スズメバチの飛来に困っているときには、市販のスズメバチトラップが有効です。しかし、誘引捕獲タイプ・毒エサタイプ・粘着タイプという違いがあり、価格帯も異なるため、どれを選ぶべきか迷うこともあるでしょう。
そこで本記事では、市販のスズメバチトラップ3タイプの違いと選び方を詳しく解説します。後半ではおすすめの商品も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
市販のスズメバチトラップは3タイプ
スズメバチトラップには誘引捕獲タイプ、粘着タイプ、毒エサタイプの3種類があります。違いは次のとおりです。
種類 | 誘引捕獲タイプ | 毒エサタイプ | 粘着タイプ |
---|---|---|---|
商品例 | ![]() | ![]() | ![]() |
駆除方法 | 毒・溺死・餓死 | 毒 | 餓死 |
誘引力 | 強 | 強 | 低 |
駆除できる個体数 | 10~30匹 | 数十~数百匹 | 10~30匹 |
巣への効果 | ない | ある | ない |
価格 | 1,000~2,000円 | 1,000円前後 | 1,000円以下 |
スズメバチトラップの選び方

スズメバチトラップの選び方を、時期・場所・その他条件に分けて解説します。
駆除する時期で選ぶ
時期 | 適したタイプ |
---|---|
3月~6月前半 | 誘引捕獲タイプ、毒エサタイプ、粘着タイプ |
6月下旬以降 | 毒エサタイプ |
3月~6月前半は個体数が少ないため、10~30匹でも捕獲・駆除できれば蜂が増えるリスクを低減できます。とくに女王蜂単体で行動している3~5月に捕獲できればベストです。営巣と産卵が停止するため、蜂の数が増えるリスクを低減できます。
一方、6月下旬以降は多くの働き蜂が羽化するため、誘引捕獲タイプや粘着タイプはすぐに満杯になる可能性があります。頻繁に交換する必要があり、手間と費用がかかるでしょう。6月下旬以降は、置いておくだけで巣内にいる蜂にもアプローチできる毒エサタイプがおすすめです。
設置する場所で選ぶ
場所 | 適したトラップ |
---|---|
裏庭 | 誘引捕獲タイプ、毒エサタイプ |
玄関 | 粘着タイプ |
ベランダ | 粘着タイプ |
畑 | 誘引捕獲タイプ |
室外機付近 | 毒エサタイプ、粘着タイプ |
誘引捕獲タイプと毒エサタイプは、匂いで蜂を引き寄せるため、人の出入りが少ない場所向きです。人の出入りが多い場所ではむしろ危険性を上昇させる恐れがあるため、設置は避けましょう。
ベランダや玄関などの人の出入りが多い場所には、粘着タイプがおすすめです。とくにベランダはプランターの花や柔軟剤の香りが蜂を引き寄せる効果を持つため、誘引力の低い粘着タイプでも効果を発揮しやすい場所といえます。
室外機等の機器がある場所では、誘引捕獲タイプは避けましょう。容器内の液体がこぼれた場合、機器のサビや故障につながる恐れがあるからです。
その他の条件で選ぶ
条件 | 適したトラップ |
---|---|
小さな子供やペットがいる | 粘着タイプ |
木やフェンスがない | 粘着タイプ、毒エサタイプ |
小さな子供やペットがいる場合は、毒エサタイプや誘引捕獲タイプを選ぶのは避けましょう。これらのタイプに含まれる蜂用の殺虫剤(毒)は大人にとっては低リスクですが、子供やペットには影響が強い恐れがあります。誘引捕獲タイプは吊るすことが前提になるタイプなので、木やフェンスなどのひっかけられる物がない場所には設置できません。
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【誘引捕獲タイプ】市販のスズメバチトラップおすすめ2選
フマキラー カダン ハチ超激取れ

