スズメバチやアシナガバチなどの危険性が高い蜂の駆除は、プロに依頼するのがベストです。しかし、優良な蜂駆除業者を見極めるのは難しいと感じることもあるでしょう。
そこで本記事では、蜂駆除業者の選び方を4つのポイントに分けて詳しく解説します。後半では、優良な蜂駆除業者の特徴や見積依頼から駆除後のポイントも解説するので、ぜひ参考にしてください。
蜂の駆除業者の選び方
蜂駆除業者の選び方を次の4つのポイントに分けて解説します。
- 対応エリアで絞り込む
- 見積と相場料金を比較する
- 他社と相見積をする
- 口コミや評判を調べる
1.対応エリアで絞り込む
まずは対応エリアで絞り込みましょう。都道府県ではなく、市区町村で絞り込むのがコツです。全国対応の蜂駆除業者であっても、一部エリアは対応外の場合があります。
また、対応エリア内であっても出張費・交通費が別途請求されるエリアに指定されている場合があるため、見積依頼の前に電話や問い合わせフォームで確認しておきましょう。
2.見積と相場料金を比較する
相場を知っておけば、極端に安かったり高額すぎたりする業者を避けられます。蜂の種類ごとの相場・平均価格は次のとおりです。
蜂の種類 | 基本料金 | 基本料金+追加料金の相場 | 平均価格※ |
スズメバチ | 10,000~15,000円 | 10,000~40,000円 | 37,651円 |
アシナガバチ | 5,000~10,000円 | 6,000~30,000円 | 26,052円 |
ミツバチ | 10,000円~ | 10,000~40,000円 | 35,376円 |
※「ハチお助け本舗」に入電のあった51,612件のデータから算出した平均価格
巣の初期段階、直径10cm以内で手が届く開けた場所であれば、基本料金に近い金額で駆除を依頼できるでしょう。追加料金がかかるのは、巣が大きい場合や難易度の高い場所にあるときです。
平均価格が相場の中でも後半の金額になっているのは、巣がある程度大きくなった段階で発見し、依頼するケースが多いものと考えられます。
なお、地域によっても相場価格には違いがあります。地域ごとの差や追加料金項目の詳細も含めて、次の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
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料金体系と見積の品目を確認する
見積の品目(項目)には次のようなものがあります。
- 基本料金(蜂の種類別の設定)
- シーズン料金(繁忙期の加算)
- はしご・脚立料金
- 高所作業代
- 狭所作業代
- 巣の大きさによる加算料金
2階の軒下などの高所や床下などの狭所は危険度が高く、従業員手当てが必要な分、料金が加算される傾向にあります。これ自体は不当な請求ではありません。
ただし、高所ではない場所であるにもかかわらず高所作業代が加算されていれば、指摘すべきポイントです。
このような品目をチェックして、理由不明の加算料金がないかどうかを確認、わからないことがあれば質問しましょう。説明が曖昧な場合や納得感がない場合は、他社にも見積を依頼して同じ結論が出るかどうかを確認することをおすすめします。
駆除料金10万円は詐欺?
駆除料金10万円は相場を超える高額ですが、一概に詐欺とは言い切れません。次のように特殊なケースの場合、10万円を超えることがあります。
- 壁・天井等の解体が必要な場合
- 高所作業用の足場を組む必要がある場合
- 立ち入りが難しい場所にある場合(特殊機材の使用)
たとえば、民家の真裏の崖や2階以上のビルの壁面に蜂の巣がある場合、高所作業用の足場を組む必要があります。人手が多く必要になる分、高額になりがちです。
ただし、このような特殊な状況でないにも関わらず10万円を超える見積を提示されたときは、他社にも見積を依頼することをおすすめします。本来であれば不要な料金を追加されている可能性が高いからです。
悪質な蜂駆除業者の事例や手口、特徴を詳しく知りたい人は次の記事をご覧ください。
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3.他社と相見積をする
エリア内で蜂駆除を実施できる業者が複数ある場合は、相見積をして金額や作業内容を比較するのが確実です。複数社で共通している項目と個別の項目がわかるため、質問もしやすくなります。
ただし、比較して安いところを選べば良いというわけではありません。次のポイントも考慮して、信頼できる業者を選びましょう。
- 料金体系がわかりやすい
- 見積の項目が詳細
- 品目の説明が丁寧、わかりやすい
- 巣や現場の状況も説明してくれる
- アフターフォローが充実している(再発時の対応など)
相場に近い適正価格であることを前提として、作業内容に納得できるか、説明や対応が親切かどうかを吟味しましょう。また、短期間で再発した場合に無償対応するなどのアフターフォローも確認することをおすすめします。
4.口コミや評判を調べる
悪質な業者でもホームページのデザインなどはリッチに作られていることがあるため、判断が難しい場合があります。WEBの検索窓やSNSなどで事業者の名称を検索し、口コミや評判を見てみましょう。
