スズメバチが寄ってきた場合の対処法とは?寄せ付けないための対策も紹介

もし外出先や自宅で蜂が寄ってきたら、驚いて大声を挙げたり、手で追い払おうとしてしまったりする方が多いのではないでしょうか。

しかし、これらの行動はかえって蜂を刺激して攻撃的にしてしまうため逆効果です。

そこで、今回の記事では人に寄ってくる蜂の種類をはじめ、人に寄ってくる原因や蜂が寄ってこないようにするための対策、寄ってきたときの対処法や万が一蜂に刺されてしまったときの応急処置などについて詳しく紹介します。

いざというときに慌てず対処できるよう、ぜひご参考にしてください。

人に寄ってくる蜂の種類とは?

日本には4,000種類以上もの蜂が生息しているといわれていますが、ここでは人を刺す蜂として知られているスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの3種類について紹介します。

スズメバチ

スズメバチは大きくくびれた胴体とオレンジ色の体、黒色っぽい脚が特徴的で体も大きく、最大で5cmほどあります。

日本全国に広く分布しているスズメバチは、蜂のなかで最も危険で攻撃性や毒性が高いことで知られています。

なお、日本に生息している17種類のうち、「オオスズメバチ」「キイロスズメバチ」「コガタスズメバチ」は都市部での被害も多く報告されています。

また、スズメバチは外敵から巣を守るために人を刺すのですが、その毒針は毒液が残っている間は一匹で何回でも刺せるという特徴を持っています。

しかし、むやみに刺激を与えたり近づいたりしなければ刺されることはあまりないため、万が一スズメバチが寄ってきた場合は大声を出したり、手で追い払ったりしないように注意してください。

より詳しくはこちらの「スズメバチの巣の駆除」「スズメバチの3つの対策」でご確認ください。

アシナガバチ

アシナガバチは長い後ろ脚を垂らしながらフワフワ飛ぶのが特徴で、農業害虫を捕食する益虫の役割も果たしています。

スズメバチと比べれば攻撃性はあまり高くないものの、急に近づいたり触ったりなどの刺激を与えると刺されてしまうことがあります。

しかも、スズメバチと同様に、一匹が何度も刺せる針を持っています。

日本に生息する11種類のなかには毒性が強い種類もいて、刺されたときの痛みが強いといわれています。

アシナガバチは都市部でも多く見られ、生息数の多いアシナガバチである「セグロアシナガバチ」「フタモンアシナガバチ」「キアシナガバチ」は、軒下やベランダなどの開放的な場所に巣を作ります。

巣作りをしているアシナガバチが活発に活動する6~8月頃は被害が急増しているため、軒下やベランダ、樹木の枝などに巣を作られていないか時々確かめるとよいでしょう。

なお、アシナガバチは11月頃まで発生するため、秋になっても油断せず、万が一寄ってきたら刺激しないように注意してください。

より詳しくはこちらの「アシナガバチを自分で駆除する」でご確認ください。

ミツバチ

ミツバチは1~2cmと小さく、ずんぐりした体が特徴で、日本に生息しているのは「セイヨウミツバチ」と「ニホンミツバチ」の2種類です。

人を刺す蜂のなかでもスズメバチやアシナガバチに比べて穏やかな性格ですが、巣が危険な状態になると集団で攻撃してくるため注意が必要です。

ミツバチの針はギザギザしているため、一度刺すと抜く際に胴体も針ごと抜けて命を落としてしまいます。

しかし、ミツバチの毒性は弱いため、スズメバチやアシナガバチに刺されたときほど被害が酷くなる可能性は低いといわれています。

なお、ミツバチがスズメバチやアシナガバチと大きく異なる点は、巣ごと冬を超えるため、ほぼ1年中活動していることです。

また、巣作りは5月後半~9月にかけて行なわれますが、ミツバチが攻撃的になる時期は越冬準備をする10月~11月と越冬直後の2月~3月であることも、スズメバチやアシナガバチとの違いです。

人に寄ってくる蜂の代表はスズメバチとアシナガバチ、ミツバチの3種類ですが、それぞれ攻撃性や毒性などに違いがあります。

しかし、いずれの蜂も人間側から巣に近づいたり刺激したりしなければ、攻撃してくることはないことを理解しておきましょう。

ミツバチの駆除についてはこちらの「ミツバチの駆除料金」でご確認ください。

蜂が人に寄ってくる原因とは?