画像引用)フマキラー公式サイト
製品名 | カダン ハチ超激取れ |
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メーカー | フマキラー |
価格 | 2,000円前後(オープン価格) |
内容量 | 2個 |
持続期間 | 約1ヵ月 |
適用害虫 | スズメバチ ツマアカスズメバチ アシナガバチ ガ ハエ コガネムシ |
注意事項 | 巣から10m以上離れた場所に設置 住居から2~3m離れた場所に設置 |
人工樹液と乾燥酵母の匂いで、設置場所から半径3m程度の範囲に訪れたスズメバチを誘引します。一度中に入ると出にくい容器の構造で、中の誘引液に溺れさせる仕組みです。
スズメバチだけでなく、アシナガバチ・ガ・ハエ・コガネムシも駆除できます。一方、農業や園芸にとって益虫であるミツバチとマルハナバチは誘引しないので、誤って駆除する心配がありません。
SHIMADA 業務用スズメバチ誘引捕獲器

画像引用)SHIMADA公式サイト
製品名 | 業務用スズメバチ捕獲器 |
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メーカー | SHIMADA |
価格 | 700~1,000円(オープン価格) |
内容量 | 2個 |
持続期間 | 約30日 |
適用害虫 | スズメバチ アシナガバチ ガ ハエ コガネムシ |
注意事項 | ― |
業務用として販売されていたものを、家庭用としても使えるようにリニューアルした商品です。蜂をおびき寄せて溺死させる仕組みで、薬剤を使っていないため、農作物の近くでも使いやすい商品といえます。
スズメバチ・アシナガバチ・ハエ・ガ・コガネムシなどの害虫に対応している一方で、ミツバチは誘引されないこともメリットです。
【毒エサタイプ】市販のスズメバチトラップおすすめ商品
アースガーデン スズメバチの巣撃滅 駆除エサタイプ 1個入

画像引用)アース製薬公式サイト
製品名 | アースガーデン スズメバチの巣撃滅 駆除エサタイプ 1個入 |
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メーカー | アース製薬 |
価格 | 600~1,000円(オープン価格) |
内容量 | 1個 |
持続期間 | 2週間 |
適用害虫 | スズメバチ |
注意事項 | 直射日光が当たる場所を避ける 子供やペットに触れさせない 持続期間経過後は速やかに回収 |
巣の場所がわからないときに有用な毒エサタイプです。黒蜜や発酵樹液の匂いでスズメバチを誘引し、毒エサを巣まで持ち帰らせます。毒エサを働き蜂が持ち帰ることで、育児担当の働き蜂や幼虫、幼虫から分泌液を受け取る女王蜂まで全滅させる仕組みです。新たに孵化した幼虫も育児担当がいないため、弱って死んでいきます。
【粘着タイプ】市販のスズメバチトラップおすすめ商品
イカリ消毒 スズメバチハンター スズメバチ捕獲シート

画像引用)イカリ消毒公式サイト
製品名 | スズメバチハンター スズメバチ捕獲シート |
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メーカー | イカリ消毒 |
価格 | 600~800円(オープン価格) |
内容量 | 2枚 |
持続期間 | ― |
適用害虫 | スズメバチ、その他の蜂 |
注意事項 | 設置・回収時は肌を保護する 必ず屋外で使用する 平置きの場合は重りで固定する 10℃~35℃の範囲で使用する |
蜂が狙うとされている黒色の粘着シートです。耐水台紙を採用しているため、雨に濡れても長持ちします。平置きはもちろん、穴が開いているため紐やフックをつければ吊るして設置することも可能です。
設置時期と期待する効果でスズメバチトラップを選ぼう
スズメバチトラップには誘引捕獲タイプ・粘着タイプ・毒エサタイプがあり、それぞれに得意な時期や場所、条件があることがわかりました。
女王蜂の巣作り前や働き蜂の数が少ないときは誘引捕獲タイプや粘着タイプがおすすめです。スズメバチを捕獲できる数は少ないものの、働き蜂が増える前であれば全滅させられる可能性があります。また、粘着タイプは人の出入りが多い場所など、誘引や薬剤の使用が難しい場面でも有用です。
毒エサタイプは働き蜂が増えた後や、巣がどこにあるかわからないときに適しています。毒エサを持ち帰らせることで、巣を壊滅させられる可能性があるからです。ただし、これらのトラップを設置しても状況が改善しない場合は、スズメバチが大規模なコロニーを形成しているリスクがあるため、ぜひプロにご相談ください。
