蜂の目は単眼と複眼で5個もある!人間とは異なる可視光線

蜂の目は人間の目とは数も見えているものも大きく異なります。蜂が見る世界は、人間が見ている世界とは別物です。人間には見えて蜂には見えないものもあるので、この違いを活用すると蜂を駆除するときの安全性が高まります。

本記事では、蜂の目の構造と見えている色、動体視力などの詳細を解説します。蜂の視力と追跡距離の関係、黒が狙われるという説の詳細、駆除に赤いライトが有用といわれる理由も解説するので、ぜひ参考にしてください。

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    蜂の目とは?構造と能力を解説

    蜂の目は、人間とはまったく異なる世界を映し出しています。彼らは「複眼」と呼ばれる特殊な目を通して、広い視野と優れた動体視力を持ち、紫外線まで見通すことができるのです。

    構造:単眼と複眼

    蜂の目には「複眼」と「単眼」の2種類があり、それぞれ役割が異なります。

    目の種類単眼複眼
    32
    (個眼の数は3,000~9,000)
    感知しているもの周囲の様子、色、形

    単眼は光を感知しています。太陽の位置を認識することで、進行方向を制御するために使われています。また、朝日がのぼると活動を開始し、日が沈むと巣に帰るなど、行動を判断しているともいわれています。

    複眼は物の形や色、動くものを感じ取るための目です。小さなレンズ(個眼)で構成されており、広い視野をもっています。しかし、個眼の視覚情報を統合して処理する網膜はないため、物体を立体的な構造としては認識していないとされています。個眼の数は女王蜂が3,000~4,000個、働き蜂が4.000~5,000個、オス蜂が7,000~9,000が目安です。

    能力①:蜂が視認できる色

    蜂の色覚は、人間とは大きく異なります。

    項目
    視認可能な波長の下限300nm360~400nm
    視認可能な波長の上限650nm760~830nm
    特徴360nm以下の紫外線を視認できる
    650nm超えの赤色は視認できない
    360~400nm以下の紫外線を視認できない
    760~830nm以上の赤外線を視認できない

    蜂が見える色(光)の波長は300~650nmで、人間の可視光線は360~830nmです。なお、紫外線は10 ~40 nmの波長、赤外線は可視光線の長波長端(760~830nm)から1mmの波長を指します。人の可視光線には個人差があるため、可視光線の幅が広い人は、他の人には見えない光が見えている可能性があります。

    人に視認できて蜂には見えない色は、650~700nm以上の赤色です。人間が赤色として認識しているものは、蜂にはグレーや黒に見えており、暗い場所では見分けることができません。

    逆に蜂に見えて人間に見えない色は360nm以下の色(紫外線)です。紫外線を認知する能力によって、人間には見えない見えない花の色「蜜標(ネクターガイド)」を捉えるといわれています。蜜標によって、どこに蜜(エサ)があるかを正確に判断でき、効率的な訪花行動が可能になるということです。

    能力②:動体視力は人間以上

    単眼は光を感知し、物体が横切った(光が遮られた)という情報を素早く脳に伝達しています。その情報サポートを受けた複眼が、物体の形や色、様子をとらえる仕組みです。複眼を構成する多数の個眼は少しずつ異なる方向を向いています。この構造によって広い視野を確保しているため、近づく外敵や捕食対象の存在を逃しません。

    また、人間は動くものを1秒間で30~40回捉えますが、蜂は約10倍の300回も捉えるとされています。これは動画のフレームレート(1秒間のコマ数、単位はfps)をイメージすると理解しやすくなります。人と蜂の目、身近な動画のfpsをまとめました。

    項目フレームレート
    防犯カメラ3~5fps
    リモート会議15~30fps
    テレビ30fps
    人の目30~40fps
    ゲーム60~240fps
    蜂の目300fps

    高fpsのゲームの以上のフレームレートで視認できる蜂にとっては、相手の動きがカクつくことなくヌルヌルと見えるということです。相手の行動を逃さず的確に防衛・攻撃する能力につながっています。

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    蜂を駆除するときに赤いライトを使うべき理由

    蜂の駆除は蜂の活動が低下する夜間におこなう方が安全ですが、夜間は人間の視界も悪くなるため、光源が必要です。ライトの色は赤が推奨されています。

    先述のとおり蜂は700nm以上の波長をもつ赤色の光を認識できないため、赤のライトを当ててもグレーまたは黒に感じられ、光とはとらえません。人間が紫外線や赤外線を光として感知できないのと同じです。

    人間は赤いライトを光源として利用できるため、夜間でも足場や周辺の状況を確認しやすくなります。懐中電灯に赤色のセロファンをつけるだけでも赤色のライトは作れるので、まずは安全なところで光の色を試してみましょう。

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    蜂の追跡能力には視覚だけでなく嗅覚も関係

    スズメバチの中には、外敵とみなした物体を30m程度追跡できる種類がいます。この追跡能力には、優れた動体視力と視野の広さだけでなく嗅覚も関係しているといわれています。

    視力だけでいえば、蜂の目は人間に置き換えると0.01程度の近眼で、遠くを見通すことはできません。外敵を素早くとらえることはできても、視覚だけで追跡はできないということです。

    一方の嗅覚は、数十メートル先の物体まで感知できるといわれています。外敵を目でとらえ、臭いを覚えて追跡していると考えられます。

    蜂は黒い物を狙う?実際は黒以外も該当する可能性

    蜂は黒いものを狙うといわれています。その理由は諸説あり「外敵の急所である目が黒いから」「天敵のクマの色が黒いから」などさまざまです。いずれにしても、黒色は狙われやすいと考えられています。

    しかし、蜂の目の特徴を考えると、人間が思う「黒」とは違う可能性があることに留意する必要があるでしょう。700nm以上の波長の赤色は、蜂にとってグレーまたは黒に見えています。つまり、赤色と黒色の区別がつかないため、赤色の服も蜂が狙う可能性が高いということです。

    なお、夜間は黒色や赤色が安全な色に変わります。暗闇と同化し、蜂が視認しづらくなるからです。

    蜂と人間では見えている世界が違う

    蜂は人には見えない紫外線をとらえ、動体視力も人より高いことがわかりました。蜂の目から見れば、花の色がまったく異なって見えるというのは面白いポイントです。また、黒いものを攻撃すると言われていますが、人間が黒と認識している色とは異なる可能性があります。

    蜂が認識できない赤色は、蜂の駆除に役立ちます。蜂の活動が低下する夜間に駆除をおこなう際は、赤色のライトを活用しましょう。

    ただし、赤いライトを使えば絶対に安全というわけではありません。蜂は嗅覚も優れているので、巣に近づくだけでも危険な場合があります。蜂の巣が大きい、高所にあるなど危険性が高いときはプロに相談してください。

    よくある質問

    蜂は夜間でも目が見えるのですか?

    光が弱い環境では視覚が低下します。

    蜂はどのくらいの視野角を持っていますか?

    約300度以上の広視野のため、死角は少ないです。

    蜂の目はどれくらい動きを素早く認識できますか?

    1秒間に数百回の動きを識別可能です。人間より動体視力に優れています。

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