悪質な事業者の場合は「詐欺」「高額」「注意」「追加請求」などキーワードが書かれている可能性が高く、判断の材料になります。逆に、優良な業者であれば「迅速」「親切」「丁寧」などのキーワードが中心です。
優良な蜂駆除業者の特徴
最後に、優良な蜂駆除業者の特徴を解説します。複数社の見積内容が似ていて、判断に迷うときの参考にしてください。
対応が迅速
実績豊富な蜂駆除業者であれば、蜂の巣を放置する危険性を理解しているため迅速に対応してくれます。次のようなポイントで見極めましょう。
- 問い合わせフォームへの返信が早い
- 電話がすぐにつながる
- メールや電話の概算見積の伝達が迅速
- 現場見積の来訪が早い(最短即日)
- 駆除までの手配が早い
蜂の種類と巣の場所の守備範囲が広い
実績に記載されている蜂の種類と巣の場所が多様な業者がおすすめです。業者を選ぶケースには次のようなものがあります。
- オオスズメバチ
- 壁の中
- 高所
- 狭所
- 室外機やメーターBOXなど電気系統の中
- 50cmを超える蜂の巣
これらの蜂の種類や巣の場所、大きさに該当する場合は、実績がありノウハウを持っている業者に依頼するのが安心です。
見積内容の説明が丁寧
優良な蜂駆除業者の見積は詳細です。基本料金と追加料金の項目がしっかり分けて記載されており、蜂の巣の大きさや場所に応じた項目も明記されています。
その上で、現場見積でわかった状況を説明してくれるので、納得して契約に合意できるでしょう。
また、依頼者からの質問に対しても、親切に対応してくれるはずです。
事前の見積以外の金額を請求しない
優良な蜂駆除業者は事前の見積以外の作業を無断で実行し、追加請求することはありません。
実際に駆除するときになって蜂の巣が見積時より大きい、数が多いことが発覚した場合でも、駆除を実行する前に再見積が提案されるはずです。合意できない金額であれば、キャンセルできます。
アフターフォローが充実している
優良業者の場合、蜂の巣づくりが再発しないようにアフターケアも充実しています。具体的には次のとおりです。
- 戻り蜂の駆除
- 忌避剤の散布
- 防虫ネットの設置
戻り蜂は巣の駆除をした後、生き残った蜂が戻ってくることです。女王蜂が生き残っていた場合、巣づくりが再開される恐れがあります。
アフターフォローは戻り蜂の駆除や忌避剤の散布、防虫ネットによって再発を防止するためのケアです。
また、効果が持続する期間を保証し、再発した場合は無料でアフターフォローする優良業者もいます。アフターケアまで考慮して料金とのバランスを確認してみましょう。
蜂駆除業者に依頼するときの4つのポイント
最後に、蜂駆除業者への見積もり依頼から駆除完了後までのポイントを次の4つに分けて解説します。
- 電話や問い合わせフォームで状況を説明する
- その場で契約しない
- 説明を求める
- 駆除後の現場確認はしっかりおこなう
1.電話や問い合わせフォームで状況を説明する
蜂の種類や巣の場所がわかっている場合には、できる限り詳細に伝えるように心がけましょう。場所によっては現場見積の段階でも、高所用のカメラ機材等が必要になる可能性があるからです。
また、状況をしっかり説明することで、駆除料金の上限額などの概算見積を案内してもらえる可能性もあります。
2.その場で契約しない
複数社への相見積の時間を確保する意味も含めて、その場で契約しないのがベストです。蜂の巣は春先は1日あた数ミリ、6~10月は1日あたり1cm以上大きくなりますが、3日程度放置しただけで急激に肥大化することはありません。
土日祝日など時間を確保しやすいときに、複数社に見積を依頼して比較検討しましょう。契約は見積と作業内容に納得したときです。
3.説明を求める
見積書の内容が詳細に記載されていても、しっかり説明を求めることをおすすめします。見積書はフォーマットがあれば作成できますが、現場の状況説明はマニュアル通りにはいきません。説明の内容や口調、態度などによって、優良業者か否かを見極めやすくなります。
不親切な場合や曖昧にして押し切ろうという態度が見える場合には、一旦帰ってもらって他社にも相談してみましょう。
4.駆除後の現場確認はしっかりおこなう
見積内容や説明が誠実で合意に至った場合は、駆除の日時を決定して当日に実行されます。駆除当日は時間に余裕を持ち、完了後の現場確認をしっかりおこなうことを心がけましょう。確認ポイントは次のとおりです。
- 蜂の死骸や巣のかけらまで掃除できている
- 巣の残りが壁や隙間などに残っていない
- 忌避剤が散布されている
- 駆除の場所に傷や破損が生じていない
支払いは状況確認後であり、支払うと仕上がりに合意したことになるため、万が一、後から物品の破損や駆除不足に気づいた場合でも取り消しづらくなります。仕上がりに納得できないときは、まずは支払わずに消費者センターに相談しましょう。
なお、蜂の死骸までしっかり片づけてもらうべき理由は、死んだ後でも反射で毒針を刺してくる(※)からです。
(※)スズメバチの場合
優良な蜂駆除業者を見極めて依頼しよう
蜂駆除業者を選ぶときは、まずは対応エリアで絞り込みましょう。その上で、複数社に見積を依頼し、料金と作業内容、説明の誠実さなどを比較して選ぶことをおすすめします。
迷ったときや納得しきれないときは一旦契約せず、さらに別の業者にも相談するのがベストです。
その上で、駆除当日は時間の余裕を持ち、完了後の状況をしっかり確認してから支払いに進みましょう。