ゴーグルとマスク
ゴーグルとマスクは顔の露出を抑えるだけではなく、殺虫剤から目や鼻を守る役割を果たします。巣の駆除では殺虫剤を大量に噴射しなければならないため、ホームセンターなどで販売されている安全ゴーグルや作業マスクできちんと防護しましょう。

・赤い懐中電灯
クマバチの巣は夜間に駆除するほうが安全なので、辺りを照らすための懐中電灯も必要です。ただし、そのまま使用すると懐中電灯の光に向かって蜂が飛んでくるため、事前に赤いセロファンなど貼っておきましょう。

・木工パテ
クマバチを駆除しても、巣穴をふさがないと再び住みついてしまう可能性があります。そのため、木工パテで巣穴を埋める作業が必要です。タイルなどを補修するコーキング剤も使えるので、そちらで代用しても構いません。

ニオイに気を付ける

クマバチは鋭い嗅覚を持っているため、整髪料や柔軟剤のニオイにも敏感に反応します。身体から強いニオイが出ていると、クマバチに刺激を与えてしまうので、攻撃される可能性も高まってしまうでしょう。

自力でクマバチを駆除する方法と手順

殺虫スプレー

クマバチは昼行性なので、巣を駆除するべきベストタイミングは夕方~夜間です。この時間帯のクマバチは巣に帰って眠っているため、反撃の隙を与えず退治することが見込まれます。ただし、風の強い日は殺虫剤が飛散しやすいので、日を改めるべきでしょう。

自力でクマバチの巣を駆除するときの手順もまとめたので、こちらも併せてご覧ください。

1.巣の場所を確認する
駆除は暗くなった時間帯から始めるため、昼間の明るいうちに巣の場所をきちんと確認することが大切です。作業の流れや殺虫剤を噴射するときの距離感をつかんでおくと、本番もスムーズに進みます。

昼間はクマバチが活発に動いているので、巣に近づきすぎないよう注意しましょう。

2.巣にゆっくりと近づく
駆除を始める時間帯になったら、巣に殺虫剤を向けながら慌てずゆっくりと近づきましょう。巣穴から蜂が出てきたときに備えて、いつでも噴射できる状態を維持することが大切です。

3.殺虫剤を巣穴のなかに10~15秒ほど噴射する
巣の近くに到着したら、巣穴めがけて殺虫剤を10~15秒ほど噴射します。ノズル付きの殺虫スプレーがあれば、巣穴にノズルを差し込んでたっぷり注入しましょう。

ただし、巣が広がっている方向は外から見てもわからないため、噴射口を上下左右に向けて全方向に噴射するとより確実です。

4.蜂が出てきたら殺虫剤で駆除する
巣穴に向けて殺虫剤を噴射していると、内部から蜂が飛び出してくることもあります。そのときも慌てず、外に出てきた蜂を殺虫剤で退治しましょう。

巣穴から出てくる蜂がいなくなるまで、殺虫剤の噴射は続けてください。

5.死骸を掻き出し捨てる
巣穴から蜂が出てこなくなったら、適当な細い棒を使って死骸を掻き出しましょう。地面に落ちている蜂は、完全に動かなくなったことを確認してから、ほうきとちり取りを使って集めてください。死骸はまとめてゴミ袋に入れたうえで、燃えるゴミとして処分可能です。

死骸の掃除がおわったら再び殺虫剤を注入して、巣の内部にいる幼虫を退治しましょう。

巣を駆除した後の予防対策とは

クマバチは巣を再利用する習性があるので、再び巣作りされる前に予防対策を講じることも重要といえます。殺虫剤での駆除作業は、あくまで予防対策に向けた準備といっても過言ではないのです。

巣穴をふさぐ

クマバチを駆除したからといって、巣穴を放置しておくことは厳禁です。他の蜂に比べてクマバチは縄張り意識が低く、一度駆除した巣に別のクマバチが住みついてしまう可能性もあります。事前に準備しておいた木工パテやコーキング剤を使って、巣穴は必ずふさいでおきましょう。

巣穴の処理をすることで、クマバチの再発はもちろん、木の劣化や害虫の侵入も防ぐことができます。ただし、巣の内部に死骸(幼虫・成虫問わず)が残っていると、腐って木の劣化を助長してしまうため、確実に掻き出しておきたいところです。

ただし、クマバチの巣は40cm以上になるケースもあるため、処理が難しいときは業者に任せることも検討しましょう。

木酢液

木酢液とは、木炭を焼いたときに発生した煙を冷やすと発生する液体です。燻製のようなニオイを放っていることが特徴的であり、スーパーやホームセンターで手軽に購入できます。

クマバチは木酢液のニオイを嫌うため、予防対策として非常に効果的です。クマバチが巣を作りそうな場所に木酢液のスプレーを噴射する、もしくは木酢液入りの容器を吊るしておくと、確かな効果が見込めます。

スプレーの場合、木酢液と水を1:1の比率で混ぜたものを用意します。スプレーの成分は雨などで流れやすいため、週1回のペースで噴射しましょう。一方、容器を吊るすときは月1回の交換でOKです。

ハッカ油

ハッカ油とは、ミントから抽出した植物油です。清涼感のあるミント独特の香り成分であるメンソールには虫よけ効果があります。

ハッカ油にエタノールや精製水を混ぜたうえで、スプレーとして散布すれば、クマバチの接近を防ぐことが可能です。ただし、効果は長続きしないので、一定期間ごとに散布する必要があります。

まとめ

クマバチは基本的に温厚な性格で、見た目も丸々としているので、あまり危険なイメージを持っていない人も多いかと思います。しかし、メスのクマバチには毒針があり、刺激すると襲いかかってくる可能性もあるため、決して甘く見てはいけない存在です。

また、クマバチは柱や梁など、住宅を支える重要な木に穴を開けて巣を作ることがあります。クマバチに巣を作られた場合、木材が劣化して家が倒壊してしまうおそれも出てくるため、しっかり駆除しなければなりません。

自力で駆除することが難しい場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。40,000件以上の実績を誇る「ハチお助け本舗」では、その日の完全駆除をお約束しているので、ぜひお気軽にご相談ください!

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