香水をつける人

蜂を刺激した覚えがなくても、外出した際に蜂が寄ってきたという経験をした方もいるのではないでしょうか。

ここでは、蜂が人に寄ってくる原因を3つに分けて紹介します。

甘い匂いをするものを身に着けている

蜂は匂いのあるもの、特に甘い匂いに寄ってくる習性があるため、香水や柔軟剤、制汗剤や整髪料など、強い香りのするものを身に着けないようにしましょう。

近年は香りの強い柔軟剤も多く販売されていますが、洗濯物に寄ってくることもあるため、外干ししている方は洗濯物を取り込む際に注意してください。

なお、飲みかけのジュースなどは、フタを開けたまま放置すると入り込んでしまうという事例があるため、中身が入っていてもいなくても、フタを開けたまま放置するのはやめましょう。

また、甘い匂いだけではなく、体臭が原因で寄ってくることもあるため、汗をかいたままの状態でいるのは大変危険です。

黒っぽい服装をしている

蜂は黒い色に攻撃性を持つ習性があるため、黒色の服を着て外出する際は蜂に刺されないように注意が必要です。

蜂が黒い色を狙う理由にはいくつかの説がありますが、蜂の天敵である熊の色と同じだからという説が有名です。

ただし、この説に科学的な根拠があるわけではないため、黒色の服を着ているから必ず蜂が寄ってくるというわけではありません。

蜂を刺激する動きをする

手で追い払うような仕草や、草刈りなどの農作業中の動きなど、蜂にとって不審な動きをしたことで刺激してしまうことがあります。

また、蜂は聴覚が発達しているため音にも敏感で、大声を出したり大きな物音をたてたりすると興奮しやすいという特性を持っています。

蜂は動きだけではなく物音にも敏感に反応するため、手の動きや声の大きさにも気をつけましょう。

このように、蜂が寄ってくる原因は「匂い」や「色」、「動きや音による刺激」にあります。外出する際は蜂に刺されることがないように、十分に注意してください。

蜂が寄ってこないようにするための対策

チェック

ここでは蜂が寄ってこないようにするための対策方法について紹介しますので、万が一の場合に備えて覚えておきましょう。

外に出るときは匂いがしないかチェックする

蜂は嗅覚が発達しているため、甘い匂いや強い匂いに敏感に反応するため、外出前に香水や柔軟剤、制汗剤や整髪料などの匂いをチェックしましょう。

もし、蜂が好む甘い匂いがしたり匂いが強かったりする場合は、匂いのするものを使うのを避けたり、無香料のものを使ったりして対処してください。

また、なるべく食べ残しや飲み残しをしないように注意し、もし残した場合はきちんとフタを閉めるように習慣づけるとよいでしょう。

甘い匂いや強い匂いのするものを使っていなくても、汗の匂いに反応するケースもあるため、毎日お風呂に入り、体を清潔に保つことも大切です。

黒っぽい服装は避け肌を隠す

蜂は黒い色に反応して攻撃性が高くなるため、蜂が多くいるような場所へ行く際は白や淡い色の服を着用し、蜂を刺激しないようにします。

服装以外では、髪の毛の黒色に反応することもあるため、白っぽい帽子などで隠すとよいでしょう。

また、肌を露出していると蜂に刺されやすくなるため、露出の少ない長袖・長ズボンを着用することも効果的です。

蜂を刺激するような動きをしない

蜂が近くを飛んでいるときは、大きな声を出したり、農作業の機械音を出したりしないように注意しましょう。

また、蜂を追い払うような仕草や、走って逃げるような行動は蜂の攻撃性を刺激してしまいます。

万が一蜂が寄ってきた場合には、蜂がいなくなるのを待つか、静かに遠ざかるようにするのがおすすめです。

蜂が寄ってこないようにするためには、甘い匂いや強い匂いのするものを使わないこと、黒色の服は避けて白や淡い色など明るい色の服を着用すること、肌の露出を減らすことの3点が重要であることをおわかりいただけたと思います。

