蜂の数が多かったり、巣が大きかったりする場合は蜂駆除業者に依頼する人がほとんどですが、微妙なサイズの巣の場合は自分で駆除できるのではと思うこともあるでしょう。
しかし、自分で駆除するのは危険なケースもあります。また、費用の面でも状況によっては蜂駆除業者に依頼する方が安い場合もあるため、状況に応じて判断することをおすすめします。
そこで本記事では、自分で駆除する場合と業者に依頼する場合を費用・リスク・手間と時間の面から比較します。自分で駆除するか迷ったときの参考にしてください。
蜂の巣駆除にかかる費用で自分と業者を比較
蜂の駆除を自分でおこなうときに購入が必要なものの金額と、プロに依頼したときの金額の違いは次のとおりです。
自分で駆除する際の支出の目安 | 蜂駆除業者に依頼したときの料金相場 |
5,000円~13,000円 | 10,000~40,000円 |
下限の金額であれば自分で駆除する方が費用を抑えられますが、購入が必要なアイテムが多い場合はプロに依頼する方が安いこともあります。費用の具体的な項目を確認し、シミュレーションしてみましょう。
自分で蜂の巣を駆除する場合に必要な費用
自分で蜂の巣を駆除する場合、次のような費用がかかります。
必要なもの | 相場価格 |
蜂用殺虫スプレー2本 | 4,000~5,000円 |
蜂用忌避剤スプレー1本 | 2,000円 |
赤いライト | 110~1,500円 |
二重にしたゴミ袋 | 20~100円 |
ほうき・ちりとり(家になければ) | 1,000~2,000円 |
トング(家になければ) | 110円 |
防護服相当の服(不足品の購入) | 1,000~2,000円 |
合計金額 | 5,020円~12,710円 |
蜂用殺虫スプレーの1本あたりの価格は2,000~2,500円が相場で、巣の駆除には2本用意する必要があるため、費用の目安は4,000~5,000円となります。忌避剤は蜂の巣の再発防止用で、1本2,000円が目安です。
また、自分で蜂の巣を駆除する場合は蜂がおとなしくなる夜間に作業するのがおすすめですが、光源を確保する必要があります。その際、蜂が感知できない赤い光を使うことが推奨されているため、赤いライトを用いましょう。懐中電灯に赤いセロハンを付けたものでも構いません。
その他、掃除用具や防護服相当のウェアを作るために必要なものを追加します。100円均一ショップで入手できるものが多いため、自分で駆除する場合の総額はスプレーを含めても5,000円~12,000円程度です。
10,000円以下で収まるのであれば、蜂駆除業者に依頼する金額より安い可能性があります。なお、必要なものの詳細は以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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蜂駆除業者に駆除を依頼する場合の相場
プロに依頼した場合の料金相場は10,000~40,000円ですが、状況によってかかる料金は異なります。具体例を見てみましょう。
料金項目 | 相場価格 |
基本料金 | 5,000~30,000円 |
巣の大きさに応じた追加料金 | 無料~15,000円以上 |
巣の数に応じた追加料金 (2個目以上の1個あたり) |
1,000~2,000円 |
出張費(無料対応エリア外の場合) | 1,000~3,000円 |
高所作業代(ケースによる) | 20,000~50,000円 |
狭所作業代(ケースによる) | 6,000~10,000円 |
難易度に応じた追加料金(ケースによる) | 3,000~5,000円 |
合計金額 | 5,000~115,000円 |
基本料金は蜂の種類に応じて決められていることが多く、比較的安価なのはアシナガバチ、高額なのはオオスズメバチです。この基本料金に、ケースに応じた追加料金が加算されます。
巣の直径が40cm以上で天井裏(屋根裏)などの高所かつ狭所にあり、配線などの電気系統にも留意する必要があるなど、難易度も高い場合は10万円を超えることもあります。
しかし、これほど高額になるケースは多くありません。相場価格は10,000~40,000円で、平均価格は32,238円(※)です。蜂の巣の初期段階であれば10,000円前後で依頼できるケースがあるため、自分で駆除するよりも安い可能性があります。
ただし、蜂の種類によって価格には差があります。詳しくは次の記事をご覧ください。
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(※)平均価格32,238円は当サービス「ハチお助け本舗」に入電のあった51,612件のデータから算出した金額です。
蜂駆除のリスクで自分と業者を比較
自分で駆除する場合と蜂駆除業者に依頼する場合のリスクを比較します。
自分で駆除する場合 | 蜂駆除業者に依頼する場合 |
|
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それぞれを詳しく見ていきましょう。
自分で駆除する場合のリスク
自分で駆除する場合は次のリスクを考慮しましょう。
- 蜂に刺される
- 想像以上に蜂が多いケースがある
