オオスズメバチは日本最大のスズメバチであり、高い攻撃性を有しています。その毒性や大顎の力、飛行速度は蜂の中でも抜き出ていることから「国内最強」ともいわれています。
本記事では、オオスズメバチの生態と危険性について解説します。毒の成分や刺傷時の症状、生息域や巣の特徴、対処法についても詳しく説明するので、ぜひ最後までご覧ください。
オオスズメバチが国内最強といわれる理由
オオスズメバチは攻撃性・飛行能力・毒性のすべてにおいて国内最強のスズメバチといわれています。防衛意識が高く、刺激すると集団で襲ってくる危険性があるため、対処する際は特に注意が必要です。
ここでは、なぜオオスズメバチが最強といわれるのか、主な理由について解説します。
攻撃性が非常に高い
オオスズメバチには、次のような攻撃の特性があります。
- 外敵が巣に近づくとカチカチと顎を鳴らして威嚇してくる
- 威嚇を無視すると集団で襲撃してくる
- 最大30mもの距離を執拗に追跡する
スズメバチの中でも極めて攻撃的な性格のため、特に注意が必要な蜂といえます。巣の周辺では警戒心が強まり、少しの刺激でも襲いかかってくる可能性があるため、近づかないことが重要です。
毒性が強く、刺された際の痛みやダメージも強い
オオスズメバチの毒は神経毒・血管毒・アレルギー毒を含み、他のスズメバチよりも強力です。また、持続性が高く、より強烈な痛みとダメージを与えるのが特徴です。
主な毒の成分の中でも、特にマンダラトキシンはオオスズメバチ特有の成分で、強い神経毒として知られています。刺された瞬間に焼けるような激痛を感じるだけでなく、筋肉の痙攣や麻痺、全身の異常な興奮状態、場合によってはアナフィラキシーショックを引き起こすこともあります。
オオスズメバチの毒はフェロモンと連動しているため、1匹に刺されると周囲の個体が攻撃モードに入りやすくなります。そのため、一度刺されると集団攻撃を受けるリスクが上がるのも特徴です。
飛行速度が速く追跡距離が長い
オオスズメバチは他のスズメバチよりも高速で移動します。例えば、キイロスズメバチの飛行速度は時速25~30km程度ですが、オオスズメバチは時速30~40kmにもなります。
直線的な加速力が非常に高く、飛行距離が長いという特徴もあります。また、振り払おうとするとさらに攻撃を引き寄せるため、一度狙われると逃げ切るのは困難です。
体が大きく噛む力が強い
オオスズメバチの大顎(だいがく)は非常に強力で、その力は獲物の体を噛み砕くほどです。例えば、ミツバチの巣であれば、瞬く間に壊滅させることができます。
人の皮膚も容易に傷つけるため、刺されなくても噛みつかれるだけで深い傷を負う危険性があります。
他の昆虫やハチを捕食する
オオスズメバチは肉食性で、自分より小さな昆虫を捕食する習性があります。ミツバチの巣を襲って幼虫を食べることがあり、時にはカマキリやトンボといった大型の昆虫にも襲いかかります。他のスズメバチやアシナガバチも捕食対象です。
敵対するスズメバチの巣を襲撃して壊滅させることもあるほどの攻撃性を持っています。
オオスズメバチの分布
オオスズメバチは日本全国に分布し、森林から都市部まで幅広い環境に適応しています。近年では海外にも侵入し、一部地域では生態系への影響が懸念されています。
ここでは、国内外での生息地や活動の特徴について解説します。
日本国内の生息地域
オオスズメバチは日本全国に広く分布し、北海道から九州まで見られます。特に、森林や里山、竹林や低山地帯などの自然環境が豊かな場所に多く生息します。
都市部でも緑が多い公園や庭園で活動が確認されることがあり、場合によっては人家の軒下や屋根裏に巣を作ることもあります。人間の活動範囲と重なる場所で巣を作ることがあるため、夏から秋にかけての時期は注意が必要です。
オオスズメバチは、標高1,000m以下の比較的暖かい地域を好む傾向があり、高地の山間部ではあまり見られません。ただし、近年は温暖化の影響により生息域が広がっている可能性があり、高地でもその姿が観測されるケースが増えています。
海外での生息状況
オオスズメバチは日本だけでなく、中国・韓国・台湾・東南アジアなど、アジア地域を中心に広く分布しています。特に温帯から亜熱帯の気候を好み、比較的暖かい地域に多く生息しているのが特徴です。
オオスズメバチは飛行能力が高く、環境への適応力が強い蜂です。近年ではフランスやアメリカ西海岸でも確認されており、外来種として問題視されています。特にアメリカでは、在来のミツバチを襲うことで養蜂業に大きな影響を及ぼしている状況です。
今後も分布が拡大する可能性があり、生態系への影響が懸念されています。
オオスズメバチの活動時期と冬眠