ぜひ、これらの注意事項を参考に、蜂が近づきにくい状況を作って対処してください。

蜂が寄ってきたときの対処法

ここでは刺激したわけでもないのにスズメバチが寄ってきたり、家の中に入ってきたりした場合、どのように対処すれば良いのか、その方法について紹介します。

また、うっかり蜂を刺激してしまった場合の対処法についても紹介します。

蜂を刺激していないのに寄ってきた場合

刺激したわけでもないのに蜂が寄ってくる場合、ポイントとなるのは「蜂が威嚇行動をしているかどうか」です。

敵と判断したものの周囲を飛び回ったり、羽を羽ばたかせて羽音をさせたりしていれば、
それは蜂の威嚇行動です。

また、アゴをカチカチ鳴らしたり、空中で停止して狙いを定める動きも威嚇行動として知られています。

このような場合はできるだけ静かに行動し、蜂が遠ざかっていくのを待ちましょう。

なお、嗅覚が発達している蜂は、甘い匂いや強い香りに反応します。何か甘い匂いのするものを身に着けていないかも、確認しておくことをおすすめします。

家の中や車内に蜂が入ってきた場合

窓を開けていると、家の中や車の中に蜂が入ってくることがあります。

このような場合は無理に追い出そうとしたり、叩いたりすると刺される可能性もあるため、できるだけ身動きをせず、静かに窓を開けましょう。

蜂は明るい方向に向かって飛ぶ習性があるため、部屋や車の中の電気を消して暗い空間を作り、外へ出ていくのを追いついて待つようにします。

なお、このようなケースでは、家や車の近くに蜂の巣が作られていることがあります。外出したり窓を開けたりする際は十分注意してください。

蜂の巣を刺激して寄ってきた場合

蜂や蜂の巣をうっかり刺激してしまった場合、威嚇行動をしながら蜂が寄ってくることがあります。

その際は、蜂には真下が見えていないことを利用し、低い姿勢でゆっくりとあとずさりしながら建物の中に逃げましょう。

なお、逃げる際は、蜂にさされないように、首や顔などの肌が露出している部分を衣類で守ってください。

また、蜂が寄ってきても、追い払ったり叩いたりするなど、こちら側からは絶対に攻撃しないことも重要です。

蜂の巣が近くにあるのを知らない場合などは、自分では気付かないうちに蜂を刺激していることも考えられます。

そうした場合でも落ち着いて、冷静に対処すれば刺される危険性は低くなるため、ここで紹介した対処法を覚えておくとよいでしょう。

蜂に刺されてしまったときの応急処置のやり方

救急箱

万が一蜂に刺されてしまったら、できる限り素早く応急処置をすることが大切です。

ここでは応急処置のやり方について紹介しますので、いざというときに慌てないように、ぜひ覚えておいてください。

まず、蜂の巣の近くで刺された場合は、すみやかに巣から離れましょう。

蜂に刺されると興奮物質である毒液が空中に撒き散らされるため、多くの蜂が集まって攻撃してくることがあり、大変危険です。

スズメバチの場合であれば、10m~50m程度は離れるようにしてください。

次に、応急処置の方法です。

1.刺された場所に針が残っていたら、ピンセットで取り除く
ただし、針が残るのはミツバチに刺された場合だけで、スズメバチやアシナガバチに刺されても針は残りません。

2.毒を絞り出し水で流す
刺されたところを流水でよく洗い流し、手で毒液を絞り出すようにします。水で洗うことで、毒を薄める効果と傷口を冷やす効果が期待できます。

なお、毒液を絞り出す際に口で吸い出すことは危険なので、周囲の方にもやらないように注意してください。

3.腫れていたら抗ヒスタミン成分が含まれるステロイド軟膏を塗る
これは、手元にある場合のみ可能な応急処置ですが、抗ヒスタミン成分が含まれるステロイド軟膏を塗ることで、かゆみを軽減することが可能です。

なお、一部ではアンモニアを塗ると良いといわれることがありますが、アンモニアにかゆみや痛みを軽減させる効果はありませんので注意してください。

4.じんましんや全身のかゆみ、息苦しさ、嘔吐、腹痛などの症状がある場合はすぐに医療機関を受診する
蜂に刺された場合、アナフィラキシーショックを起こす場合があります。

呼吸困難や血圧低下など、命に関わる重い症状をともなう場合もあるため、少しでも異変を感じたら、すぐに救急車を要請してください。

アナフィラキシー症状が現れてから約15分で心肺停止になるといわれているため、できる限り早く治療を受ける必要があります。

正しい処置・治療を受けることで症状は改善するため、必ず医療機関を受診しましょう。

まとめ

人によってくる蜂は「スズメバチ」「アシナガバチ」「ミツバチ」の3種類が多く、巣作りをする時期や巣を守る際は攻撃性が高くなります。

スズメバチが人に寄ってくる原因は「甘い匂い」「黒っぽい服」「蜂を刺激する動きや音」といわれているため、香水や柔軟剤などの甘い匂いがするものは避けて、無香料のものに変えるのも、蜂を近寄らせないための方法の一つです。

蜂がいそうな場所へ行く際は、白などの明るい色の服を着用することも有効です。ぜひ行き先に合わせて服装を変えてください。

また、蜂は家の中や車の中に入ってくることがありますが、明るい方の窓を開けて外へ行くのを促しましょう。万が一刺されてしまった場合には、すみやかに応急処置をし、状況によっては救急車を要請するようにしてください。

⇒スズメバチ駆除のご相談はこちらから

ハチの駆除 最短5分で手配! ハチの巣駆除・室内のハチ退治 お気軽にご相談ください。 お見積り無料 0120-610-457 0120-688-671