- 機器・電気系統を故障させる可能性がある
蜂に刺されると患部が腫れたり、毒によって体調不良になったりします。病院で治療を受ける必要があるため、医療費がかかるという意味ではコスト面でもリスクです。
また、アナフィラキシーショックなどで意識不明に陥ると自分では救急車を呼べないため、離れた場所で見守るサポート役を家族や友人に依頼する必要があります。
想像以上に蜂が多いケースは、巣の大きさが10cmを超えている場合です。遠目から見て小さな巣に思えても、10cmを超えていれば攻撃性の高い働き蜂が羽化している可能性が高いため、刺されるリスクが上昇します。
室外機や電気メーター等の機器・電気系統周辺の巣は自分で駆除するのをおすすめしません。市販の薬剤では基盤や配線をショートさせる可能性があるからです。
蜂駆除業者に依頼する場合のリスク
蜂駆除業者の中には悪質な業者もいます。具体例は次のとおりです。
- 見積時とは異なる作業を独断でおこない追加請求する
- 巣の数や大きさを水増しして追加請求する
- 防護服の購入代金などを請求する
上記は詐欺に該当するような悪質なケースです。本来、見積時では発覚していなかった問題によって金額が変わる場合には、再見積がおこなわれます。合意なく着手して追加請求することはありません。
また、防護服等の費用を請求することもありません。このような項目が見積書・請求書に記載されていれば悪質です。
焦っているときほど、悪質業者に連絡してしまうリスクが高いといえます。次の記事を参考に、悪質業者に騙されないようポイントを押さえておきましょう。
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蜂駆除の手間・時間で自分と業者を比較
最後に、自分で駆除する場合と蜂駆除業者に依頼する場合の作業内容やスピードを比較します。
比較項目 | 自分で駆除 | 蜂駆除業者に依頼 |
作業にかかるスピード | 1時間以上 | 最短10分 |
作業時間帯 | 日没~深夜 | 日中でも可 |
戻り蜂への対応 | 都度確認して対応 | 全滅まで完遂 |
再発防止の対応 | 都度確認して対応 | アフターフォローで対応 |
それぞれを詳しく解説します。
作業にかかるスピードで比較
自分で駆除する場合も、巣が小さければ駆除自体は数分で終わります。しかし、次のような駆除の前後に必要な作業にかかる時間も必要です。
- スプレー等の不足アイテムの購入にかかる時間
- 防護服または防護服相当の服装を装備するための時間
- 後片付けの時間
これらを合計すると、自分で駆除する場合は最短でも1時間程度はかかるものと考えられます。蜂駆除業者であれば慣れているため、駆除まで最短10分、後片付けまで迅速におこなってくれるでしょう。長時間を確保しづらい人は、蜂駆除業者に依頼するのがおすすめです。
作業時間帯で比較
多くの蜂は日中に活発になるため、自分で蜂を駆除する場合は日没から深夜までが安全に作業しやすいタイミングです。日没直後はまだ蜂が活発な可能性もあるため、21時以降をおすすめします。
一方、蜂駆除業者であれば日中でも駆除に対応できます。日中しか時間を確保できない人は、蜂駆除業者に依頼しましょう。
戻り蜂への対応で比較
戻り蜂とは、巣がなくなった後も戻ってきてウロウロする蜂のことです。蜂の巣を駆除した際に逃げた蜂や、遠くまで出かけていた蜂などが戻ってくる可能性があります。
自分で駆除する場合は、蜂の巣から逃げた蜂を漏らさず駆除するのが難しいため、戻り蜂の可能性が高いといえるでしょう。駆除後もしばらくはその場で観察を続けて対処する必要があります。深夜であれば視界も悪いため、なかなか大変な作業です。
蜂駆除業者であれば、巣の周辺の蜂を逃がす確率が下がります。また、再発防止対応で殺虫効果のある薬剤を散布するため、戻り蜂も駆除できるでしょう。
再発防止の対応で比較
駆除の際に女王蜂を逃がしていると、巣が再発する可能性は高くなります。また、蜂にとって好条件がそろっている場所であれば、別の蜂が巣を作る可能性もあります。
自分で駆除した場合は、忌避剤を散布した上でしばらくの間は経過観察するのがおすすめです。再発した場合は初期段階ですみやかに駆除しましょう。
蜂駆除業者に依頼した場合は、女王蜂を逃すことはまずありません。また、駆除した巣の周辺や蜂が好む場所に忌避剤を散布するなど、アフターケアも万全です。
蜂駆除業者によっては、短期間で再発した場合に無料で対応してくれることもあります。再発まで考慮すると、蜂駆除業者に依頼する方が費用、時間ともに低コストといえるでしょう。
総合的に検討して自分でおこなうか業者に依頼するかを選ぼう
蜂の巣が小さく蜂の数も少ない状況であれば、駆除を自分でおこなう方が支出を安く抑えられる可能性があります。自分で新たに購入するアイテムの総額が、業者に依頼した場合の料金相場である10,000円を超えるかどうかが、1つの判断基準です。
ただし、刺されたり機器が故障したりすると、医療費や修理交換代金などがかかるため、結果的に高額になってしまうことも少なくありません。また、万が一巣が再発したときは、再びスプレーなどを購入する必要があります。
21時以降から深夜にかけて自分で作業できるかどうかも含めて総合的に検討し、自分でおこなうかプロに依頼するかを選びましょう。