蜂の駆除業者を探している中、悪質業者のウワサを聞いて依頼に不安を感じる人もいるでしょう。たしかに、業者の中には根拠のない加算請求や、ずさんな駆除を行う業者が存在します。一見すると良い業者に見えることもあるため、業者選びは注意が必要です。
本記事では、悪質な蜂駆除業者の事例と特徴、騙されないためのポイントを解説します。後半では、優良な蜂駆除業者の特徴と万が一の際の相談先も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
悪質な蜂駆除業者の手口
悪質な蜂の駆除業者は何らかの理由をつけ、加算請求をするケースが多いです。そこでまずは悪質業者が、実際にどのような手口で加算請求を行うのか事例をご紹介します。
【事例①】蜂の巣を水増しして加算請求
蜂の巣の数や大きさを水増しし、事前報告なく駆除後に追加請求するケースです。事例を見てみましょう。
悪質業者の主張 |
見積段階では30cmほどの巣だと思っていましたが、実際には50cmありました。50cmの巣を駆除したので、金額を加算します。実費がかかっているため値引きはできません。 |
優良な蜂駆除業者であれば、着手する前に依頼者に相談します。合意なく着手することはありません。また、本当に50cmの大きさであることを写真などで確認します。
一方、悪質業者の場合は事前に相談せずに着手し、追加請求します。巣を破壊された後に見せられても、本当に50cmあったのかは不透明です。実際には30cmのままで、追加請求のための嘘である可能性もあるため注意が必要です。
【事例②】防護服などの不要な費用の追加請求
蜂を駆除するために必要なものとして、『防護服使用料』などの名目で数千円~数万円の料金が加算されるケースもあります。
本来、蜂の駆除業者では防護服代は基本料金に含まれており、別に加算することはありません。
また、防護服以外にも必要ない作業で『特殊作業代』として請求するケースや、事前に説明のない不要な道具、項目などで追加請求するといった悪質な手口もあります。
【事例③】特殊な薬剤の使用料を請求する
通常の駆除用薬剤を使用するにもかかわらず、「特殊な薬剤を使用しなければ駆除できない」などとして『薬剤使用料』を請求する悪質業者もいます。
プロでない限り薬剤の違いがわからないため、依頼者が指摘できないことを悪用した手口です。
注意すべき蜂駆除業者の特徴
悪質業者が見るからに怪しい態度で来ることはありません。人当たりが良いことが多いため、注意が必要です。言葉の端々や説明の内容で判断しましょう。具体的なポイントを解説します。
契約を急かす
契約を急かしたり、必要以上に不安を煽ったりする営業トークに注意しましょう。具体例は次のとおりです。
- 今すぐにでも駆除しなければ危険です
- 今契約してくれるならこの金額です
- この地域では私たち以外で駆除できない規模です
蜂の巣を放置すると大きくなって働き蜂の数が増えるため、たしかに危険です。しかし、数日で巣が極端に肥大化することはありません。他の業者に見積されないように契約を急かしているだけなので、気に留めないようにしましょう。
料金について明確に説明しない
蜂の駆除作業の工程と、それに伴う料金について明確に説明しない、または濁すような態度を取る業者にも注意しましょう。あとで何らかの言いがかりをつけて加算請求をしたい業者は、最初に明確な金額を提示したがりません。
極端に安い金額設定
相場より極端に安い金額を提示された場合は、適切なサービスを受けられない可能性があるため避けてください。次のように、ずさんな対応をされるケースがあります。
- 巣にスプレーをかけるだけ
- 忌避剤を散布せず翌日には再発
巣にスプレーをかけただけで駆除が終わったと主張し、取り外しは別料金として高額請求するケースがあるようです。また、忌避剤の散布などのアフターケアをおこなわないために、数日で再発するケースもあります。
悪質な蜂駆除業者に騙されないためのポイント
悪質業者に騙されないためのポイントを4つに分けて解説します。
相場と見積もりを比較する
蜂駆除の料金には相場があります。蜂の種類や巣の大きさによって、使用する薬剤や必要なスタッフ数がある程度決まるからです。相場を知っておけば、極端に安かったり高額すぎたりする業者を避けられます。
ただし、地域によっても相場価格には違いがあります。次の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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料金体系と見積もりの品目をよくチェックする