オオスズメバチは4~10月に活動し、11月以降は冬眠に入ります。
活動が活発になる時期
オオスズメバチの活動が最も活発になるのは、春から秋(4月~10月)です。特に9~10月は繁殖期に入るため攻撃性が非常に高まります。
4月〜10月頃の時期に、ハイキングなどで森や山に入る際はオオスズメバチの巣に近づかないよう注意しましょう。また、巣がある可能性のある場所では黒い服や香水の使用を避けるなど、刺激を与えない行動を心がけることが大切です
冬は女王蜂だけ生き残って冬眠
オオスズメバチの巣は冬を迎えると自然に崩壊し、女王蜂だけが生き残るという特徴があります。
秋の終わり頃(11月~12月)にかけて、働き蜂やオス蜂は寿命を迎えて死滅し、巣の活動は終息します。冬を越すのは新たに誕生した女王蜂のみです。
女王蜂は、木の根元や朽ちた木の隙間、地中などに潜んで冬眠し、翌年の春に目覚めて新たな巣作りを始めます。
冬眠中の女王蜂は静かで攻撃性もほぼありません。しかし、冬眠場所として人の家の屋根裏や床下などに入り込むことがあるため、冬の間も屋根裏や倉庫の隙間などに蜂が侵入しないよう、防止対策を講じておくことが大切です。
オオスズメバチの巣の特徴と場所
オオスズメバチの巣が作られるのは土の中や木のうろ、人家の屋根裏などです。巣のサイズは時期によって大きく変化し、秋には最大50cm以上に成長します。
ここでは、巣の特徴や成長の過程、発見時の注意点を解説します。
巣の形状と作られる場所
オオスズメバチの巣は球状で、外観には貝殻のような模様があり、他のスズメバチと比べて非常に頑丈な構造をしています。巣は主に土の中・木のうろ・屋根裏・床下などの閉鎖的な場所に作られることが多く、人目につきにくいのが特徴です。
巣作りは、春に女王蜂が目覚めてとっくり型の小さな巣を作るところから始まります。そこに産みつけられた卵が孵化し働き蜂が育つと、巣の拡張が加速します。やがて巣は成長を続け、最終的には直径50cm以上の大きさになることもあります。
知らないうちに巨大化しているケースも少なくありません。都市部でも十分な注意が必要と言えるでしょう。
巣が大きくなる時期とは
オオスズメバチの巣は5月頃から形成され、最も大きくなるのは9月~10月です。巣は次のように形成されていきます。
- 5~6月:女王蜂が単独で巣作りを開始(とっくり型の小さな巣を作り、卵を産む)
- 7~8月:働き蜂が増え、巣の拡張が進む(直径30cm程度まで成長)
- 9~10月:巣の最盛期(直径50cm以上になることもあり、働き蜂の数が数百匹に達する)
- 11月以降:巣の活動が終息し、女王蜂のみが冬眠のため新たな隠れ場所を探す
特に、9月以降は攻撃性が高まっているため危険です。巣を見つけた場合は、自分で対処しようとせず専門の駆除業者に依頼する方が良いでしょう。
巣を見つけたときにやってはいけないこと
オオスズメバチの巣を見つけた場合は次の点に注意しましょう。
- 巣の近くで大きな音を立てたり、振動を与えたりしない
- 棒などで突かない
- 近づかない
- 香水や黒い服を避ける
オオスズメバチは、巣を壊そうとする動きを察知すると、集団で攻撃してきます。また大きな音や振動、香水など、オオスズメバチを刺激する可能性がある行動は控えた方が良いでしょう。
巣の存在を確認したら、速やかに自治体や害虫駆除の専門業者に連絡し、安全に対処することが重要です。
駆除を依頼する際のポイント
オオスズメバチの巣を個人で駆除するのは危険です。時期に関わらず、巣を見つけた際は専門業者に相談した方が良いでしょう。
スズメバチ駆除の経験が豊富な専門業者なら、安心して任せられます。また、駆除とあわせて軒下・屋根裏・床下など巣が作られやすい場所の隙間を塞ぐ対策もあわせて依頼するのがおすすめです。
また、一部の自治体では駆除費用の補助制度があるため、事前に確認しておきましょう。
オオスズメバチは国内最強で極めて危険
オオスズメバチは、日本最大のスズメバチであり、攻撃性や飛行速度、毒性、捕食能力のすべてにおいて国内最強の昆虫の一つです。特に毒の成分(マンダラトキシン)は強力で、一度刺されると激痛を伴い、場合によってはアナフィラキシーショックを引き起こす危険があります。
また、オオスズメバチは集団で襲撃する習性があり、巣を刺激すると大量の働き蜂が攻撃態勢に入ります。飛行速度も時速30~40kmと非常に素早く、一度狙われると逃げ切るのが困難です。
オオスズメバチは日本全国に分布し、森林や都市部でも見られるため、特に9月~10月の繁殖期には注意が必要です。巣を見つけた際は決して近づかず、専門業者に駆除を依頼しましょう。適切な知識を持って、安全に対処することが重要です。