見積には、どんな作業にいくらかかるのかが項目別で記載されています。具体的には次のとおりです。
- 基本料金(蜂の種類別の設定)
- シーズン料金(繁忙期の加算)
- はしご・脚立料金
- 高所作業代
- 狭所作業代
- 巣の大きさによる加算料金
このような項目別の料金のなかに、理由不明の加算料金がないかどうかを確認しましょう。わからないことがあれば質問することをおすすめします。
なお、高所や狭所は危険度が高まるため、従業員に手当を出す必要がある分、料金が加算される傾向にあります。これ自体は不当な請求ではありません。ただし、高所ではない場所であるにもかかわらず加算されていれば指摘すべきポイントです。
口コミや評判を調べてみる
契約する前に駆除業者の口コミや評判も調べてみてください。利用者の口コミから、どのような業者なのか実情が見えることがあります。
ただ口コミはあくまでもネットの表面上の意見であるという側面があります。1つひとつの口コミは話半分程度で、他に得られた情報も踏まえて判断するようにしてください。
その場で急かされて契約しない
悪質な業者に騙されないためには、その場ですぐに契約しないようにすることも重要です。優良な業者であれば、依頼主の意向を尊重して待ってくれます。
一方、悪質な業者は他業者の見積と比較されることを嫌がるため、その場での契約を急かす傾向にあります。
見積依頼・契約前に確認しておくと安全なこと
蜂駆除業者に直接連絡して見積依頼をする場合は、次に解説する4つのポイントを確認しておきましょう。
事業者として適切な登録が済んでいる
大前提として、「建築物ねずみ昆虫等防除業」という事業者登録が済んでいなければ、蜂駆除を事業者として請け負うことが認められません。
事業者の住所がある各市区町村のホームページで、「建築物衛生管理業登録業者名簿」や「建築物事業登録営業所の一覧」などの名目でまとめられているので確認してみましょう。
(例)東京都健康安全研究センター「建築物事業登録営業所の一覧」
会社が実在する
悪質な蜂駆除業者の中には、会社の実態を伴わないものがあります。
たとえば、会社のホームページに住所の記載があるものの、Googleマップなどで調べると私書箱やバーチャルオフィスというケースです。架空の住所が記載されていることもあります。
住所が書いてあるから安全というわけではないので、実在するかどうかを調べてみましょう。法人であれば、国税庁の法人番号公表サイトから屋号・住所・法人番号などで調べられます。
実績が豊富にある
ホームページなどで実績が公開されている場合は、詳細を確認してみましょう。次のような実績があれば、幅広い作業に対応できる可能性が高いといえます。
- さまざまな種類の蜂の駆除実績
- 高所作業の実績(2階の軒先や木の上など)
- 狭所作業の実績(屋根裏や床下など)
- 室外機の中などの特殊な場所
たとえば、駆除を依頼したい蜂がオオスズメバチの場合、危険度が最も高い種類であるため経験のある業者に任せたいところです。依頼したい内容と合致する実績があるかを確認しましょう。
費用や作業について丁寧に説明してくれる
見積依頼後に確認したいポイントです。
優良な蜂駆除業者であれば、見積に記載した項目を丁寧に説明してくれます。駆除当日にどのような手順で作業するか、そのためにどのような項目が必要になるかが明確になるでしょう。また、依頼者の質問に対しても誠実に対応するはずです。
作業内容と金額の項目が合致していることを確認し、納得できたときに契約することをおすすめします。
業者とトラブルになった場合の相談先
万が一、悪質業者に依頼してしまった場合の相談先は主に次の3つです。
消費生活センターは、生活全般で取引される商品やサービスの苦情・相談を受け付けている公的な機関です。トラブル解決のためのアドバイスを受けられます。消費生活センターが直接事業者に問い合わせて確認してくれることもあるため、相談してみましょう。
法テラスは国が設立した、法的トラブルを解決するための案内所です。適用できる法制度や的確な相談先を案内してもらえます。弁護士・司法書士費用の建て替えサービスもあります。
悪質業者の特徴を知っていればトラブルを避けやすい
悪質な蜂駆除業者でも、第一印象は良いということが少なくありません。言葉巧みに契約を迫ってくるため注意が必要です。
緊急性が高いときほど冷静に判断することをおすすめします。焦って依頼しても、悪質業者だった場合は適切に駆除してもらえない恐れがあるからです。
手口や謳い文句を把握しておけば、トラブルを避けやすくなります。本記事を参考に、蜂駆除業者を見極めましょう。